映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334046002

感想・レビュー・書評

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  • 【題名を見るだけでわかる本の内容】
    「映画を早送りで観る人たち」が20代男性では54%、女性では43%にになり、青学大学生は倍速視聴経験で言えば90%を超えている現状。
    彼らは能動的にそれをこなすのではないから速読とは違う。ファスト映画(短縮版)やネタバレ解説を観て読んで、作品を「鑑賞する」のではなく、コンテンツを「消費する」だけなのだ。


    実は、たくさん突っ込んでやろう、と思って紐解いたのだが、結果ものすごく刺激を受けた。たった300ページほどの新書に38もの栞を挟んでしまった。本来なら「わかりやすい」批評にするために、冒頭の「題名を見るだけでわかる本の内容」と、末尾の「後書き抜書きからわかる著者の結論」のみを置いて、本レビューを終わらすべきだと思うのだが、「気づきの記録」という私的事情から本レビューがその数倍のボリュームになったことをお許し願いたい。「気づき」部分は早送り、或いは飛ばし読みOKです♪

    以下幾つかの「気づき」
    ・コスパよく、早く結末を知りたい。
    ・彼らは「観たい」のではなく「知りたい」のだ。
    ・「ネットで"おもしろい"って声をあげるのは、勇気がいるんです。絶対に否定されないような、あらゆる人が傑作と認めている“勝ち馬”にしか“おもしろい”って言えない空気がある。誰も評価しない”負け馬“に乗っていることに謎のプライドを持つ昔のオタクとは真逆なんですね。」(脚本家・佐藤大)
    ・製作委員会で脚本の回し読みをすると、「わかりやすくしてください」という意見が出る。でも「わかりやすく」は「おもしろくしてください」という意味にはならない。説明的な台詞は書ける。そうすると勢いがなくなるのだ。(プロデューサー・真木太郎)←でもそういう作品に人が集まるから、結局作り手も最初からそれを作り出す。
    ・「わかりやすいもの」が喜ばれる傾向。絵の情報量が豊富なアニメでさえ、台詞で全てを説明する。←そういえばこの前放送されたアニメ「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編」第3話においても 炭治郎はモノローグで、小鉄のスパルタ修行を「分析力高めの小鉄さん。しかし、剣術の教え手としてはド素人。どのくらいが人間の命の限界かご存じないため訓練がエグかった」「無知故の純粋なる暴挙」と喋っていた。名作と言われるアニメでも、台詞による説明を選ばざるを得ない。「鬼滅の刃」には脚本家が居無い。「シリーズ構成・脚本 ufotable」となっている。原作通りの台詞になっているからだ。
    ・Y世代(ゆとり世代・ミレニアル世代)はデジタルネイティブ(インターネットやパソコンで育ってきた)。次のZ世代は(現在8-27才)は、ソーシャルネイティブ(スマホでLINEやインスタ、Twitterに親しんできた世代)。
    ・Z世代の主な特徴は以下。
    ①SNSを使いこなす。
    ②お金を使うことには消極的。
    ③所有欲が低い(モノよりコト消費)。
    ④学校や会社との関係より、友人などの個人間のつながりを大切にする。
    ⑤企業が仕込んだトレンドやブランドより、「自分が好きだから」「仲間が支持しているから」を優先する。
    ⑥安定志向、現状維持志向で、出世欲や上昇志向があまりない。
    ⑦社会貢献志向がある。
    ⑧多様性を認め、個性を尊重し合う。

