- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334746001
作品紹介・あらすじ
もう君は一人じゃない-。児童養護施設で成長し、自殺未遂を繰り返す十八歳の李理香の許に見知らぬ男性から突然届いた一通の手紙。自らも同じ境遇だと明かす手紙の主・基次郎が綴る素直な文面に、李理香も次第に心を開くようになる。しかし、二人には意外な運命が待っていた。テレビドラマでも話題になった、往復書簡が織り成す純粋な「愛」の物語。
感想・レビュー・書評
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不覚にも、涙。
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再読。これ大好きな話。手紙ものって好きでね。「足長おじさん」なんか最高!最近、辻仁成にはまってる。
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前略 泣けませんでした。理由は読書半ばですぐにオチにピンときてしまったのと、どうやら自分は美談に慣れていないようです。養護施設で育った男女の文通物語。男性側がどえらいロマンチストで戸惑いました。私は泣けなかったとはいえ、美しい話であることには間違いなく、愛のわからないリリカが時に間違い、悩み、揺れながら正しく生きようとする姿。そこには感銘を受けました。
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男女が文通を交わすにつれどんどん時が進み、物語が動いて行く小説。手紙が届くまでの時間にも、お互いの生活が動き、届くまでの時間をとてももどかしく感じるようになっていた。小説の結末もなかなか衝撃が大きく、また辻さんを好きになる一冊となりました。
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生きることは複雑だと常日頃思っていると、小説を読んでいても、気づけば少し懐疑的な目になって、その描写や解釈の正しさみたいなことを考えてしまっていたりします。
でも、この小説の純粋さは、うがった視線を捨てて受け止めないといけないと思いました。そういう作品です。 -
2017.2
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かなり似たような状況にあり同じような問題を抱え悩んでいる身としてこの本を読む時は救いを求めていた。出口が見つけられるんじゃないか。でもやはり現実には起こりそうもないエンディングといとも簡単に心変わりしてしまう主人公に絶望した。これは全く違う環境にある人が読んだら感動するストーリーなのかもしれないけどすごく陳腐だ。
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文通という形でつづられた小説。
明らかに作者の辻仁成(ひとなり)氏が以前ECHOESで作られた「zoo」が下敷きになっており、各章が歌詞の1節になっている。
思い切り「ベタやんけ」思いつつ読んだら涙止まらず。
小説の汚いところ(あえて逆説的にいうと)「時間」と「偶然」を都合よく操作して”ありえない”奇跡を演出することでしょうか…。
この小説はもうネタバレはあまりしたくないのでもう備忘録程度にしたいのですが…。
この物語にEmpathyを感じたのは主人公が父親を知らないことなのかな?
それとも文通というアナクロな方法で即時性がないからこそ一字一字を丁寧に綴るという作業から生まれる真実が胸をうったのか…
この「愛をください」を読んで文通がしたくなった(笑)
すごくおおきなどんでん返しがあるのだけど…。これがきいてる。
不治の病ってラノベの常套句なんだけど、この「愛をください」はきました。
「人間はいつも未来について語っているんだよね」命が限られている相手(死が宣告されている相手)と話す時に普段俺らは「未来」の話ばがりしてるんだなと気がつくんだろうね。
「成層圏が生き物を守ってくれている証が青空だと思う。地球が青い限り、生き物はここで生きていくことが許されているんだと思う。逆に言えば、宇宙の孤独から、この地球は何者かの力によって生かされ守られているんだ。青空は地球と宇宙の境目でしょ。
」
「星は遠い遠い距離を越えてキミに何かを伝えるために輝いているのだから」
「苦しみが現実にはこの世に存在しないものだと想像してみてごらん。そうすればいつしかあなたの中から苦しみは消え去って、全てが喜びに変わるはずだから」
あえて「zoo」にはない章タイトルがあって「心に刺を生やしてるサボテン」
辻氏は下記をいいたくてこの章を挿入したのでは?と勘ぐってしまう
「砂漠の街で生きてる僕たちは、心に刺を生やしてるサボテンの心。身を守るために生やした刺のせいで、大切な人たちを遠ざけてしまう。星が灯る空を見上げてサボテンは今日もひとり。冷たい月の光に包まれて明日を待ちつづけてる。砂漠のサボテンたちよ。花を咲かせてごらん。きっと誰かが君に声をかけてくる」
この本を読んで沖縄と函館にいきなくなった -
児童養護施設で育った少女が自殺未遂をしたことがきっかけで、ある男性から手紙が来る。彼女はその手紙の相手と会わないことを約束に、生活をありのままに書き、手紙に依存する。しかし手紙はあるときから来なくなってしまう。相手は彼女が病気であるといっていたが、じつは。。。っていうもうこれ、最高よ。