推理小説作法: あなたもきっと書きたくなる (光文社文庫 ん 2-1)

  • 光文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334739287

作品紹介・あらすじ

江戸川乱歩と松本清張。日本ミステリー界の二大巨頭が編者を務めた伝説的な名著を約半世紀ぶりに復刊。推理小説好きの読者にむけて、書き方の作法を多角的な観点から平易に指南する。中島河太郎「推理小説の歴史」、植草甚一「推理小説とスリラー映画」ほか、編者二人の論考も収録。特に、清張は「私の創作ノート」を公開しており、資料としても超一級。

感想・レビュー・書評

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  • 特に松本清張の章が面白く、メモの内容や、小説の発想法など面白かった。

  • 何事も基本とパターンを押さえることが大事だろうと読み始めました。
    江戸川乱歩・松本清張共編。

    推理小説の基本や歴史の理解に役立ちます。松本清張があとがきで書いてた「『続推理小説作法』として、たとえば、構成とか文章についての考察、名作の解剖などを詳しくした〝技法論”がつくられたら完璧となろう」は実現してほしかった。

    印象に残ったのは荒正人「推理小説のエチケット」での以下の説明。
    探偵小説は民主主義を前提にしている。(本書が刊行された昭和34年時点において)ロシアや中国などではほとんど根をおろさなかった。民主主義の発達してない社会では拷問によって犯行の事実を告白させる。
    「(探偵小説は)日本では、昭和十年代の下半期には禁止されてしまった。国内の団結を乱すような犯罪を小説に書くことはよくない、とされたためである」、「要するに、探偵小説は平和の時代の産物である」。

  • 松本清張の文章・メモが面白いという評判を聞き、手に取りました。

    松本清張氏の推理小説は推理小説である前に「文学」であるべき→そのためには「動機」の描写が重要であるという考え方には全面的に賛成です。でもそれは私の考え方であって、皆さんがそれに従う必要はないとも思います。

    「現場鑑識」の章など読みますと、やはり警察関係者か新聞記者か、長年現場にかかわって最新の知見のある人でないと本格推理ものは難しいと感じざるをえません。
    推理物も、そもそも文芸というジャンル自体がエンターテイメントとして時代遅れになりつつあるのかなあと思いました。

  • 「現場鑑識」の章が興味深い

  •  
    ── 江戸川 乱歩・松本 清張・編《推理小説作法 ~ あなたもきっと
    書きたくなる 1959 20050801 光文社文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4334739288
     
    …… 将来の文学は、警察の供述調書のような文体になるだろう。
     松本 清張 作家 19091221 福岡 東京 19920804 82 /↓ 清紙紙碑
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C0%B6%C4%A5%BB%E6%C8%EA
     
    (20130819 20230116)
     

    • adlibさん
       
       20230118(Wed)与太郎文庫 4, 25 
       この投稿に引用した過去ブログが、アクセス順位4位に躍進(20230118)...
       
       20230118(Wed)与太郎文庫 4, 25 
       この投稿に引用した過去ブログが、アクセス順位4位に躍進(20230118)。
       日記の投稿日とは関係なく、はてな引用・再録の成果による。
       
      …… 了解を得ていませんが、文中、実名を出した方々に御迷惑の点が
      ありましたら、深くお詫びを申しあげます。(P259)
      2023/01/18
  • ネタバレ非常に多い。トリックの作法の回には、まだ読んでない推理小説トリックが何の躊躇いもなく書かれていたので、そんなに推理小説に精通していない人が読むと悲しい結果を生むだろうと。鑑識の作法はすごく参考になることが多かった。図も入っていてわかりやすい。ただ、この本に書かれていることは既に今までの推理小説で使われてきた事実なので、この本を買えば推理小説が書けるなんておもわないほうがいいと思う

  • 全体的に読み物としても面白いが、なかでも松本清張の文章・メモは興味深い。

    とにかくこういう本はタイトルが悪い。
    中身を全く伝えきれていない。

  • 2009/
    2009/

    私の疑問
    ・犯人に必ず動機はあるか?
    ・探偵小説は文学であるか否か?

    まえがき(江戸川乱歩)
    推理小説の歴史(中島河太郎):読了
    推理小説という名称は昭和21年に木々高太郎が提唱した。その名前が付けられた作品に森鴎外の『かのように』『妄想』『高瀬舟』『大塩平八郎』や芥川龍之介の『春の夜』『南京の基督』『歯車』『或阿呆の一生』などがあったために同感者が得られなかった。


    トリックの話(江戸川乱歩):読了
    この章では江戸川乱歩が『続幻影城』に収めたトリック集成の一部を取り出し、わかりやすく面白く紹介している。

    動機の心理(大内茂男):
    松本清張は短編推理小説において、動機に重点を置くべきだと考えている。そうすることによって、人間描写を高め、人生そのものを描き、推理小説を単なる謎解きゲームから文学の域にまで高めようというのが、彼の主張であり、またここ数年の実践のねらいであった。

    素人探偵生記(加田伶太郎)
    推理小説のエチケット(荒正人)
    現場鑑識(平島・一)
    1.人が死ぬとどうなるか
    2.個人識別
    3.損傷
    4.窒息


    推理小説とスリラー映画(植草甚一)

    推理小説の発送(松本清張)
    あとがき(松本清張)
    解説(権田萬冶)

  • 2005/09/07

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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