シャクチ (光文社文庫 あ 56-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (710ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767549

感想・レビュー・書評

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  • 最初、読んだ時は、体調不良だったのか、10ページぐらいで睡魔に襲われて、断念してしまったけど、3年後に読み返したら、凄く面白かった。

  • 歴史の狭間にヒーローをおくファンタジー作品。シャクチめっちゃがたいよくて強いんだけど、それがオオヤマトの国から来てるってのがなかなかイメージしづらいけどね。西の国のビジュアルで読んだ。さらにヘビって色白の切れ長の目の知的なイメージだけどシャクチは獅子のような感じなのね。まあでも、贅沢ですよ。国が滅ぶ場面にたくさん立ち会うシャクチなんですが、プロットをあげる段階で秦の始皇帝と項羽と劉邦と漢の武帝と出会うことにするぐらいにしときゃいいのに、冒頓単于とか司馬遷とか出てくる出てくる有名人!!日中韓の歴史をさらりと知ってるぐらいの人にオススメ!捏造歴史小説とゆわれるのもしれないけれど、ファンタジーなんだからありだよね。この本読んでから卒論にとりかかったら想像力豊かになってもっと面白くなったかもね。

  •  秦の始皇帝、項羽と劉邦、漢の武帝の時代にわたり、巨大な権力に一人立ち向かい続ける不死身の男シャクチの活躍を描いた大河伝奇小説。

     700ページを超える大作でしたが、読み始めたらその長さが気にならなくなるほど、この物語の世界観にどっぷり浸かっている自分がいました。

     中国の歴史についてはそれほど詳しくないのですが、司馬遼太郎著「項羽と劉邦」を読んでいたので、その時代の人物が出てくる所は特に読み応えがありました。

     時間も空間もスケールが大きく、歴史上の人物だけでなく、作者お得意の妖獣、怪獣が登場する中で、一人の男が巨大な権力に闘いを挑む姿が描かれ、ヒロイックファンタジーとしても、これほど想像力を壮大に働かせた作品は、あまりないのではと思うほどでした。

     また、エンターテイメントの側面とともに、日本・韓国・中国という大きな視野で歴史を描いている展開は、まさに21世紀の今の時代を考える上でとても重要な要素ではないかと改めて考えさせられました。

     その他、文明と野蛮との対立も重要な要素になっており、未来への警鐘としてとらえることもでき、この作品からさまざまなことを受け取ることができました。

     小説の醍醐味を思いきり味わえたことで、自分にとって忘れられない作品の一つになりました。

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著者プロフィール

荒山徹

一九六一年富山県高岡市生まれ。上智大学卒業後、新聞社に入社、出版社勤務を経て、九九年『高麗秘帖 朝鮮出兵異聞 李舜臣将軍を暗殺せよ』で作家デビュー。その歴史伝奇小説の作風から「現代の山田風太郎」と評される。『魔岩伝説』『十兵衛両断』『柳生薔薇剣』で第二四、二五、二七回吉川英治文学新人賞候補。第二回舟橋聖一文学賞を『柳生大戦争』で受賞。『白村江』で、第六回歴史時代作家クラブ賞で作品賞を受賞、「二〇一七年 週刊朝日 歴史・時代小説ベスト10」で一位、「第七回本屋が選ぶ時代小説大賞」にノミネートされた。

「2021年 『神を統べる者(三) 上宮聖徳法王誕生篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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