- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334911997
感想・レビュー・書評
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一度は行ってみたいと思っている憧れのルートの一つが後立山から白馬岳を巡り北上し朝日岳から続く栂海新道(つがみしんどう)! なんと稜線を縦走して日本海の親不知へと至るルート。最低2日はいや3日は必要なルートなんですけどここ数年ずーと夢見てます。
ふと目にした帯に栂海新道ってあるじゃないですか。しかも残雪期の縦走とか夏場でも大変な行程なのに大丈夫なんかいってとこで興味がでてきました。
学生時代は山岳部で後立山あたりで競い合ってた仲間とか1人は警察を辞めて遭対協として遭難防止活動にあたるベテラン、もう1人はブランクがあり足取りがおぼつかない。そんな様子を見てて指導しようと近づくと、かつての盟友だった。意気投合した2人は1日目、白馬鑓温泉小屋の露天風呂を目指す。4月小屋開け前の残雪期は登山者も稀で日帰りのバックカントリー組が主流だ。
この時期テン泊縦走する登山者は余程の強者だと思う中、女性ソロが軽快なペースで追抜いて先を行ってしまう。序盤からもう山の世界に引きずり込まれてしまいました。彼らのルートは地図を見なくても追うことができるし、リアルな光景が浮かんできました。
学生時代共に登った光景と現在の光景を織り交ぜながら進行していく。しかも、この女性ソロとも運命の展開が待っている。歳を重ねて人の思いや立場は変わってしまっても山は変わらずに受け入れてくれるし、山にいるときは素の自分でいられる。
私も先日、鹿島槍迄登りましたが5年前に登った時と比べると時間がかかるようになってしまい若者にも随分道を譲り衰えを感じてしまいました。
追手が迫る中、白馬岳でスリリングな攻防が繰り広げられる。大雪渓とかバリエーションルートの主稜線まででてきたぁ。山友が残雪期限定の主稜線から白馬にあがってるので大興奮。
かなりのページ数さいて語られるアクション活劇風なところはストーリーを盛り上げます。でも、私のハラハラドキドキは残り少なくなってきたページ数が気がかりで、いつ栂海新道に向かうのだろうかとゆう行程のほうに関心がある。
作中、脳は嘘をつく。もう限界だと体に偽りの指令を出す。それに騙されてはいけない。本当の限界はもっともっと先にある。体でなく、心が限界を作るのだ。
なんかカッコいいセリフなんだけど、うーんこれどうなんだろうと感じました。
脳が命の危険を察してるのだからリミッターかけてると思うのですが、正常な判断できるうちに撤退するのが理想じゃないかと。意識が朦朧としてきたら危険すぎます。万一、山で死んだら、捜索費用とか数百万単位になるし、遺体が見つからないと失踪扱いになって7年間は保険おりないし遺族や関係者に多大な迷惑かかるんですよね。
そうゆうこと考えると無事下山できることが何より大切なことじゃないかと思います。
読み終わって思いましたがこの作者、白馬岳あたりの描写はやけに詳しいのですが肝心の栂海新道は朝日岳まで行けばあとは下りだって手を拭いててがっくりしました。そこから親知らずまでは25kmありますが下り基調とはいえアップダウンもあるし怪我人背負って歩き通せるとは思えないし、人命を重んじるならヘリ呼んでくださいっw -
面白い!
残雪の北アルプスを進む得丸と池谷の山行が、臨場感に溢れていて、詠んでいるこちらまで苦しくなってくる。
さらに、ストーリーも面白くて、一体どういうことなんだろう?とか、池谷は何者なんだろう?とか、途中は刺客が追ってきたり、ハラハラする。残雪の北アルプスで繰り広げられる逃避行と、男の信念、友情。ハラハラ、少しワクワクしながら、雪山登山の臨場感に圧倒されながら、こちらは読み進んでいきます。
***ネタバレ***
最後、日本海に到着した得丸と池谷。
得丸に背負われ、恐らく息途絶えているであろう池谷と、その池谷に話しかける得丸の二人の姿に、ちょっとホロっとしました。池谷は、最後、得丸に背負われ息途絶えて行ったことは、幸せだったかもしれないと感じました。
まさか、池谷が北朝鮮の工作員だったなんて思いもよらず、こんなにスケールの大きな背景があるとは、読み始めた時は知るよしもなく・・・
残雪厳しい雪の北アルプスの小説の世界にどっぷりはまってしまう、馳星周さんの作品でした。 -
馳星周さんらしいハードボイルドタッチの読み口と、ある理由のために日本海を目指す2人の男の物語が上手く合致している。登場人物が極端に少ないのに、何故日本海を目指すのか、が後半まで不明のため謎の提示の形としても見事に収まっている。そして何と言っても2人の男(主人公の得丸と警視庁公安部の池谷)とK2にて亡くなった若林の3人の友情小説としても楽しめるのがピカ一。その都度で挿入される大学時代のエピソードがいちいち胸アツでエッセンスとして抜群。山岳小説はこういう読み方が出来るので良い。
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バイオレンス小説のイメージが強かったので、こんな山岳小説を書けるなんて、意外。
雪山の厳しさにぞっとしたり。
彼らの出会う美しい風景に、ともに感動したり。
臨場感がある。
山登りの大変さと、自然がもたらす危険。
それを乗り越えてなお続けてしまう、山登りの魅力に満ちている。
動機には、馳星周らしさが。
天才・若林をふくめた人間関係や、山岳部時代の思い出もふくめ、読み応えがあった。 -
山に登りたくなる描写が多々あってその背景が見える様な小説でした。偶然にも遭遇する所はフィクションだとして昔の盟友の絆が熱く感じて個人的には好きな話です。最後の締まりがもう少しものたりなさを感じて…この評価です。
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『不夜城』に代表されるように、著者にはノワール作家というイメージがあったが、このような山岳小説を書くとは!
