出張料理人ぶたぶた (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334790370

感想・レビュー・書評

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  • 疲れている時、弱っている時、ぶたぶたさんを読むのが辛くなることもある。
    誰だって、そうだと思うことだが、彼は存在しないし、肝心かなめな物語でも否定されてしまうことがある。
    だって、彼はぬいぐるみだから。
    だから、わかったつもりで、物語を読んで、救われて、泣いてしまったりするのだ。
    彼はどこにもいないから。
    でも、胸の奥には彼がいて、ぶたぶたさんに救われたことを嬉しく思う。
    だから、新しい本が出る時、一番に読みたいと思ってしまう。
    そして、ぶたぶたさんがいてくれたら、いいのにと思うのが、寂しくなるのだ。

  • 個人的には、ぶたぶたシリーズの中でも上位に食い込む1冊。

    高速で二日酔い状態になった友人の代理で、すてきな(読んでるうちによだれが出る)ディナーをいただくことになった主人公の話と、ローストビーフに万能だれ(真似したくなる)をかけて食べる話が心に残ってます。

  • 今回のぶたぶたさんは出張料理人。山崎ぶたぶたさん(小さな豚のぬいぐるみ)のお話シリーズです。どの本から読んでもok. 仕事を依頼して来たのがぶたぶたさん。みんなビックリして、お客さんの中には妖精?と勘違いする人も。でも、仕事は一流。我が家にも一度来て欲しいなぁ。今回も、のほほ〜ん、時にはじんわりと、癒されました。

  • ネットで見かけた、美味しそうな本、というテーマで、この本をおすすめにあげる方が多くて、はじめて名前を知る。
    ぶたぶたさんシリーズはたくさんあるけど、どこから読んでも大丈夫とのこと。
    どれどれ、とこの2020年刊行の出張料理人を読んでみた。
    一話完結型の短編が4つ。
    いずれもぶたぶたさんが出張料理人として登場する。
    料理や自分へのケアがテーマである。
    ぶたぶたさんは名前の通り、ぶただけど、中身は優しくも立ち入らない、しっとりしたイケボイスのおじ様らしい。

    なんでもない日の食卓…美味しそうで羨ましい。子持ち主婦が家族からの解放をめちゃくちゃ楽しみにしている図が親近感がわく。

    妖精さん…お疲れのところにこんな人が来たら嬉しい。コロナ禍真っ最中で家族と離れてリモートワークする中年女性。子供の顔を思い出すと元気が出る。それは離れているからこそですね。毎回それを突っ込んでしまう自分。すみません。

    誕生日の予定…ほろりと泣けてしまった。もう成人した娘との距離感に悩む女性の話。料理で解決はしない。そこに至るまでの話しあい、歩み寄る努力、家族とはなんだろう、という話。家族の問題はハタからは見えないだけで、幸せそうに見える家族だって本人たちにはいろいろあるだろう、とぶたぶたさん。さすが多くの家庭を見てきただけある。

    通夜の客…おそらく、これは初期シリーズで主役級だったキャラのお葬式の話。故人との思い出と、現代お葬式をうまくまとめてある。おいしい記憶は幸せなものだ。

    じんわりと、日常をうまく描いているシリーズだ。こういう本に癒されたい気持ちがみんなにあるだろう。生きるのに必要なタイプの本だと思う。他のシリーズもまた読みたい。と思ったらものすごくたくさんあるんですね。

  • 短編4作品。

    今回のぶたぶたは、出張料理人(ハウスキーパ-でもあったりします)で、4つのお家で腕を振るいます。
    いいなと思った「なんでもない日の食卓」「妖精さん」
    ?と思った「誕生日の予定」
    ほか「通夜の客」

    誰かが作ってくれるごはんや、一息つけることの大事さとか、心温まる作品でした。

  • 何でも作ってくれるハウスキーパーも兼ねた出張料理人がいれば、世の奥様方にはモテモテになるんでしょう。ただ、ぬいぐるみだってのが毎度のこと驚き。「誕生日の予定」では、ぶたぶたさんと打ち合わせしてるとこに娘が帰ってきて、ぬいぐるみを装う(ぬいぐるみなんだけど)ぶたぶたさんに笑った。最後の通夜に参列したぶたぶたさんの気遣いとこれまでとちょっと違うしんみり感があった。常備菜ってのは便利かなと思った。

  • 今回は出張料理人のぶたぶたさん。
    私も来て欲しい!
    常備菜と素敵な朝ごはん、ぶたぶたさんに癒されたいです。

  • 出張料理人はなんとぶたのぬいぐるみだった!
    (なお声は中年男性)
    という短編集。

    かなりシリーズがあるみたいだけど、初めて読みました。
    どの作品も大きな事件はないけれど、ちょっと鬱々としてたり、モヤモヤしてたりするものを抱えた人物たち。
    美味しいご飯と、喋る豚さんがとにかくほのぼのと優しい物語で、なんだか癒やされます。
    そんな物語を知れた幸せ。

    ハードなノンフィクションや、ミステリの合間に読みたいなw

  • 目次
    ・なんでもない日の食卓
    ・妖精さん
    ・誕生日の予定
    ・通夜の客

    出張料理人といっても、それを頼む人にはそれぞれの理由があるわけで、ぶたぶたさんはどんな相手にも最適の対応をしているのが素晴らしいと思う。
    頑張りすぎている人に同情するわけでもなく、あくまでビジネスとして、だけど温かいぶたぶたさんの言動。

    『通夜の客』以外は、母親が主人公。
    まあ、そうだよね、料理人を頼むとしたら。

    最初『妖精さん』の主人公は、ひとりでへとへとになるまで仕事をして、倒れるように眠りについていて、家に家族の気配がないのに子どものことなんか考えていたりして、「離婚した?」「死別した?」と不安に駆られる。
    コロナ禍で別居してた…ということだったので、とりあえず安心。

    そして、『誕生日の予定』が切なかった。
    25歳の娘の誕生日のサプライズパーティーをしたい母。
    25歳の娘にしては、ちょっと違うんじゃないかなというオーダーに、これまた不安になる。
    こちらの方は本当に、自分の娘のことを何にも知らない母だった。
    仕事にかこつけて子育てを自分の親に任せっきりで、結果、うっすい親子関係だったことに気づく。
    これからの改善に期待するよ。

  • ぶたぶたシリーズ 出張料理人
    いつもですが読んでいて食べたくなる料理登場でお腹すいておやつ必須
    そして
    会いたくなる、話をしたいおじさんNO.1
    その名は山崎ぶたぶた
    妖精さん!!

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著者プロフィール

一九六四年、埼玉県生まれ。八五年、矢崎麗夜名義で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞し、八九年『ありのままなら純情ボーイ』で作家デビュー。主な著書に「ぶたぶた」シリーズ、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ、『あなたのための時空のはざま』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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