- Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334753696
感想・レビュー・書評
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この本は、「どうすれば幸せに生きられるのか?」について考察された本です。
「その人は何者であるか!」ということが最も大事なことであり、本人の感じ方、内面こそが幸不幸を決めるものですよー❕と書かれています。
スッと頭に入ってきて、古さを感じないで読めるので、とてもすごい本だと思います。
ぜひぜひ読んでみて下さい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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素晴らしい。
とても豊かで、本を読み、何を感じ、何を考え、そして、何を未来に持っていくのか、一冊の本に出会い、気づくプロセスが、ここに。
...素晴らしい。
とても豊かで、本を読み、何を感じ、何を考え、そして、何を未来に持っていくのか、一冊の本に出会い、気づくプロセスが、ここに。
とても純度の高い、豊かな感想文。2018/03/27
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すごく読みやすくて面白かった
読書が好きな人は共感する部分が多いのではと思う
人生の質は経験の数ではなく精神的充足の密度で決まると思っているけど、その根底を言語化してくれていて頭の中がスッキリした感覚
自分含め、皆が周りでなく自分自身を変えることに意識が向けば、少なくとも今より精神的に豊かな世界になるんじゃないかな
✏人が直接的に関わり合うのは、みずからが抱く観念や感情や意志活動だけであって、外的な事柄は、そうした観念や感情や意志活動のきっかけをつくることで、その人に影響をおよぼすにすぎないからである。
✏現在と現実の客観的半面は運命の手に握られており、それゆえ変化しうる。いっぽう主観的半面はほかならぬ私たち自身であり、それゆえ本質的に変わらない。したがって、ひとりひとりが送る生涯は、外界からいかなる変化が訪れようとも、終始一貫して同じ特色をもち、同一主題をめぐる一連の変奏曲にもたとえられる。
✏教育ですら、こうした領分を広げるのに、いくばくかは貢献できても、総じてたいして役に立たない。なぜなら、たとえ青年期に思い違いをすることがあっても、最も高尚で多様性に富み、最も長続きする喜びは、精神的喜びであり、これは主としてもって生まれた力に左右されるからである。
✏私たちが何を幸福とし、何を享受するのかということにとって、主観は、客観とは比べものにならないほど重要である。
✏空疎な内面、精彩を欠く意識、貧しい知性がかれらを社交へと駆り立てるけれども、類は友を呼ぶため、同類が集まる。みなで一緒に退屈しのぎの歓楽を追い求める。
✏なぜなら個性は四六時中、どこまでも彼に寄り添うものであり、彼が体験するすべては個性の色調を帯びるからだ。あらゆる点で、何事につけても、彼はなによりもまず彼自身を享受する。
✏だから英語で〈to enjoy oneself〉というのは、きわめて適切な表現だ。たとえば〈He enjoys himself at Paris.〉、つまり「彼はパリを堪能する」のではなく、「彼はパリにいる自分自身を堪能する」のである。
✏だから良き事も、悪しき事も、大きな災禍はともかく、人生において何に遭遇し、何がその身にふりかかったのかよりも、本人がそれをどう感じたのかが問題であり、何事も感受力の質と程度が問題となる。
✏したがって私たちの幸福にとって、気高い性格、有能な頭脳、楽天的な気質、心根が明るいこと、健康そのものの丈夫な体のような個人的特性にまつわる財宝、つまり「健全なる身体に宿る健全なる精神」が、第一の、最も重要な財宝である。それゆえ私たちは外的財宝や外的名誉よりも、こちらの財宝の維持増進をこころがけるべきだろう。
✏ これらすべての中で最も直接的に私たちを幸福にしてくれるのは、心根が明るいことである。
✏「客観的に現実にいかなる事態なのか」ではなく、「私たちにとって、いかなる事態なのか、私たちが事態をどう把握したのか」が、私たちを幸福にしたり不幸にしたりするのである。エピクテートスの「事態が人間を不安にするのではなく、事態に対する見解が人間を不安にする」という言葉は、まさにこれを言い表している。
✏気質や気分の究極の原因は、明らかに身体の根源的な、それゆえ不変の性質にあり、しかもたいていは多かれ少なかれ、刺激に対する感受力と再生力が正常なバランスを保っているかどうかにある。感受力が異常に大きいと、気分にむらがあり、周期的に過度の陽気さがあらわれたり、憂鬱が基調になったりする。
✏美という個人的な長所は、そもそも私たちの幸福に直接的に貢献するわけではなく、単に他人に与える印象を通して間接的に役立つだけなのに、男性においてもたいそう重要性をもつ。
✏精神の富が卓越性の域に近づけば近づくほど、退屈が入り込む余地がないからである。
✏したがって全体としてみれば、精神が貧弱で、総じて卑俗であればあるほど、群れたがることがわかる。
✏だからアリストテレスの「幸福は、自分に満足する人のもの」という言葉は、まことに正しい。
✏その人自身が常にそなえているものこそ、年齢の如何にかかわらず、幸福の真の源泉、唯一の永続的な源泉であり続ける。 -
途中まで。
小気味よく言い切るなあと思う反面、ちょっと決めつけすぎでは?と思うところも。
黒人への言及や性的名誉など、当時の社会や文化の影響が色濃く、やはり歴史に残る哲学者と言え、そのようなものからの影響は免れないんだな、と感じた。 -
俗な幸福論ではない。
「人は幸福になるために生きている」というのはまやかしだという。
幸福はむしろ人を弱くする側面もあるという。
自分だけをよりどころに自分を育て、孤独に耐え、孤独を愛し、不幸の少ない人生を送れ、との主張を、ときにシニカルな(=現実を見据えた)筆致で綴っている。
女性、人種、ユダヤ人、現代で言う「認知症」などへの考え方が時代錯誤なところはある。しかし、名声、名誉、過度に一般化された国民性、決闘、戦争、保険料、青年期と老年期の役割の違いなどへの言及は今も色あせない鋭さをもっている。
日記が大事だとさらりと書かれている。
巻末の解説が素晴らしく、理性を重視したヘーゲル哲学を乗り越えたショーペンハウアー哲学の卓越性について触れられている。 -
こんな物事の表面しか見えない頭の悪い人の書いた本を読む気が全然しなくなって、途中で読むのをやめちゃった。
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昔の哲学者が書いた、幸福についてのエッセイ。
なかなか為になる人生訓が述べられている。
文章が面白く、説得力があった。
読んだら幸福について考え方が変わる、かも。 -
幸福について、ショーペンハウワーの切れ味鋭い視点から述べた一冊。訳が読みやすいのと、堅苦しく感じる哲学っぽさは全くない。加えて、物事の本質を突いた内容であり、大変勉強になる。