    ①④⑤はLINEグループの共感強制力へ
    ②③はDVDやCDなどのパッケージコンテンツの所有欲がなくサブスクで済ます気質へ。
    ・オタクに憧れるが、そこまでにはなれないと思ったら直ぐ諦めて「推し」活動をする。←2010年代の隠れオタクの「推し」活動(←私のAKB推し)が、今や「個性的になる」手段として手っ取り早い活動に変化しつつあるようだ。「ナンバーワンよりオンリーワン」が彼らを呪縛する。←「自己紹介欄に書く要素が欲しいのだ」(博報堂・森永真弓)
    ・Z世代はTwitterで迂闊に呟くと大変な目に遭うことを経験してきた世代。よって作品を自分なりに解釈することを、萎縮するようになる。奇妙な謙虚さ。見知らぬ相手から厳しく批判される、あるいは人知れず嘲笑される惨状をずっと目撃してきたから。
    ・Z世代はジェネラリストではなくスペシャリストを目指す。自分の希少価値を高めるのが勝負。何故ならば、リーマンショック、東日本大震災、コロナショック、一寸先は闇に生きてきたから。彼らは金もない。時間もない。精神的余裕もない。でも圧倒的個性で目立たなくてはいけない。倍速視聴も、推し活動も、タイパ主義でゆく。つまらない作品をつかまらされて、時間が無駄になるのは避けたい。何本もの駄作をつかまされた挙げ句、自分にとっての傑作にたどりつく喜びは解さない。もしくはそこに価値を置かない。極力外したくはない。回り道はなるべく避けたい。とにかく効率よく生きたい。
    ・Z世代の「社会への還元とか、生産性の向上を考えるべきという思考を強いるような圧力をすごく感じる」という思考を、20代地方紙記者から聞いて、1976年生まれ探検家・角幡唯介は愕然としたらしい。または「進路学習の冊子で将来の夢を書く欄に「その夢はどのように社会に役立ちますか」という問いがあった」らしい。夢にすらコスパを求めている。←いつのまにか「教育」が変わっている?(←よく考えると、物凄く恐ろしい)
    ・東京私大教連の調査で、「大学新入生の月平均仕送り額から家賃を除いた生活費」調査では、1986年は7万円ほどだったのに、2020年には18200円までに落ちていた!!私の時は、田舎なので、(特に安いんだけど)一万円の家賃を引くと仕送りの残りは3万円だった。奨学金2万7千円。それでバイトせずに4年間送った。今の大学生は、私の貧乏大学生よりも明らかに厳しい(奨学金も完全借金だし)。だから彼らが金と時間と精神的余裕がないのも頷ける。
    ・ラノベの方向は主人公はどん底に落ちない。読者は一瞬たりとも「どん底」味わいたくない。男性は異世界転生しても、ずっとハーレム状態が続く。好きな情報やコンテンツしか見たくない。インターネットはそれを可能にする。
    ・プロの評論家はジェネラリストではあるが、そもそも買ってまで読まない。評論なんて、SNSにいくらでも落ちている。「好きなものを絶対に貶されたくない(否定的な指摘を含む)評論などされたくない」→結果的に若者は批判に弱くなる。批判されたら、社会からダメ出しを食らったと錯覚してしまう。


    【後書き抜書きからわかる著者の結論】
     本書執筆中、取材相手や打ち合わせ相手にたびたび、「インターネットは人類を幸福にしませんでしたね」などと、幼稚で短絡的にいじける自分がいた。倍速視聴の背景にある定額制動画配信サービスの作品供給過多も、LINEの共感強制力も、他人の芝生が青く見えてしまうSNSの仕様も、ネット警察の存在も、あらゆる「答え」が最短・最速・実質無料で手に入ってしまう環境も、全部インターネットが提供したものではないか、と。
     つまることころ倍速視聴は、時代の必然と呼ぶべきものだった。人々の欲求がインターネットをはじめとした技術を進化させ、技術進化が人々の生活様式を変化させる。その途上で生まれた倍速視聴・10秒とばしという習慣は、「なるべく少ない原資で利潤を最大化する」ことが推奨される資本主義経済下において、ほぼ絶対正義たる条件を満たしていたからだ。(300p)

    最後にちょっとした私の願望。

    「テオ・アンゲロプロスの作品は『ユリシーズの瞳』にしても、『永遠と一日」にしても、いつも途中で寝ていたんだけど、この『エレニの旅』の170分だけは、一瞬たりとも目が離せなかった。冒頭からずっと長回し映像が続いて、台詞も少ないけど‥‥凄い映画だった」
    「それは君が、アンゲロプロス作品を観るまでに成熟したということだよ」
    もう、18年も前の会話だ。映画鑑賞仲間の大先輩(故人)から頂いたこの一言が忘れられない。

    ファスト映画を観る君たち、君たちは映画に求めるものが違うんだよね。でもね、長い長いトンネルの果てに見つける、あの170分の至福を、そう!それは至福なんだ!それをいつか君にも体験してほしいと思うんだ。

