海賊女王 上 (光文社文庫 み 16-3)

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  • 光文社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (619ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772222

感想・レビュー・書評

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  • いかにも権謀術数や血塗れた戦いが描かれた作品なんだろうなと思って読み始めましたが…

    局所的な小さな戦いが散発して書かれるだけの面白みのないストーリーで上巻で読むのをやめました。

    戦闘レベルの話だけで、作戦戦術戦略戦争政治のプロット何もありませんでした。
    またその戦いの内容も書き方がはいこうなりましたという結果だけ…下手くそな歴史の教科書みたいでした。

    また文体も読み辛く、謎の倒置や句読点が苦痛でした。

    何より、たくさん人物が登場しますが誰一人魅力的には描かれていません。
    会話はつまらないし、心情の描写はほぼありません。
    牢屋の中でいきなり性行為を始める展開も必然性も理解できなくて失笑してしまいました。

    題材にする歴史的なモチーフは興味深くても、作者の表現力が乏しくてつまらない、という点で塩野七生を思い出しました。

    歴史が好きな方にはモチーフだけでもウケるところもあるのでしょうが、文学としては退屈すぎて無理でした。

    下手くそで退屈な女王
    で、海賊女王どこ?

  • 面白かったです。なんと魅力的な人々。
    16世紀イギリスの混沌とした情勢が見えてきます。
    エリザベス女王を軸にしているときも、グローニャを軸にしているときも、この時代の上に立つ女性の大変さが窺えます。でも二人とも強い。
    グローニャ、そして従うアランとオシーンの関係が良いです。踏み込み過ぎず弁えてるけど、決してお互いに目を離さず。
    こんなに登場人物いるのに全く混乱しないのも、さすが皆川さんです。
    でも…エリザベス女王もグローニャも芯のところでは孤独な気がします。周りは男ばかりだし。
    下巻へ。

  • 実在の海賊グアニュアル・オマリーが主人公。女海賊ということで「村上海賊の娘」が浮かぶ。ともに16世紀。奔放で、豪快、屈託のない姿は似ている。が、グローニャは老獪さもも身につけていく。

  • 歴史的に非常に珍しい女海賊(海賊の頭目として男たちを率いて活躍した女海賊は記録に残る限り歴史上、わずか三人といわれる)の一人、アイルランドの海賊女王グラニュエル・オマリーの半生が、イングランドのアイルランド侵略とエリザベス女王を廻る暗闘をからめて、グラニュエルの従者アランの視点から描かれる。

    上下巻合わせて1200頁弱あり、読み終えるのにそれなりの時間が必要。

    感想は下巻にて。

  • 活劇! 政治! 骨太!
    早く下巻を。

  • 相変わらず分厚い(笑)上巻だけで600頁越えだけど読み応え抜群。

    16世紀のアイルランド、群雄割拠する領主たちの小競り合いにつけこんで侵略してくるイングランド。さまざまな勢力が、おのおのの思惑で駆け引きや戦闘を繰り広げているので全体像把握は大変だけど、女海賊グローニャのキャラクターが明快・痛快なのでぐいぐい読める。

    一応視点はグローニャの従者アラン。行方不明の弟、見分けのつかない双子など、キャラクター配置も皆川さんらしい。個人的には意外とブローナン好きなんだけどな。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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