野守虫(のもりむし)

著者 :
  • 光文社
3.46
  • (4)
  • (12)
  • (16)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 82
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913281

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 柴田哲孝はつい読んでしまう作家。
    先日読んだジミーハワードのジッポーはイマイチだったが、この定年間際の片倉刑事シリーズは良い。
    人物の造形が良いのかな。ストーリーも良いし、途中から元妻が人質になるんだなという予想通りだけど、まあこれはお約束。一気に読み終えてしまった。

    Amazonより
    凶悪犯・竹迫和也が弁護士との接見中に脱走。休暇を使い、飯田線で天龍峡に赴く片倉康孝は、道中で竹迫の過去を探る。一方、犯罪を重ねて逃げる竹迫もまた天龍峡へ。彼にとって拭えぬ過去の眠る地で惨劇が始まる。刑事・片倉は凶行の連鎖を止められるか!?

  • 6月-3。3.5点。
    片倉刑事シリーズ。留置場から犯罪者が逃亡。
    知能指数の高い、強盗犯。片倉は以前逮捕しており、旅行がてら犯人の出身地へ向かう。

    このシリーズには珍しく、スピーディーな展開。
    ラストがなかなか面白かった。

  • 面白かった。なんだか温泉に行きたくなった。

  • 図書館で借りて読む。長野や愛知が舞台、それだけで情景がはっきり浮かべる事ができ、サクサク読み終わる。殺人を犯して逃走している竹迫に憎むべき殺人犯に肩を持ちハラハラしながら、そしてうまく逃げ切ってほしいと願ってしまう。何故そう思ってしまうのか、幼さを残しながら平気で殺人を犯し、そして反省もしない竹迫をうまく書いているからなのかな?

  • 評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    強盗容疑で勾留されていた竹迫和也が弁護士と接見中に脱走。彼は、定年間近の“乗り鉄”刑事・片倉康孝が、六年前に逮捕した男だった。休暇を使い、秘境のローカル線・飯田線で天龍峡に赴く片倉。道中で竹迫の生家を訪ね、近隣住民から、彼の幼い頃、祖母が強盗に殺されていたことを聞く。一方、犯罪を重ねて逃げる竹迫もまた天龍峡へ。彼にとって拭えぬ過去の眠る地で惨劇の幕が上がる。片倉は凶悪犯・竹迫の暴走を食い止められるか。そして衝撃の結末!

    住んでいる地区の名前が出てくるので勝手に親近感をもって読んだのだが・・・ミステリーなのになぜか最後はパッピーエンド?しかも締めが無い。

  • 次々に罪を重ねつつ逃走する脱走犯と、たまたま休暇での旅行中に現場に居合わせた刑事。のどかな旅情ミステリの雰囲気も多少ありつつ、脱走犯の行動から目が離せない警察小説にしてサスペンス。
    一見極悪非道に見えながらもどこかしら不安定さを感じさせられる竹迫。もちろんどんな理由があろうと許されるはずのない犯行だけれど、彼の人間形成に何が関わっているのか。「野守虫」の意味は何なのか。そのあたりは少し悲しくもなってしまったのでした。すべてが環境のせいだとはいえないけれど、もう少しまともな環境で育てられていたら、というのが切なくて。
    そして彼を追う刑事・片倉。ただ闇雲に追うだけではなく、竹迫を理解しようという姿勢が優しくていいなあ。ラストの展開にはもうどきどきです。

  • 片倉刑事シリーズ第2作?かなり早い段階から展開が読めた。出来過ぎだろと思う部分もあるが必然と偶然の両方と作中にもあるので何とか納得はできた。犯人がかなり特異的な点と犯人を警察が追跡し続ける点はスリリングで良かった。最後はダイハードじゃないか!

  • プレデタータイプの犯罪者が出てくる小説が何故か好きで面白く読んだのですが、

    信州弁に引っかかってしまい、終盤のクライマックスシーン以降が入ってこなかったです。
    「ら」は「…でしょう?」というくらいの使い方をするものだと思うのですが違いますかね?
    何でもかんでも語尾に「ら」をつけられると違和感を感じます。

    元妻に温泉旅館を教えたところからお約束の展開なのは、好みが別れるでしょう。




  • 強盗で5年7ヶ月の刑で府中刑務所から出所したばかりの竹迫が逮捕され、警察署での弁護士との接見中に逃亡。同じ頃、石神井署の片倉刑事は休暇を取り秘境のローカル線の飯田線で乗り鉄を楽しむ。片倉は6年前の竹迫逮捕の主任刑事だった。竹迫もある目的を持って飯田線沿線に逃げ込み、片倉刑事とのニアミスも。更なる罪を重ねる竹迫、そして長野県警との共同捜査に参加する片倉。両者の心理を交互に連ねる模写はハラハラした。片倉の元妻の智子の再会が予想外のサプライズに。飯田線は私的に思い入れのある線でぜひとも秘境を訪れたくなった。

  • 凶悪犯・竹迫和也が弁護士との接見中に脱走。休暇を使い、飯田線で天龍峡に赴く片倉康孝は、道中で竹迫の過去を探る。一方、犯罪を重ねて逃げる竹迫もまた天龍峡へ。彼にとって拭えぬ過去の眠る地で惨劇が始まる。刑事・片倉は凶行の連鎖を止められるか!?

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1957年、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科中退。フリーのカメラマンから作家に転身し、現在はフィクションとノンフィクションの両分野で広く活躍する。パリ〜ダカールラリーにプライベートで2回出場し、1990年にはドライバーとして完走。1991年『KAPPA』で小説家デビュー。2006年、『下山事件 最後の証言』で第59回「日本推理作家協会賞・評論その他の部門」と第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)をダブル受賞。2007年、『TENGU』で第9回大藪春彦賞を受賞し、ベストセラー作家となった。他の著書に『DANCER』『GEQ』『デッドエンド』『WOLF』『下山事件 暗殺者たちの夏』『クズリ』『野守虫』『五十六 ISOROKU異聞・真珠湾攻撃』『ミッドナイト』『幕末紀』など、多数ある。

「2021年 『ジミー・ハワードのジッポー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柴田哲孝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×