    • kuma0504さん
      おお、土瓶師匠推薦なんだ!
      でも、人生は短く、観るアニメはあまりにも多い。Z世代の共感強制力は私には通じない。
      というわけで多分見ない!見な...
      おお、土瓶師匠推薦なんだ!
      でも、人生は短く、観るアニメはあまりにも多い。Z世代の共感強制力は私には通じない。
      というわけで多分見ない!見ないはず‥‥。
      2023/05/01
    • 土瓶さん
      アニメでなくマンガで読みました。一時期TUTAYAのそばにいたので。
      あ、あと……













      ...
      アニメでなくマンガで読みました。一時期TUTAYAのそばにいたので。
      あ、あと……



















      師匠ではないっす(´Д⊂グスン
      2023/05/01
    • kuma0504さん
      土瓶さん、
      でも、マンガあるんだ!
      しかもジャンプコミックス!
      マンガあるのならば話は別です。
      アニメの方が簡単に観れるじゃん!という突っ込...
      土瓶さん、
      でも、マンガあるんだ!
      しかもジャンプコミックス!
      マンガあるのならば話は別です。
      アニメの方が簡単に観れるじゃん!という突っ込みは置いといて、マンガならばチェックしようかという気になりました。マンガは別腹です。最近、マンガ喫茶が潰れたけど、TSUTAYAでレンタルすることを覚えたので、次回の20冊880円の時に借りてみよう!
      2023/05/01
  • 【感想】
    今どきは、動画だけでなく音楽も1.5倍速で聞いたり、歌詞の無い部分を飛ばしたりしているらしい。ここまで来ると何を楽しみに聞いているんだと言いたくなるが、音楽でも映画でも、倍速視聴の裏には「娯楽のファスト化」という単純には論じられない物事が潜んでいる。

    本書は、定額配信サービスの流行により増加した「映画やアニメを早送りで見る人々」の心理状態を探る一冊だ。大学生を中心とした当事者インタビューを交えながら、映画の見方が「鑑賞」から「消費」へと変わっていった要因を紐解いていく。

    倍速視聴の増加には大きく3つの背景がある。
    1つ目は、動画配信サービスの普及により供給される作品が増えすぎたことだ。新規作品の中に話題作が2つ3つあれば、視聴する時間がいくらあっても足りなくなる。
    2つ目は、コスパを求める人が増えたことだ。今の若者は「なにかのエキスパートになりたい」「なにかのオタクになりたい」と思っている。しかし、SNSによって周囲の「オタクたち」が可視化された今、「個性がなければサバイブできない」という焦りが生まれている。その一方で時間をムダにはできないため、観ておくべき重要作品をリスト化し、作品を「鑑賞」するのではなく「消費」するようになる。極力無駄を省き、コアとなる場所だけを効率よく摂取するのが、一番コスパが高いのだ。
    3つ目は、セリフですべてを説明する映像作品が増えたことだ。昨今の(特に日本の大衆向け)映像作品には、いま自分が嬉しいのか、悲しいのか、自分がどのような状況に置かれているのかを、一言一句丁寧に、セリフで説明してしまうものが多い。その裏返しとして、「セリフのないシーンは飛ばしても構わない」という発想が生まれたのだ。

    ただ、この現象を「視聴者のモラルのせい」にしてはならない。
    そもそも倍速視聴に嫌悪感を抱くのは、「その作品がリスペクトされてない」からだ。しかし、飛ばしている動画は「情報を得るためのもの」「話題に乗るためだけに観ているもの」であり、本当に面白い作品は食い入るように集中して観るだろう。そう考えると、倍速視聴の増加は受け手側の消費態度の変貌であるのか、それとも作り手側の不完全さによるものなのか、とても微妙な問題になってくる。

    当然ながら、全ての人に刺さる作品は無い。周りと好きなジャンルが異なることもあれば、みんなが面白いと言っているものがつまらないこともある。それでも多くの人が倍速を使ってまで特定のアニメや映画を観るのは、「not for me」を世間が許さなくなっているからに他ならない。
    この風潮に助け船を出したのが定額配信サービスであり、逆に定額配信サービスのせいで社会の傾向がこのように変わってしまった、と言えるだろう。サブスクリプションのおかげで気兼ねなく「捨て視聴」できるようになったのであれば、興味はないが観てみようと誰しも思う。これは、人々が娯楽に対してより積極的でオープンになったのか、それとも「どうせ定額だから」という理由で視聴態度が悪くなったのか、一概には判断できない問題だ。

