リアスの子 (光文社文庫 く 13-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772352

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  • 東北の港町を舞台に問題児の女子中学生を更生させようと奮闘する若き教師を描いた爽やかな物語。

    仙河海市の中学校に転校してきた問題児の早坂希を更生させようと中学教師の和也は同僚の教師と様々な努力をするが、彼女は次から次へと問題を起こす。あることをきっかけに和也は希を顧問を務める陸上部に入部させるが…

    舞台となる仙河海市は気仙沼市がモデルである。かつて、著者の熊谷達也は気仙沼市で三年間、中学教師を務めていたという。そうすると、主人公の岩渕和也は著者自身がモデルなのかも知れない。

    物語の中に登場するジャストはジャスコだし、泰波山は安波山、唐島半島は唐桑半島なのだろう。そして、舞台となる中学校は気仙沼中学校だろう。

  • ベタな青春ものと言ってしまえばそれまでだが、震災で崩壊した美しい町を懐かしみ、これから立ち上がっていく若い世代を励ましていく話として大変良かった。
    読後感が清々しく好きな一冊です。

  • 熊谷達也が自らの体験をもとに書いた青春小説かな。舞台は仙河海市となっているが、情景から気仙沼の様子が良く浮かんでくる。
    震災後に東北のために書かれた一冊だそうです。

  • シリーズ3部作?の最終、と言っていいのか分りませんが、和也とナオミがよそよそしかったのは残念だった。

  • 震災前の東北の一都市を舞台に、陸上競技を介した若い中学教師と転校してきた女子生徒の交流を描いた作品。
    著者の経歴から(中学教師の経験)から自伝的な小説らしいと思っていたのですが、後書きにもそのような事が書かれています。
    物語の途中で「熱血教師が出てくる学園ドラマとか、見すぎなんじゃないの?」なんて言葉が出てきますし、さらに開き直ったように「学園ドラマを馬鹿にしちゃいけない…人々の願望がデフォルメされて提示されているからだ」などと書かれてますが、確かに学園ドラマの雰囲気がプンプンします。でも、確かに爽やかな良い話です。
    やや、説明調な文章が多いのは気になりますが。
    『七夕しぐれ』の続編でもあるのですが、震災を機に著者自身が住んでいた気仙沼(=仙河海市)を舞台にしたシリーズを書き続ける様です。

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著者プロフィール

1958年仙台市生まれ。東京電機大学理工学部卒業。97年「ウエンカムイの爪」で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2000年に『漂泊の牙』で第19回新田次郎文学賞、04年に『邂逅の森』で第17回山本周五郎賞、第131回直木賞を受賞。宮城県気仙沼市がモデルの架空の町を舞台とする「仙河海サーガ」シリーズのほか、青春小説から歴史小説まで、幅広い作品に挑戦し続けている。近著に『我は景祐』『無刑人 芦東山』、エッセイ集『いつもの明日』などがある。

「2022年 『孤立宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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