無間人形 新装版: 新宿鮫4 (光文社文庫 お 21-19 新宿鮫 新装版 4)

著者 :
  • 光文社
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  • / ISBN・EAN: 9784334767488

感想・レビュー・書評

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  • この三連休は絶対、新宿鮫を読もう!と決めていた。大好きな新宿鮫シリーズ4巻、『無間人形』!
    ドラマティックでロマンティックなハードボイルド♪

    『アイスキャンディ』という名の覚醒剤。
    若者の間で広まりつつあるが、軽い気持ちでで使う若者達はそれを覚醒剤とは知らない。

    鮫島はアイスキャンディが更に出回る前に
    その製造元をなんとか見つけようと過酷な単独捜査を続ける。
    そして別ルートで捜査を進めていた麻薬取締官達とぶつかる。

    財閥で地元では右に出る者はいない有力者であり、アイスキャンディ製造元の香川兄弟、
    その香川兄弟から薬を横取りし兄弟を陥れようとする、地元の3人組。
    香川兄弟とアイスキャンディを取引きする東京のヤクザ。
    欲望や復讐にまみれた駆け引きが巡る。

    地元3人組の中には鮫島の恋人、晶の昔のバンドメンバー耕二が偶然いた事から晶もこの事件に巻き込まれていく。
    鮫島が晶を助けに行く場面は、間に合うかな?とハラハラが止まらない!

    印象的だったのは、登場人物の鮫島、香川兄弟の兄のぼる、弟の進、元バンドメンバーの耕二、それぞれに愛情表現は違っても愛し守りたい人がいた事。
    そして、話が進むに連れ登場人物達の素性や犯罪を犯す経緯が明らかになり、なんともいえない気持ちになる。
    特に香川兄の生き方がなんとも切なかった。もっと自由に愛に生きて欲しかったよ。

    鮫島と晶のお互いに信頼しあう姿がグッときた!
    愛情深い作品だったからバレンタインデー前に読めて良かったかも(^^)
    あっ、後書きで鮫島さん誕生秘話があり、それも楽しかったです!

    • 土瓶さん
      ありがとうございます。
       
      アイスキャンディ。香川兄弟。晶のバンドメンバー。
      おかげでいろいろと思い出せました♪
      「ドラマティックで...
      ありがとうございます。
       
      アイスキャンディ。香川兄弟。晶のバンドメンバー。
      おかげでいろいろと思い出せました♪
      「ドラマティックでロマンティックなハードボイルド」
      最高です!
      2022/02/13
    • 松子さん
      土瓶さん、コメントありがとうございます♪
      大沢作品の感動を共有できる人がいる!と思うととっても嬉しいです‼︎
      あっ、あと本棚に遊びに来てくれ...
      土瓶さん、コメントありがとうございます♪
      大沢作品の感動を共有できる人がいる!と思うととっても嬉しいです‼︎
      あっ、あと本棚に遊びに来てくれた方にお願いしているのですが、良かったら"さん"なしで呼んで下さい。
      まつ、まつこ、まっちゃん、何でも♪気軽に呼んで下さいね(^^)
      2022/02/13
  • 大沢在昌の著書はいろいろ読んでいますが、「新宿鮫」シリーズはところどころしか実は読んでいない。大沢在昌を薦めてくれた知人が「狩人」シリーズから貸してくれたのでそちらにどっぷりハマってしまい後回しになった感があります。狩人シリーズの佐江刑事とはタイプが全く違う鮫島警部のシリーズ、順不同になるだろうけどこれから10作品の未読分全部読みたいと思った。本作は直木賞受賞作とのことで楽しみにしつつ読み進めた。乱闘シーンの描写がエグい。700ページ近い長編で、前半いろんな人物のそれぞれのドラマが語られ、後半に向かって主犯格に辿りついて行く、という展開でした。ラストは犯人に手錠をかけて一件落着なのだが、鮫島警部、犯人、香川家、麻取等その後を是非知りたかった。エピローグが欲しかった!面白かったけど消化不良です。

  • え?あの人そーなるの?この人は?
    と、ドキドキしながら最後まで読みました。
    前作までの主要人物のことも「忘れてない」感じが、
    新宿鮫の人柄をあらわす1つのポイントかも。
    楽しかった!