    「早送りで見るなんてとんでもない」と思うのは簡単だ。しかし、この背後には社会的ジレンマが存在しており、その解決は相当に難しい。

    ―――――――――――――――――――――――――――
    【まとめ】
    1 映画を早送りで見る人たち
    映画やドラマを倍速視聴する人が増えている。本編すべてを1.5倍速で視聴したり、会話がなかったり動きが少なかったりするシーンを10秒ずつ飛ばして視聴する人は、それほど珍しい存在ではなくなっている。

    マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングによる2021年3月の調査によれば、20〜69歳の男女で倍速視聴の経験がある人は34.4%、内訳は20代男性が最も多く54.5%、20代女性は43.6%。次いで30代男性が35.5%、30代女性が32.7%だ。男女を合算すれば、20代全体の49.1%が倍速視聴経験者だという。

    倍速視聴の増加には大きく3つの背景がある。
    1つ目は、動画配信サービスの普及により供給される作品が増えすぎたことだ。新規作品の中に話題作が2つ3つあれば、視聴する時間がいくらあっても足りなくなる。
    2つ目は、コスパを求める人が増えたことだ。今の若者は「なにかのエキスパートになりたい」「なにかのオタクになりたい」と思っている。しかし、SNSによって周囲の「オタクたち」が可視化された今、「個性がなければサバイブできない」という焦りが生まれている。その一方で時間をムダにはできないため、観ておくべき重要作品をリスト化し、作品を「鑑賞」するのではなく「消費」するようになる。極力無駄を省き、コアとなる場所だけを効率よく摂取するのが、一番コスパが高いのだ。
    3つ目は、セリフですべてを説明する映像作品が増えたことだ。昨今の(特に日本の大衆向け)映像作品には、いま自分が嬉しいのか、悲しいのか、自分がどのような状況に置かれているのかを、一言一句丁寧に、セリフで説明してしまうものが多い。その裏返しとして、「セリフのないシーンは飛ばしても構わない」という発想が生まれたのだ。


    2 どこを飛ばしている?
    大学生にアンケートした結果、
    ・どうでもいい日常会話
    ・自分のお目当ての俳優が出ていないシーン
    ・先にどこが盛り上がるかをネタバレでチェックしておいて、それ以外のシーン
    ・3話まで見て面白くない作品の、残りの話
    ・そもそもファスト映画で済ませてしまう
    が多かった。

    といっても、「鑑賞モード」と「情報収集モード」を使い分けている人も多い。アカデミー賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」のような作品はじっくり見て、ちょっと話題になっており、話についていきたい程度の作品は最初から倍速で見る人が多い。

    そんな中、倍速視聴について「作り手の意図を無視するのはいかがなものか」という意見表明をすると、一定数が以下のように反応してくる。「それは芸術の話でしょ。娯楽をどう見ようが観る人の勝手」「味わうのではなく知るために観ている」

    定額制動画配信サービスは、コンテンツを「消費」させる習慣を我々に根付かせたのかもしれない。


    3 「オタクになりたい」の裏に潜むもの
    「忙しい中、友達の話題についていきたいから倍速で観る」という声は、10代から20代の若者からよく聞かれる。友達との人間関係で、自分だけ会話についていけなくなるからだ。

    倍速視聴してまで知識を吸収したいという心情の背景には、「個性がないとだめ」という呪縛がある。趣味も趣向も多様化し、普通の子どもたちが「全員好きなもの」が消えた今、「普通」が失われてしまった。結果、無個性だとどこのコミュニティにも属せず、自分が何者でもなくなり、とても不安を感じる。その不安に駆られて、無理をしてでも「趣味を持たなきゃ」「好きなことを見つけて打ち込まなきゃ」と焦るようになったのだ。
    つまり正確に言えば、彼らは「オタクになりたい」のではなく、「拠りどころになりうる、好きなものが欲しい」のだ。それが個性的な自分を手に入れる切符となり、同時に実利的な効果も得られる。

