- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334718336
感想・レビュー・書評
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御手洗物だったように思うが、もしホームズが小説のような行動を本当に取っていたなら相当目立った変人だったろう、というようなことを御手洗だったかに言わせていたが、おそらくそれを発展させて書いた小説だと思われ、刊行当時、ニヤつきながら読んだ記憶があります。(笑)
もう1人のワトスン役に夏目漱石が登場。ホームズ物のタッチと、もう一つの視点である漱石を通したタッチが交互に描かれ、ある時はホームズマニア(シャーロキアン?)として、ある時はシニカルな可笑しさとして、全体としてホームズに対する愛情で包み込んだ微笑ましい作品になっています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漱石の文体もドイルの訳文調もどっちもすきだから楽しい
こちらのホームズはだいぶひどい調子だけど、でもなんだか現実味があっておかしい -
コナン・ドイルと夏目漱石の文体をパロディに。
楽しい。
昭和59年の作品。 -
ロンドン滞在中の夏目漱石がホームズと出会っていたら…という設定のホームズパロディ本。完成されたプロの二次創作という感じでした。漱石とホームズどっちが実在の人物だか架空の人物だか一瞬わからなくなりました。
同じ出来事について書いてるのに漱石視点とワトソン視点で捉え方や誇張の仕方が全然違うのが面白かった。ホームズを初っ端から変人として捕らえてる漱石と若干神聖視してるワトソン。これって御手洗シリーズでいうと石岡君の書く御手洗とハインリッヒの書く御手洗がまったく別人のようになるのと同じことなんじゃないかなと思ったりしました。 -
思いっ切り空想の羽を伸ばした小説。
最後の結末は途中から見えたが、それでも軽やかでかつ素敵な終わり方。
ただホームズの変人ぶりに焦点が置かれているのか、英国時代の漱石の「塞ぎっぷり」がキャラクター造形にそれほど生かされていないか。
漱石の閉塞感を上手くデフォルメできれば、全体的にもう少しハチャメチャ感が出せたような気がして少々惜しい。 -
イギリス留学中の夏目漱石がベイカー街でシャーロック・ホームズと出会い、奇怪な事件の謎を解いていく話です。
群を抜いてよく出来た本格ミステリです。
ノイローゼに陥っていた夏目漱石についても資料をきちんと研究したということが分かる書かれ方をしています。
その辺も違和感なくストーリーに組み込まれていると思います。
多々、笑える場面もあります。
夏目漱石のホームズを見る心情描写がとてつもなくおもしろいのです。
明らかに変人を見る目でホームズを見ている夏目漱石には大笑い必至です。 -
爆笑必至。ホームズのパロディー。トリックも作者らしい。
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イギリス留学中の漱石の遭遇するミイラ事件。ある婦人が再会した弟がおびえる東洋人。発見されたミイラの中のメモの謎。甲冑の謎。シャーロック・ホームズの推理。