冬天の昴 (光文社文庫 あ 46-8 光文社時代小説文庫)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334773755

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ中でも面白さでは群を抜いている「冬天の昴」。冴え渡る木暮信次郎の考察と推理。遠野屋清之介の過去の片鱗を見せる立ち回り。二人の主役がぶつかりながら、引き合う磁石のSN局のよう。さて、ふたりの駆け引きは次作ではどうなるのか?ワクワクするシリーズ。

  • シリーズ⑤の一冊。

    真冬にこのタイトルの巻を読めてまず自己満足。
    そして心中事件の闇を暴く信次郎の魅力がたっぷり味わえてさらに満足。

    危険な男と言われる信次郎の言動にはまるで刃を向けられたかのようにヒヤヒヤしつつも、彼の絶対的な推理と自信、手腕に惚れ惚れした。

    信次郎の胸の内はあくまでもチラ見せ、そこがまたそそられる。

    清之介と信次郎のお互いを見る目、距離もグッと増した。

    木暮さまの全てを知りとうございます…の清之介のセリフはちょっとBL感じてドキドキ。

    同じく、自分も危険を承知で彼の全てを知りとうございます…。

  • 前作で見せ場が殆どなかった木暮信次郎を中心に物語が進む。清之助の過去は重く感じるが、信次郎が登場すると軽快さが増すように感じてしまう。

    始まりは前作で登場した品川の旅籠の女将、お仙。この時は38歳だが、10年前に一大事が起こっている、お仙も過去を持っていた。それと同じことが信次郎の周りで起きた。
    これまで以上にミステリーの要素が大きいと感じる。単純な動機ではなく、少し複雑に入り繰ったところに信次郎の推理が冴える。

    人の気持ちや描写の仕方が美しく奏でられる文体は、あさのあつこさんの特有のものだ。表現に豊かさを感じる。起こった事件の壮絶さを、登場人物の描き方や表現力で、柔らかくしているために、軽快さがあり、心温かくしてくれる。

    ミステリーの構成としては併せで、並行して描かれた場面を最後に併せる手法は、今回も顕在だ。

  • 信次郎カッコいい( ∗︎°▽°∗︎ )♡︎

    推理もダークな感じも冴え渡ってましたなぁ。
    お仙への思いやりが遠野屋を用心棒にするところで溢れてて萌。最高の用心棒。
    そして最高の囮役。
    2人の息が本当にあってきたのを感じる一冊でもありました。

    2022.9.25
    142

  • 信次郎と同じ同心の赤田が女郎と心中した。
    その事件に不審を抱いて調べ始める信次郎と岡っ引の伊佐治。そこにいつもの遠野屋も加わって、今作も面白かった。
    この作品の真の主役は、江戸で生きる女達であったように感じる。皆、痛みを抱えながら直向きに生きていて心ひかれる。

  • 進次郎のセクシーな魅力に溢れた回でした。
    シリーズ5作目になり遠野屋とは冗談を言い合えるほどの仲良し?に。
    2人の間の伊佐治の役割も定着してきた感があり、謎解きベースのお話自体を腰を据えて楽しめる段階になった感じです。
    シリーズを通した事件で少しずつ確実に変化していく遠野屋清之介と、ブレずにサイコパスな木暮進次郎。そんなつもりないはずなのにいつの間にか進次郎ペースで事件解決に協力しちゃってる遠野屋清之介と、事件解決に利用するついでに遠野屋を刺激しあわよくばダークな素顔を引きずりだそうとする進次郎。
    ちょっとずつ信頼感が醸成されていくなかで、2人のやりとりも濃さを増しており良いです。
    伊佐治にお茶かけられる場面最高。
    女性のキャラクターも個性的な魅力いっぱい。いつの間にか3歳になってたおこまちゃんの出番がちょっとだけで残念でした。

  • 弥勒シリーズの5冊目。小暮新次郎の毒のある言葉がキレッキレ!絶対お知り合いにはなりたくないと思いながら、目を離すことができない。対称的な清之介の綺麗な佇まいにもやっぱり目が離せない。ひとつの心中と思われた事柄から深い闇を暴いていく新次郎が凄い。相変わらず一気読みだった。

  • 信次郎と遠野屋、じゃれあってて突然シャーッってなる猫のよう。
    伊佐治、キレる。そりゃそうだ。笑。
    しっつこーーーい心理描写がちょっとだけ、ほんのちょびっとだけだが減って、ちゃんとミステリーになっている。

  • 75 一歩を詰めねば見たいものは見えぬ気がいたします。
    280 身体ならば腐りはてれば土にも還ろうが、心となれば腐りに腐り、ただどこまでも腐っていく。

    人間は一度でも道を踏み外すと、どこまでも落ちてゆくものだということを再認識した。

    自分の保身のためならなんでもできてしまうところが怖かった。

  • 弥勒シリーズ第5弾
    北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎の同僚での赤田哉次郎が女郎と心中した。背景には賭博と借金がー

    面白かった!

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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