解説を読むと、軽井沢在住の著者は最寄りの浅間山を始め八ヶ岳や北アルプスを踏破していると知り、納得。
山岳ガイドの主人公は、大学登山部の旧友と白馬岳で再会したが、彼は拳銃を突き付け、日本海までの同行を強制。
残雪期のただでさえ困難な登攀に、怪我を負い、追跡者に追われながら、女性を交え三人での逃避行。
無事に日本海までたどり着けるのか。
旧友はどうして追われているのか。
ハードボイルド+ミステリータッチに、読む手が止まらない。
続編がありそうな予感に、期待◎。 -
ちょっと設定に偶然が過ぎるけど、登山を多少なりとも嗜む者としては心理描写は分かるものばかりだった。
蒼き山嶺とは良く付けたタイトルだなと思う。
K2を舞台にした続編に期待!
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意外にも著者初読み。
山岳小説ということで読んでみた。
元山岳救助隊だった主人公が、交番勤務に異動になったことで警察を退職し、白馬岳で山岳ガイドをしているところに、大学時代の山岳部の仲間で警視庁の池谷が20年以上ぶりに現れる。
誰かに追われているらしい池谷は、山岳ガイドとなっていた得丸に同行を求める。
公安から追われた人間が冬山に逃亡すると言う話はよくあるパターン。しかし、大学時代の回想シーンが多く、特別スリリングな展開になる訳でもなく、結局何が伝えたかったのか、ちょっと理解できなかった。 -
あらすじ
元山岳遭難救助隊員の得丸志郎は、残雪期の白馬岳で公安刑事・池谷博史と再会した。二人は大学時代、山岳部で苦楽をともにした同期だった。急遽、白馬岳山頂までのガイドを頼まれた得丸が麓に電話を入れると、警察に追われた公安刑事が東京から逃げてきている、という話を聞かされる
感想
後立山連峰、白馬鑓温泉、誰も居ない白馬山荘、素敵だろうな。友情、裏切、怒り、愛
ノワール作家の感性に脱帽!
ゆかりさんとの続編を期待してます。 -
大学時代の山岳部の同期三人。一人は警視庁公安、もう一人は長野県警だったが山に関わり続けたいために退職、天才的な山屋は遭難した。公安の池谷は逃亡中、元長野県警の得丸に会い、日本海までガイドをお願いする。池谷はなぜ逃げるのか。三人の絆とともに描かれる。山に対する思いが熱い。ミステリー調で途中から山知らずの私でも難なく読み進めることが出来、最後は山に登らないと見れないような景色が語られ、それは羨ましく思う(いやもう決して力が余っている若者ではないし、かなりの努力と熱望がなければ無理であろうさ)。山に入る前の現状などもう少し深いものがあればより良しかなあ。
一応、ココヘリの山岳保険に入ってますよ。遭難した場合、発信機から位置情報知らせてくれるのでヘリが飛ばないような...
一応、ココヘリの山岳保険に入ってますよ。遭難した場合、発信機から位置情報知らせてくれるのでヘリが飛ばないような夜間や悪天候じゃなければ救助に入ってくれると思いますっw
詳しくはココヘリでググってみてください。
この連休はテン泊してきまーすっw
テン泊ってなんだろう?って思って…
ちょっとそっちも調べてみたら、
テント泊のことだったんですねぇ(...
テン泊ってなんだろう?って思って…
ちょっとそっちも調べてみたら、
テント泊のことだったんですねぇ(*^-^*)
いいですねぇ~♪
この連休、明日明後日は暑くなりそうだけれど、
山は涼しいだろうけれど気を付けて
楽しんでいってきてくださいねぇ!
白馬岳とか高山植物の種類が豊富でそっち方面も行きたいのですがここは予約してないと泊まれないし小屋と言...
白馬岳とか高山植物の種類が豊富でそっち方面も行きたいのですがここは予約してないと泊まれないし小屋と言っても1泊15,000円、高級ホテル並みの料金なんですよ。テント場も値上がりしてて3,000円とかもう大変。コロナ前は予約なしで1,000円だったのに(遠い目)
とりあえず予約なしで泊まれるところも奥地の方はありますので
そちら目指して準備中ですww