東京近江寮食堂 宮崎編: 家族のレシピ (光文社文庫 わ 12-4)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334777821

感想・レビュー・書評

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  • 続編が出るとは思ってなくて 本屋さんで見つけた時はうれしかったぁ。前作も良かったけど 今回はさらによかった。香津葉ちゃん ちょっとの間にグッと成長したねー。きっとステキな女性になると思うわ。家族ってほんと難しい。

  • 3年前に読んだ東京近江寮食堂の続きを発見!前は、主人公が失踪した夫を探して滋賀から上京し、食堂を経営することになった、ところまでだったかな。

    夫が東京にいることが分かったが、アルコール依存症の治癒のため、近づいていいものか考えあぐねている妙子。そんな中、現在営業中の東京近江寮食堂の建物が建て替えのため移転を余儀なくされる。なかなか値段と場所といいものが見つからない中、すごくいい話が!ご縁とばかりに話を進めるも、新天地にて営業開始。早々に大家の家族の問題が浮上。大家の娘の香津葉と同居。これまた今時の子どもで親から見放されたと思っていた。しかし付き合っていくうちに自分も人に喜ばれる料理を作りたいとまで思い始め・・いい方向へ進む姿はいいなと思った。

  • 【美味しい小説】の続編!
    いやぁ、正直2冊目の今回の方が美味しさ溢れてた!
    なぜなら宮崎名物、チキン南蛮がやたらと出てくるから(笑)仕事帰りの電車の中で読んでいて、何度となく出てくるチキン南蛮、、濃厚タルタル。
    さらに肉巻きオニギリ、揚げ麩を入れた深夜のカレー、ピーナッツ入りの冷汁。
    近江食堂なのに宮崎編とは??と思ってましたが、割と楚々として控えめな感じの近江料理より、がっつりコッテリ甘々な感じの宮崎料理の方が、疲れた夜の自分に刺さってしまった(。-∀-)全部食べたーい!
    ちなみに、宮崎編となったのは新設近江食堂のオーナー絡みのお話になったからでした。
    親子3代続いて引き摺った家族間のいざこざがもとで一度は崩壊したオーナー家族を、娘さんに料理を通じて優しさや愛情の与え方を教えることで、見事修復した妙子さんはすごい!
    旦那さんとの進展はほとんどなかったけど、今回あんまり絡むと余計な感じになるからちょうど良かったのかな。
    それしてもすごいのが毎回のおかずの種類の多さ。
    おばんざいとしてもこんなある?ってくらい副菜もりもり。下手するとゴハンが2個ある(笑)
    毎回こんな盛りだくさんなゴハン食べてたら、身体3倍になっちゃいますね。
    とはいえ、美味しそうで魅力的な谷根千のお値打ち食堂、実際にあったら絶対行きたい。
    つられて食欲がもりもり湧いてくる小説です。

  • 滋賀から東京に出てきて始めた東京近江寮食堂も軌道に乗った。そんな矢先に近江食堂が取り壊されることになる。なんとか古い日本家屋を格安で貸してもらえる事になった。しかしその家の持ち主のヤンチャ娘を預かる事に。
    今回は宮崎料理が多数出てきてどれも美味しそうだった。常連カップルの仲違いを妙子らしく料理を使って解決したり、ヤンチャ娘を料理の世界に誘ったりと料理によって周りの人たちを幸せにしていく。
    とは言え当の本人は夫との関係が付かず離れずのままでまだまだ時間がかかりそう。
    他の土地の料理もどんどん続いて欲しい。

  • 失踪した夫を追いかけて滋賀から東京に出てきた寺島妙子は、「東京近江寮食堂」の調理担当として腰を落ち着けたが、店そのものが取り壊されることに。
    知り合いのツテで、大学教授の実家である大きな日本家屋を貸してもらって、食堂を再開できることになったが…
    なんだか出るみたい。
    そのうえ、素行が悪くて親も持て余している、大学教授の娘まで預かることになった。

    キーワードは、郷土料理、我が家の味。
    郷土料理は東京で紹介されれば東京の味に変わり、我が家の味と我が家の味が結婚すれば、新しい我が家の味が生まれる。
    月下氷人はお醤油?
    固く守りたい思い出の味や、理想があるかもしれない。
    でも、"固い"と"かたくな"はちょっと違う。
    "これやなかったらあかん"というのは窮屈、と妙子。