    Z世代には「ネタバレ消費」と呼ぶべき習慣が根付いている。クライマックスが感動で泣けるなら、泣く気満々の心構えで観に行きたい。先に犯人がわかった状態で楽しみたい。根底には「失敗したくない」「回り道したくない」という感情がある。最小の労力で最大のリターンを得ることに無上の喜びを感じるのだ。

    オタクになりたい若者たちが目指すのは、「推し活動の楽しさ」なのだ。オタクといっても博識を旨とするような研究系のオタクではない。アイドルやアニメのキャラクターを応援する行為だ。
    「推し活動であれば、自分が気に入っている作品を〝貶されたくない”のは当然です。客観分析なんて必要としていない。推し活動は、推しが輝いていることが重要なので、輝きを失わせるようなことは言わないでくれますか?という話です。『私の彼氏/俺の彼女を悪く言わないで!』と同じメンタリティですね」(森永氏)

    これらの背景に共通しているのは、言うまでもなくインターネットという技術の発達と普及にほかならない。映像を観るという行為が技術によって楽になった今、その行為の本質も変わり始めたのである。


  • 映画やドラマなどの作品を、「消費」するようにして、早送りでみる若者への警鐘…、と単にまとめるだけでなく、どうしてそうした現状になってしまったのかに関する考察も含まれていて、二重に面白い。

    この本の著者が提唱する作品のあり方は、複数の見方に「耐える」作品であること。

    例えば、映画であれば、ストーリーとして、ものすごくわかりやすい展開だったり、善悪の構造がはっきりさせる。

    それと同時に、ところどころに、映画の内容には関係ないが、例えば時代背景を思い出させるようなポスターを、主人公の部屋に飾ったりするなどの、マニア心をくすぐるものを配置する。


    じっくりと見させる、というのは内容そのものを難しくするだけではなく、見落としてしまいがちな場面に少しずつ解釈が増えそうなものをばら撒く。


    これがうまくできている作品をあげるとするならば、少し前の映画になるが、『JOKER(2019)』だろう。

    「悪人も最初から悪人ではなく、かつては善人だった。環境こそが彼を悪人たらしめたのだ」というわかりやすいメッセージがありながらも、ほんの少し、「本当にそれが伝えたかったのだろうか」と疑問が残る内容。

    もう一度じっくり見ると、今度は別の視点からまた考え直させられる。


    コンテンツとして生き残ることを求めるならば、まずは「わかりやすさ」を出しつつも、作品に解釈の余地を残すことが必要なのかもしれない。

    …と、偉そうに書いたのだけれども、案外その傾向は昔から変わらない気もする。

    食べ物のように咀嚼するのでなく、飲み物のように消費しているな、と思ったとき、読むべき一冊なのかもしれない。

    ただの現状への批判でなかったところが非常に良かった。

  • 最近読んだ本でダントツに面白かったです。
    一行たりとも飛ばせない
    隅から隅まで満喫しました。
    ただし「おわりに」の「〇〇さんに感謝」の部分は読んでいません。
    そう、自分にとって不要なものは、どんどんカットする時代。

    何かでこの本が紹介されるのを聞いて
    「特殊な変わった人たちが出てきたのか」
    と思ったけど、決してそうではないと思いました。
    中心となるのはZ世代だけど、私も
    TVの名作映画を録って容量がいっぱいになり
    消すか早送りで見るかしか選択肢がなくなって
    早送りは普通です。
    一方クイズ番組は一時停止して見ることが多いです。
    そうしないと、回答者に先に答えられてしまい
    自分が考えることすらできません。
    良い時代になりました。

    〈振り返れば、人類の映像視聴史は常に技術の進化と並走してきた〉

    〈映像を自分の思い通りの状態で「楽」に観るための改変行為、
    すなわち倍速視聴や10秒飛ばしという現代人の習慣は、
    文明進化の必然である…と言った言い切りには
    まだまだ抵抗感をおぼえる人もいるだろう。
    作品は作者が発表した通りの形、
    「オリジナルの状態」で鑑賞すべきであると〉

    〈新しい方法というやつはいつだって、
    出現からしばらくは風当たりが強い〉

    さまざまな影響で早送りする人が増えてきた現代
    映画やドラマを作る側もそれに合わせるようになる
    そうするとメディアやデバイスも変わってくる…

    私が生きている間にも、この世界はどんどん変わっていくのでしょう。
    いつか私も目くじらをたてるときがくるか。
    変化に合わせていくか。
    自分もどうなるかわかりません。

  • 映画をじっくり楽しみたい私は、読み進める毎と悲しくなっていった(笑)

    動画配信サービスが増えて観られる映像作品が膨大に増えたことと、LINEなどSNSが常に身近にあること。
    その要因によって話題作が増え過ぎたことと、話題作を共有し共感することに強迫観念的な感覚を持つ人が増えた…
    ということは理解できた!

