寒椿ゆれる: 猿若町捕物帳 (光文社文庫 こ 34-5 光文社時代小説文庫)
- 光文社 (2011年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334749194
感想・レビュー・書評
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千蔭さんに縁談。相手のおろくさんもとても良いキャラだったが、うまく行ってしまうのも釈然としない。
しかしながら、こう来たか!という感じの上手い結論。良かった。 -
猿若町捕物帳シリーズ第4弾。今回も前作「にわか大根」に引き続き、3編収録の連作短編集。
本作では、主人公の堅物同心である玉島千蔭に遂に見合い相手が登場。その見合い相手が何ともクセがあり面白い。また、千蔭の小者である八十吉をはじめ、人気女形の巴之丞、頭の回転が速い吉原の美人花魁である梅が枝らが脇を固めるともに、前作までに登場したその他の人物がそれぞれ見せ場を作り事件解決に活躍している姿も見逃せない。 -
2015.2/2 シリーズ4作目。端からすれば娘とも見紛う身重の義母の体調を心から気遣ったり、降って湧いた縁談の相手おふくとのやりとり、窮地に貶められたライバルの同心の疑惑に奔走したり、浮世絵師の国克や女形役者巴之氶付きの裏方与四郎の使い方などなど、ここまできて今作が一番面白かった!
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猿若町捕物帳シリーズ4作目。
猪鍋屋で食中毒事件が起こり、その後死人まで出てしまうという「猪鍋」、巴之丞が娘に襲われ犯人を捜す「清姫」、北町の堅物同心・大石が金貸を襲った一味の仲間と疑われる「寒椿」という3編を収録した連作短編集。
男前だが女心に疎い堅物の同心玉島千蔭、人気女形役者の巴之丞、聡明できっぷのいい吉原の花魁・梅が枝、千蔭の義母お駒などなど、前作までに登場した人が今作でも総動員し、それぞれ活躍しています。
どのキャラも脇とはいえないくらい存在感があふれていて、かつ物語も高いレベルで安定しているので安心して読み進めることができました。
どの短編も事件が起きてその謎を解く、という流れなのですが、横軸に千陰の見合い話が配置されており、こちらの縁談もどう転がっていくのかとても気になりながら読みました。
今度の縁談相手は、合理的すぎる風変わりな性格のため婚期を逸した女性・おろく。
変わっているけど素直で聡明なおろくと千蔭はお似合いのような気がして、ほほえましい。
応援したくなるけど梅が枝との関係は・・・と、読者としてはやきもきしちゃいました。
出色の出来は、最後の短編「寒椿」。
ただ一度会い、少しの言葉を交わしただけなのに相手を忘れられず、想い続ける。
恋とか愛などの言葉を使わず、簡潔な描写で登場人物の心情を表現してみせる作者の力量は見事。
おろくの想いの切なさ、千蔭の温かさが心に残る味わい深いお話でした。 -
男前ながら堅物の同心・玉島千蔭。今日もその周囲では事件が起こる。美貌の花魁・梅が枝、若手人気女形・水木巴之丞らの手も借りつつ、江戸を騒がす不可解な事件の解決にあたる。今回は、女が苦手な千蔭に久しぶりに“兵”の見合い相手が登場。事件の行方、そして、千蔭の見合いの行方は…。江戸が息づく傑作シリーズの猿若町捕物帳、待望の第四弾
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猿若町捕物帳シリーズ第四段。梅が枝も好きだけどおろくも好き。ぜひとも幸せになっていただきたい。
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八十吉さんが、「じゃ、あっしはこれで・・・」と帰るわけには行かないのかな~、と思う。主従関係は厳しいのね。