- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334927981
作品紹介・あらすじ
「これまでは他人と競争するためにやってきた-これからは自分との競争をする」父親の名は明かさないシングルマザーと戦力外通告されたプロ野球選手、二人の生きがいで紡がれる感動長編。
感想・レビュー・書評
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最初主人公の「可南子」がちょっと好きになれないなぁと…そんな読み始め(。-_-。)
前情報なしで読んだので、この作品トライアウトや野球の話しだと思ってたんです。
藤岡さんがスポーツ物?
ちょっと失敗したかしら?なんてね(*_*)
いや〜泣きました。゚(゚´ω`゚)゚。
小学二年の息子「考太」に泣かされました!
少年野球の紅白戦で泣かされてしまいました!
はい!この場面だけで☆4つです!
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いろいろなテーマが盛り込まれているけど、
その中の一つである(だろう)
戦力外通告を受けた野球選手の発言が、
なかなか興味深い。
野球しかやってこなかった、
野球だけやることを許された人物が、
人生の岐路に立った時、
何を考え、どう振る舞うのか。
こういう人生もあるんだなぁと
しみじみ感じた。
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初めて読む作家さん。
新聞の書評に「清々しい作品」とあったがまさにそう。
野球を知らないわたしでもまったく気にならず、引き込まれて読めた。
以前読んだ、同じように野球がキーポイントとなる伊集院静さんの「受け月」は、わたしが野球が好きならおもしろく読めただろうなと感じた。
こういう違いっておもしろい。
下手に恋愛に発展することなく、でも、正しすぎず爽やかすぎず、素直に引き込まれて読める作品。 -
「トライアウト」。プロ野球では、戦力外通告を受けた選手が新天地を求めて、まさに選手生命を掛けて挑む機会、「拾う神あれば捨てる神あり」。タイトルは単にプロ野球のイベントを示すのではなく、誰の人生にも起こり得る「挫折と復活」のメタファー。
たとえトライアウトで女神が微笑まずとも、生きている限り人生は続いていく。そうそう上手く事が運ぶわけがない。毎日それこそコツコツと強く生きていくことで、復活の目が出るのを待つのだ。俯くのではなく、顔をあげて上を向く、作中でトライアウトに臨んだ深澤が天を見上げたように。
この作品からは、そんなメッセージを受けました。 -
読んで良かった。泣いた。
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一気に読み終わりました。前向きに生きようという気持ちになります。
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誰よりも考太が強く、健気で、真っ直ぐで、心から応援したくなりました。担任の先生も出番は少なかったけど良かったな♪可南子の頑張りも理解できるけど、全ては聞き分けの良い子に育った考太だからこそ許されたことではないのかと。そしてそう育てたのは可南子ではなく、健二であり、佳代であり、柚奈ではなかったのかと思われ。反発するのはいいのだけど、そこに対する彼女の思いはあまり触れられず釈然としないものも感じました。認めてほしかった…それは分かるのだけど。隠すのはいいけど、少し独りよがりに感じてしまったのでした。
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女性の生き方を鮮やかに描き出す藤岡陽子だが、珍しくプロ野球という男くさい世界を絡ませて、未婚の母にとっての子供との関係や実家との関係、そして仕事と家族というテーマを描いている。
プロ野球選手として崖っぷちに立つ男が女性新聞記者である主人公に対してどういう気持ちでいるのか、なぜ主人公をここまでサポートするのかという点が最後まで曖昧なままなのが気にかかるが、主人公の葛藤や決断という心の動きを丁寧に追っていて、全体としては分かりやすい。
彼らの10年後という続編を読んでみたい。 -
読み終わって、頑張る気力と清々しい気持ちになれる本でした。
プロ野球の世界の戦力外通告を受けた選手が最後のチャンスを獲得するためのトライアウト。現実はなかなか厳しい。
そんな選手とシングルマザーの新聞記者を中心に物語は進みます。
出来すぎなストーリーですが、読んでいて面白いし、生きる希望をもらえます。生涯現役というセリフも良かった。