    でも、やっぱり解らない。
    映像作品を倍速視聴して『消費する』という感覚。
    映像作品を『作品』ではなく『話題のコンテンツ』として捉える感覚。

    作品に興味がなかったら、「興味ないわ〜!どの辺が面白いの?教えて?」でコミュニケーション取れないの?!と思う私が古い人間なのだろうか。。
    倍速で、さらに大幅に飛ばし見してまで話に乗りたいのか…
    解らない!
    どうしたら、皆が自分と同じ感性・考え方を持っていると思えるのか。
    それではロボットと同じじゃないか!とツッコミたくなった(笑)

    さらに驚愕したのは、脚本家の卵までもが『作品を観る人たちは、みんな自分と同じものが好きなはず!』的に考えていること。
    恐ろしい!恐ろしすぎる!

    私たちが学生だった時代と、現代では社会環境も違う。
    それは理解するし、社会状況が厳しいことは気の毒だと思う。
    でも、やっぱり倍速や飛ばし見してまで『にわか』(オタクが使う意味で)になりたがる意味が解らない!

    本書に書かれている意見が総意だとは思わない。
    けど、こんな人が少なからずいるということで。。

    我が子が年頃になる時代を見るのが怖くなった(笑)

    ※追記
    『感情を揺さぶられるのがストレス』って、どういうことなんだろうか。
    『最初からオチが分からないと、安心して観られない』とは?
    言いたくはないけど、語彙力ないので失礼します。
    なんか、かわいそうだな…。

    • ちょこりすさん
      h.t.さん

      人の個性からメディアまでもが多様化している現代です。
      子供たちに偏見を持たずに成長してほしい気持ち、わかります。
      私も子供が...
      h.t.さん

      人の個性からメディアまでもが多様化している現代です。
      子供たちに偏見を持たずに成長してほしい気持ち、わかります。
      私も子供がいるので、できるだけ「偏見を持たず」は1つ目標にはしてますね。。
      多様性 多様性と最近よく聞きますが、こういう細かい部分でも影響が出てきているのかもしれないですね。
      2022/10/15
    • ちょこりすさん
      よっしいさん

      私も以前書込みして下さっていたよっしいさんやh.t.さんのご意見を伺えて嬉しいです!
      自分では発見できなかった感覚や考えを教...
      よっしいさん

      私も以前書込みして下さっていたよっしいさんやh.t.さんのご意見を伺えて嬉しいです!
      自分では発見できなかった感覚や考えを教えてもらえて、面白いですよね。

      お気に入りを見直すのは、私も経験があります。
      たしかに、よっしいさんの仰るとおりかもしれないです。
      深堀りして考えたり楽しんだり。
      まさに作品を「消費物」として捉えるか、どうかというところの表れのような気がします。
      2022/10/15
    • h.t.さん
      ミヒャエルエンデの「モモ」に「時間を節約すればするほどやせ細って無くなっていく」という言葉が出てきます。読んだのは20代でしたが衝撃的で今も...
      ミヒャエルエンデの「モモ」に「時間を節約すればするほどやせ細って無くなっていく」という言葉が出てきます。読んだのは20代でしたが衝撃的で今もすぐに出てきます。

      まさしくこれれではないかなと思うのです。節約することで見逃してしまい、自分の心の中の現象を見る事もできないなんて、映像や本を通じて疑似体験が出来るという機会を持てず、人間としての深みをもてないのではないかと思う今日この頃です
      2022/12/04
  • Audible利用(7h51m)
    読了まで2日間(1.1倍速)

    ここ10年、絵本の読み聞かせ以外の読書が思うようにできなかった。新しい作品に触れる余裕もあまりなくて、読書も映画も再読や再鑑賞がメイン。
    1ヶ月ほど前にAudibleに入って、家事時間や移動時間がまるごと読書時間になることに感激した。聴く速度も、自分の耳に心地よい設定を細かく選べる(私は1.1倍が好き)。なんて便利な世の中だろうと喜んでいた時に目にとまったのがこの本だった。

