- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334951085
感想・レビュー・書評
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戦前の宝塚についてまた別の角度から語られた本で臨場感があり楽しかった。
とても人柄が良い人なんだということがわかった。
フィクションの面があるとは思うがある女性の精一杯生きた過程として、とても心に強く刻まれた。 -
戦後から70年代にかけてのエンタメ業界話が好き。表舞台に立つ個性的な逸材たちはもちろん、それを後ろから支え操る才能あるアーティスト、実業家、裏社会…今のエンタメ界に通じる基礎の話、物事がめちゃくちゃややこしくなってくる以前の。
越路吹雪も逸材だけど、岩谷先生の人生も素敵。人のために働き、人に礼を尽くしながらきちんと自身の才能を開花させていった姿に、快活で粋で奔放なアーチスト然とした越路吹雪とはまた違う素晴らしさを感じる。 -
2020.2.15市立図書館
岩谷時子の生涯について、最近見つかった若い頃の日記や岩谷時子自身による回想録のほか宝塚歌劇団/東宝や舞台関連のたくさんの文献資料にもあたってまとめられた労作評伝。木南晴夏さん演じるお時さんがすばらしかったテレビ朝日のひるの帯ドラマ『越路吹雪物語』は、2018年1〜3月の放送だったので、2019年7月刊行のこの本は、そのドラマも横で見つつ書かれたのだろう。
5章まで読んで時間切れ返却。お時さんもさかのぼれば出雲大社の千家家につらなる
血筋の人なのはちょっとなるほどと思った。ちょっと前に(初)日生劇場観劇をして日比谷かいわいの空気を感じてきたばかりなので、戦後東京に移ってからの記述を読むと想像が捗った。
第1章 遠い春
第2章 宝塚文芸出版部へ
第3章 姉妹の絆
第4章 愛しのシャンソン
第5章 東宝文芸部時代
第6章 フリーランスの道
第7章 二足のわらじ
第8章 伝説のステージ
第9章 栄光の陰に
第10章 別れの時
第11章 時はゆくとも -
越路吹雪のマネージャーにして、「愛の讃歌」や「君といつまでも」の作詞家、岩谷時子についてはメガネをかけた大人しそうな和服の地味な人、というイメージを持っていました。たぶん昔のレコード大賞の中継で見かけた印象だと思うのですが…きらびやかな芸能界に紛れ込んでしまった学校の先生みたいな感じ。しかし先ず、びっくりしたのは本書第一章の口絵として掲載された23歳の時のポートレートの美しさ。読んでいる最中、彼女の心の動きに触れる時、何度もそのページに戻って知的で不安気で、でも意志の強そうな瞳を確認するために戻りました。まだ何者でもなかった時代に隠し持っていた文芸への夢をメガネで武装して守り続けた人生なのかもしれません。どんなにヒット曲を作っても華やかな芸能の世界に染まらりきらないアウトサイダーとして、いや、越路吹雪のマネージャーという裏方として、旧来の歌謡曲とは一線を画す詩歌の延長としての歌詞を作り上げていったのでしょう。そういう意味では北原白秋の後継であり、松本隆の先達として位置付けられるかもしれません。それにしても漫画では手塚治虫を、音楽では岩谷時子を生み出した宝塚歌劇という存在の大きさを改めて感じました。この本はノンフィクションというよりある種の創作も含まれていると思いますが、主人公の小さな心の揺れに寄り添う手法は、作詞家の人生の描き方として適切であったように思われます。なんと作者は「花子とアン」の原作本となった本の著者であり、村岡花子の孫であると知り、夢を見ることを職業にしていく女性の先達たちの業績を顕在化することをライフワークにしているのかな?と想像しました。この本も、いつの日か、朝の連ドラになるかもね。
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岩谷さん作詞の曲はどれもすばらしいと思っていました。
図書館でたまたま目についたこの本を読んで越路吹雪さんとの関係や生き方がよくわかりました。
仕事と介護の同時進行でも頑張られて、また長生きもされて岩谷さんにとって作詞訳詞は天職のようだと感じます。 -
素晴らしい訳詞、作詞で、ミュージカルの曲も大好きです。若い時のお住まいが、自分の住んでいたご近所で 更にびっくり。
孤独な表現者の方々の 理解者でもあったのだなぁと、舞台好きとしては、感謝と尊敬の念ばかりです。
有難う、岩谷先生。 -
古き良きエンタメの香りが感じ取れました。忙しそうだけれど、のんびりした気風が感じられます。年がバレますが、加山雄三氏のエピソードあたりから記憶があります。こうやって今の日本のエンタメの土台が作られたんですね。岩谷さん作詞の局、結婚知っててびっくり。男の子女の子、懐かしー。