- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334929268
感想・レビュー・書評
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「きりきり舞い」の続編。
十返舎一九の娘・舞は玉の輿を夢見ながらも縁談を度々父・一九に邪魔され二十歳になっても夢叶わず。
一九の弟子で浪人・今井尚武には勝手に許嫁扱いされているが、それだけは御免こうむると今は延岡の藩士・間与五郎兵衛が気になっている。
居候を続けている北斎の娘・お栄も相変わらず絵以外には全く興味なし。
一九とお栄と今井に振り回される日々は続く。
一九の四番目の妻で舞の義母えつも前作からパワーアップしてなかなかの人になっている。一九に酒を飲ませまいと自分で呑んでしまう。変人の妻になるということはこういうことか。
更には一九の落し胤・丈吉まで引き取ることになるのだが、引き取ったのは今井で自分を「父ちゃん」舞を「お母ちゃん」と呼ばせるのだから、舞は段々と包囲網が出来上がっていく感じ。
相も変わらず怒鳴るか呑んで騒ぐかの一九にも、居候なのに身勝手なお栄にもイライラさせられるのだが、一方でピークを過ぎた一九の苦悩や、表に見せない葛藤を絵にぶつけるお栄を見るのは切ない気もする。
今井とは収まるとことに収まった感じだが、今井の状態から舞がこれまで以上に踊りの稽古指南に精を出さねばならないのは決定的だし、大変な日々は続きそう。
『玉の輿どころか火の車』
苦しくてもきりきり舞いでも、舞の一番大切で居心地の良い場所はそこということか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「きりきり舞い」の続編。
相も変わらず、自由すぎる人達に振り回されている舞のドタバタ日常です。
玉の輿を夢見ていた舞ですが、結局自分にとって大切な人は誰か、という事を気づいたようですね。まぁ苦労はするとは思いますが、幸せなら何よりです。 -
第2弾。
やっと二人が夫婦になる。おめでとう。
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2012〜13年に「小説ほうせき」に掲載された連続7話の単行本化で『きりきり舞い』の続編。
十返舎一九の娘で二十歳の舞は、父とその弟子今井尚武、北斎の娘で絵師のお栄の三奇人に毎日きりきり舞いさせられている。
後妻に入る踊りの師匠の跡を継ぐが、父一九が中風で戯作を書けないため、家計は火の車。遠慮のない奇人たちは次々と面倒をかけ続けるが、その実、情は厚い。
舞は玉の輿を夢見るが、幸せとは何かを、奇人たちの中で知ってゆく。 -
いつもの江戸の人情味あふれる作品かと、思っていたが、、、、十返舎一九のおきゃんな娘 舞と、彼女を取り巻く奇人変人(?)の輩のドタバタ喜劇の様なお話。
好きではないが、居候の尚武に、自分の嫁は、舞殿しかないと、言われ続けていて、少し毛嫌いしていたのが、そばに近づくおいとに、動揺を隠せない気持ちになる舞。
そして、一九を助けるが為に、傷を受けた尚武は、剣術指南も出来ない位の片手が不自由になるかもしれない痛手を食う。
さてさて、、尚武が、駿河に戻らなければ、、、、、と、舞に言うと、、、、、舞の答えは、、、、自分が踊りの師匠として、、、食べていけるようにする、、、、と。
情に棹させば流される、、、、例えかも、、、大丈夫なの?と思わず思ってしまった。
葛飾北斎の娘お栄も、居候しているのが、この機に、父親同様に、引越する事になって、終わっているが、、、、この先どうなるのだろうか?と、、、、、
喜劇的に書かれているが、後ろの参考文献で、沢山の資料を読みとおさないと描けないと、思った。 -
ご存知「東海道中膝栗毛」の作者 十返舎一九には小町娘と言われるおきゃんな娘がいた。この娘、舞の周りには奇人変人が集まってくる。その中には葛飾北斎の娘 お栄もいた。ドタバタの騒動のうちにも深い訳と情けがある。
5月にはこの北斎の娘をヒロインとした映画も公開されると知りタイミング良くこの本に出会ったものだ。 -
「奇人気まぐれきりきり舞いーー」・・
私もおまじないにしようかな・・^^
十返舎一九の娘、舞のおまじない~♪
葛飾北斎の娘など、奇人変人に囲まれた舞の生活は、
大川(隅田川)を渡す橋に通じている。
隅田川の今昔散歩本を読んだばかりの私・・
珍しい本との出会いに感謝! -
東海道中膝栗毛の笛を書いた戯作者十返舎一九の娘舞を題材にした物語。破天荒な周りの人とのやり取りが面白い。