[増補版]なぜ関西のローカル大学「近大」が、志願者数日本一になったのか (知恵の森文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334786922

感想・レビュー・書評

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  • クロマグロの完全養殖を成功させた等、研究の力があることはもちろんでしょうが、広告・広報や、学生のモチベーションを高めることに力を入れた結果として、志願者数がここまで増えたようです。
    本書は2016年に書かれたものですが、最近でも近畿大学の特集をしたニュートン別冊を書店で見かけましたし、今でも戦略的に大学の魅力を発信し続けているから、志願者数トップを維持しているのだなと実感しました。

  •  全編を通してそのキーワードとなる「近大マグロ」。このテーマから幅広く近畿大学のこれからを作っていく取り組みが紹介されていく。建学以来の「実学教育」を新しく組み立て直していく、そして偏差値や過去からのイメージから脱却していこうとする姿がそこにある。軽快なテンポの語り口が快く感じられた。
     それでも述べられていない重要な点が気になった。変革には、反対者や様子見者が必ずその道に現れて、立ち止まらずを得なくなる。それでも前へ進みたい。そして進むための合意形成がどのようにして行われているのか、こうした点に触れたところが皆無であり、この軽快なテンポをそのまま受け取ることができないのである。
     もし良い面ばかりを書き連ねただけなのであれば、ちょっと残念になる。

  • 5章あるうちの1章はまるまる広報の話だった。プレスリリースの数は年間233本(2013)。一人称で自己アピールする大学を社会は求めていない、第三者を介して伝えることを大切にしている。記者に対して記事を書いてとペコペコすれば書いてもらえるほどジャーナリズムは甘くない。それより、問合せが入ったときに速やかに対応し、求められている情報を提供すること。広報部と内部の連携のためコメンテーターガイドブックを制作。学生は広告より公式に配布する大学案内や情報サイトなどベーシックな情報源を参考にしているとわかり、広告媒体への依存をやめて自分達のウェブサイトや印刷物をしっかり作る。新聞一面広告などはやる。結果、広告予算は増やしていないのに、最近広告にお金をかけてますねと言われるようになった。選択と集中の成果。

  • 「近大」になら通ってもいいかもしれないと思いました。

  • 反省し、対策を練る。
    自らの長所短所を把握し、広く売り出す。

    当たり前のことをしているように映るが、大学といえば教員、職員と、異なる境遇の職員がいる。その彼らが組織としての目標、理念に基づいて、行動する。

    近代の強さというのは、この組織力というのもあるかもしれないと思った。

  • 大学がここまでやるのか!?
    女性のためのパウダールーム、養殖マグロのレストラン、記者会見。
    2018年問題に向けての大学の在り方を考えるのに良き一冊だった。

  • 近大の強さを読み解くと、2つのキーワードが見えてくる。一つは「変化」もう一つは「実学」。これまでに無かった革新的な取り組みを通して、志願者数日本一を達成。まさに時代に合わせた変化のたまもの。そして集まった学生は、実学を通して真に人の役にたつことを楽しく学べる。近大=養殖マグロのイメージが強いが、実はもっと奥が深かった。

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著者プロフィール

主な著書に
ルポ美容整形(三一書房)
それじゃあグッドバイ〜平田豊最後のメッセージ〜(白夜書房)
決定版エステ読本(情報センター出版局)
ショーン〜横たわるエイズ・アクティビスト〜(小学館)
第一回 国際ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品
エイズを100倍楽しく生きる〜大貫武と12人の共同作業〜(径書房)
印度ミッドナイト・トリッパー〜TOKYO発五感の亜大陸行〜(情報センター出版局)
死の距離〜「病/エイズ」をめぐる経験〜(エー・ジー出版)
トレンドのゆくえ〜コラムノンフィクション45〜(洋泉社)
時代をノックする音〜佐野元春が疾走した時代〜(毎日新聞社
五感喪失」(文藝春秋)

「1995年 『エイズを100倍楽しく生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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