    誰かに料理を食べさせる喜びがどんどん大きくなっていく妙子。
    立派な、食堂のおばちゃんになった。
    そして…
    若い子は成長が早いなあと思う。
    不良娘はあっという間に両親よりもオトナになってしまった。
    大人はなかなか変われない。

    妙子と秀一の夫婦の問題はまだ時間がかかりそうだ。
    簡単に解決しないところが却ってリアル。
    ついに妙子が秀一に愛想を尽かしたかという場面もあったが、意外にもそうではなかった。
    お互いに、"もや"の向こうに見えていた相手の姿をくっきり見ようと模索している最中なのかもしれない。

    秀一も、大学教授も…男は弱い、と感じる。
    女がか弱い受け身の存在だと思われがちだが、男は自分の優位を当然と思うあまり、かしずかれ、世話してもらうことを普通と思っている節がある。
    何かしてもらう、実は受け身の存在とも言える。
    その当然の献身が、尊敬が受けられなくなった時、理由を考えることなく"捨てられた""放棄された"と思ってしまう。

    若い香津葉には、まだまだ伸びしろがある。
    成長して、また戻ってくると良いなあ。

  • あー、心地よい。よいです、よいです。

    帰省期間中、すでに買い込みすぎた感のある文庫本の冊数に更に出立直前の成田空港で追い打ちをかけてしまった。その後初版発行日に目をやったらその日は購入した日から言うと未来の日付であり、それとは知らずにちょうどその日から読み始めていたという事実に驚愕。そんなこともあるんだ…とちょっとした導きを感じずにはいられず。

    願わくば前作読了後直後に読みたかったところ。というのも前作の登場人物やいきさつが割とふりかえりなしでポンポンと入ってくるため、自分のように前作読了から時間が立ってしまっている場合や、なんにも知らずに本作を先に読んでしまった人にはある意味不親切な作りにはなっていたため。ただ連続して読む分には心地よいテンポであるはずなので、その仕組みを全否定はできない。ぜひもう一度通しで読んでみよう。

    柿の木にまつわる下りはつい「二十四の瞳」の中の話なんかを思い出してもみたりでちと切ない。

    妙子さんのセリフはつい音読したくなってしまう。映像化されるならその辺は一切手抜きなしで取り組んでほしいところ!

    シリーズ化されたら…読んじゃうなぁ、きっと。

    ただ本作はある程度血糖値を上げてからページをめくることにしないとまずいです、ハイ。

    …いや、ちがった、「うまそう」なのです!

  • 前編、読んだな。
    家庭っぽい寮でいいなぁと思っていたけど、寮が続けられないということになるなんて。
    人づてにいい物件に出会えて安心だな、と思ったら厄介事まで頼まれて……。
    付き合いにくい、面倒と思っても、ゆっくりじっくり話してみればわかりあえることもあるのかも。ま、そううまくはいかないのが現実だろうけど。

  • 今回もおばちゃまコンビに癒されました(^^)
    旦那様との関係も、少しずつ変化してきましたね。
    前回からの登場人物たち、お元気そうで何よりでした!
    そして新たな登場人物もまた魅力的。

    美味しいご飯の思い出は、あったかい。
    みんなで食べれば、なおよろし。

  • うん、やっぱり面白い。美味しそうな料理と味のある登場人物たち。ストーリーも分かりやすくて読みやすい。続編出ないかな…

  • 家族のレシピ

    その通りの内容でした。
    前作に引き続き、とても温かくなる。
    そして、終盤は涙が止まりませんでした。

    参考文献を読みたいと思った本は初めてです。
    醤油の奥深さ、和食の有り難さを感じる、とても素敵な本でした。

    渡辺淳子さん、好きです。

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著者プロフィール

滋賀県生まれ。看護師として病院等に勤務。2009年第3回小説宝石新人賞を受賞し『もじゃもじゃ』にてデビュー。滋賀県の食をモチーフに描いた『東京近江寮食堂』が話題に。そのほかの著書に『GIプリン』『星空病院 キッチン花』『東京近江寮食堂 宮崎編 家族のレシピ』などがある。

「2021年 『おでん屋ふみ おいしい占いはじめました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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