    • 松子さん
      やすこぉ、おはよ(^^)
      すごいっ!無間人形読んだんだねっ!
      『忘れてない』感じ!すごくよくわかるっ!
      お財布に毒猿達の写真が入ってたの
      す...
      やすこぉ、おはよ(^^)
      すごいっ!無間人形読んだんだねっ!
      『忘れてない』感じ!すごくよくわかるっ!
      お財布に毒猿達の写真が入ってたの
      すごく感動したぁ。

      いま私は氷舞を勇気出して読もうかどうしようかと悩んでるところっ!だってだって…涙
      氷舞の裏表紙のあらすじ読んでぇ…涙
      早く読み終えて、アルバイト探偵シリーズに行きたいな♫ ランチのあっこちゃんも早く読みたーい(^^)
      2022/04/24
  • 今回の敵は「アイスキャンディ」というシャブと、とある地方を牛耳る香川財閥。
    鮫島の恋人・晶の身に危険がおよぶ。
    藤野組の角、元極道の平瀬のなんともいえない嫌悪感。
    麻取との対立と共闘も燃える。
    疾走感と牽引力という点では今まで読んだシリーズのなかで一番だった。
    携帯電話が普及する前の時代の話だが、語尾に「〜ざんす」をつける若者がいたのがじわじわきた。

  • 刑事小説は一定の人気があるのを実感。せめて直木賞や本屋大賞受賞作品くらいは読もうと思った。

  • 二日で読了。やっぱり新宿鮫は面白い!
    誰かが誰かのためにという感情が交差した話。
    鮫島のカッコよさをもうちょっとクローズアップしてくれたら、もっと気持ちが良かった。
    シリーズ全作、再読を決意。

  • 新宿鮫の4巻。
    前巻があまり好みで無かった為、期待せずに読んだのだが、この巻ホントに面白かった~!
    鮫島がキレキレでカッコいいのはいつもの事だが、ラスト近くになって、香川昇に感情移入してしまった。
    愛していた女と一緒になれなかった事への絶望や、たった一人の弟を亡くした喪失感。ワルをやるには、優し過ぎる。
    桃井のフォローもいつも通り頼もしい。
    麻薬取締官、塔下、石渡もなかなか優秀。
    真壁が出所してきたら、ますます面白くなるだろうな。
    次巻も楽しみ!

  • 面白かった~。いろんな要素が入りまくっててその全てが面白い!キャラクターも一人一人めちゃくちゃよい!このあとの鮫島と晶の関係性がどうなるのかも気になる。

  • シリーズの中で一番プロットは練られているし、多彩な人物が登場する。しかも直木賞受賞作。

    が、様々な人間模様が交錯すのはいいが、あまりにも偶然やタイミングが重なりすぎているし、それぞれのドラマを深く描いているようで同じような描写が多く冗長に感じる。

    それぞれのキャラの行動にも根本的に説得力がないため、ラストは十分に盛り上がるが読後感はやや物足りない。

    他の作品のレベルが高いのでこちらの期待値が高すぎたのかもしれないし、根本的にこのヒロイン(描写)が好きになれないかもしれない。やたら若さと胸の大きさがだけが強調されていて、全く魅力が感じられない。

  • 覚せい剤を主題にして、ニンゲンの複雑な想いを
    描き切る。
    香川進が 自ら販売するアイスキャンディで、
    崩壊していく過程の描写がじつにリアリティがある。

    覚せい剤を100kg入手した 香川兄弟。
    地方を牛耳る香川財閥のボスの腹違いの類系。
    反発しながらも、その権力を活用する。
    香川昇は、香川財閥のボスの娘 景子に秘めた想いがあった。
    しかし、なぜ 覚せい剤 を扱おうとしたのかの動機となる。

    景子つながりで、香川兄弟は 藤野組の新進 角に
    アイスキャンディを 実勢価格より安値で おろす。
    そのことで、若者たちに 急速にひろがる。
    確かに、覚せい剤は ただで手に入れた。
    精製過程だけの経費で済む。

    それを追いかける新宿署防犯課刑事 鮫島。
    晶は やっと CDをだしたばかり,
    売れているとは言えないが、プロの自覚が。
    そして、昔のバンド仲間 耕二にあうことに、
    耕二は、景子のK&Kというクラブの店長で、ペットだった。
    そのことが、事件に広がりを与える。

    鮫島の晶に対する 想いが語られる。
    そして、晶は 鮫島を信頼する。

    香川進と角との関係が、いつの間にか
    逆転する。それは、進の盲目の恋心だった。

    物語としては、かなり完成された形となっている。
    鮫島の ポジション、そして 桃井の存在。
    麻薬取締官と警察との 軋轢と不具合。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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