地に巣くう (光文社文庫 あ 46-9 光文社時代小説文庫)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334776121

感想・レビュー・書評

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  • 静かに静かに敵を追い込んでいく。信次郎の凄みが発揮された6巻。清之助も伊佐治も自分の中に巣食う闇に向き合う。しかし信次郎はそれを凌駕する牙を隠し持つ。
    このシリーズの最高傑作かもしれない。これからの3人の男たちの生き様から目が離せない。

  • シリーズ6の一冊。

    信次郎が襲われた。って、これだけの彼の性格じゃ、どこで誰に恨みを買ってもおかしくない。と思いきや、どうやらこの事件、信次郎の父の過去に関係あるらしい…と、なんとも引き込まれるストーリー展開。

    なんだか終始、研ぎ澄まされた刀の刃をずっと見せられているようだった。

    その大きな要因の一つが信次郎と清之介の関係。

    お互いを必要以上に意識する関係がいつも以上にキリキリときた。

    清之介にとっての信次郎の存在の深さがまたもチラ見え。

    そんな刺激をくれつつもしっかりミステリとしてまとめてくるのはさすが。

  • あたしは遠野屋に刀を握らせたい信次郎の気持ちが結構よくわかるのです。
    見たいよねぇ。。。
    今回の事件はなかなか興味深い内容でした

    2022.9.29
    145

  • 弥勒シリーズ、第六弾。
    今回は信次郎が亡き父の過去を暴いていくのだが、私は個人的に気に入っている親分伊佐次の、心の揺れが特に印象に残った。
    敬愛していた、信次郎の父右衛門の、罪を受け入れられない信じたくない気持ち。
    そこから「猟犬に徹する」の境地までたどり着いた伊佐次が、とても良かった。
    信次郎と遠野屋の、似て非なる闇とヒリヒリするやりとりは、毎度のことで少しお腹いっぱいのような気もする。

  • なかなか面白かった。お馴染みのシツコイ心理描写があまり気にならない。いや、相変わらずクドいのだが、メインに絞られているし、それなりに面白い描写なので気にならない。
    展開は早くダレずにグイグイ読める。
    信次郎の頭の良さ理詰めさ故のヒトデナシ感は何か楽しい。いわゆるホームズ。てか言われてるほど酷い人じゃ無いと思うけど。
    遠野屋さん、もしやキャラ定まってなくない?強くて商才あって穏やかでヒトタラシで…ってどんな人だよ!!!
    親分さんがいないと話が進まない。適度に優秀、ワトソン役をこなしつつ啖呵もきれるよ!

  • 2023.08.audible

    もう6弾なのね。
    大好きだわ。
    信次郎と清之助そして伊佐治の会話がとても好き。

    まさか真面目な信次郎の父を担ぎ出してくるとは。
    本当は信次郎の心中をおもんぱかるべきなのに、
    伊佐治のことを心配してしまうって…

    平穏に生きて欲しい。


    Amazonの本の紹介
    北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎が腹を刺された。信次郎から手札を預かる岡っ引の伊佐治、信次郎と旧知の小間物問屋・遠野屋清之介に衝撃が走る。襲った男は遺体で大川に上がる。背後で糸を引く黒幕は何者なのか。深まる謎のなかで見えてきたのは、信次郎の父親・右衛門の衝撃の「過去」だった―。あさのあつこの代表時代小説シリーズ、衝撃の第六弾!

  • 読むたびに引き込まれます。

  • 信次郎のお父さんの過去について暴く物語。いつものトリオのやりとりがさらに面白くなっている。

  • 信次郎のが腹を刺された。襲った男は遺体で大川に上がる。探っていくうちに信次郎の父親の過去が見えてくる。信次郎はそれを暴いていこうとするが、伊佐治には耐えられない。

    「おもしれえからだよ」「人の本性を露にする。後生大事に被っていた仮面を引き剥がす。化粧を剥ぎ取って素顔をさらけ出させる。おもしれえじゃないか」

    それが信次郎である。この男にとって父親などどうでもいいのだ。見知らぬ他人と何らかわりはしない。引き剥がすべき皮を被っているかいないのか。それだけが、人を量る基なのだと、清之助は思い知る。

    「だからよ、遠野屋」「おれは、おぬしが許せねえんだ。嫌でたまんねえんだよ。厚くて滑々した皮を被ったままの男がどうにも我慢できねえ」

    それが、信次郎が清之助に興味をもつ理由なのだろうか。

  • 第六弾
    同心信次郎が島帰りに刺される、どうもしびれ薬を飲まされ、亡父への恨み?
    最初は例によって寄り道するが、結局は父とある藩の抜けにに絡み、そして背後には遠野屋清之助、舞台となった料亭の女将、そして信次郎とそれぞれの父子関係が

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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