    倍速視聴なんてありえない?
    倍速視聴は当たり前のこと?
    現象の紹介だけでなく、「倍速視聴は当たり前」という風潮を産んだ社会的背景についての考察も興味深い。「わかるなぁ」という部分も腑に落ちない部分も「それは今に始まった話ではないのでは?」と思う部分もあって、私は過渡期の人間なんだなと思いながら読んだ。

    私は映画の倍速視聴をしたことがない。今のところはするつもりもない。もし倍速視聴したら悪いことをしているという後ろめたさを感じる気がする。当たり前の行為とは思えない。

    一方で、「タイパ」を求める気持ちは確実にある。
    実際に家事しながら毎日1.1倍速でAudibleを聴いてるし(この本も!)。夜中に『13日の金曜日』や『ハロウィン』をBGM代わりに「繰り返し視聴」「ながら視聴」している。
    若い頃は洋画は字幕派だったが、今ではすっかり吹替え派。洗濯物を畳んだりアイロンをかけながらでも観やすいからだ。

    サブスクの普及で映像作品が供給過多となり、効率良く観るべき作品を見つけたい気持ちもよくわかる。
    私はYouTubeのファスト映画チャンネルは観ないが、映画解説チャンネルをチェックして次に観る映画を決めることはある。
    ファスト映画への個人的嫌悪感や法的問題は別にして、「失敗を回避したい」「自分の観るべき作品を効率良くリスト化したい」「短時間で観た気になりたい/わかった気になりたい」というチャンネル利用者の欲求を考えれば、どちらのチャンネルでも起こっていることにさほど違いはないのではないか。

    「結末を先に知っておいて、安心して最初から観たい」という感覚も、何となくわかる気がした。
    「心のカロリーをあまり使いたくない」という意見から、作品の量だけでなく、情報過多・刺激過多な作品に疲れてる人が結構多いのだなと思った。
    細部まで鮮やかで情報密度の高い映像、全ての「間」を埋め尽くすようなスピード展開、相次ぐどんでん返し、山盛りの説明台詞と伏線……といった近年の映像作品を日々大量消費していれば、防御反応のようなことが起こるのは当然かもしれない。
    かといって、「間」や「描かれていない部分」を楽しむ映画作りや視聴スタイルに戻ろうと叫んだところで、それが今後主流になることはなさそうで、私はそれが寂しい。

    作品ではなくコンテンツ、鑑賞ではなく消費、倍速視聴は仲間とつながるための/コスパの良い個性を手に入れるための生存戦略だ……という話を延々と読んでいるうちに、久しぶりに映画館で映画を観たくなった。何を観るかも決めずにフラッと入って、その時かかっている映画を観る。この本を読んだ後では、そんな何でもない行為がこの上ない贅沢に感じる。

    • ゆきやままさん
      わかります~。私自身主婦になってからは映画は1.5倍速派だったので、この本が話題になったときには「何をいまさら?」という印象だったのです。そ...
      わかります~。私自身主婦になってからは映画は1.5倍速派だったので、この本が話題になったときには「何をいまさら?」という印象だったのです。そんなに忙しくなくなった今も、より多くの作品を見たい欲求があり、つまらない場面は早送りしてしまう、作った方からしたら冒涜的な見方をしてしまいます。
      それとはべつに思い立った時に映画館に行けるのって、今やすごく贅沢なんですよね。独身の時はレイトショーとか行ってたのが懐かしい(ノ_・、)
      2023/05/28
    • ゆたこちさん
      レイトショー、最後に行ったのいつだろう…(´TωT`)
      私も独身時代はよく行ってましたが、今思えばめちゃくちゃ贅沢な時間ですよね。

      私自身...
      レイトショー、最後に行ったのいつだろう…(´TωT`)
      私も独身時代はよく行ってましたが、今思えばめちゃくちゃ贅沢な時間ですよね。

      私自身は映画の倍速視聴はしていないのですが、「本当の映画好きなら○○しない」「○○するような人には映画の良さをわからない」みたいな意見が声高に言われるのもあまり好きじゃないんですよ。
      その辺は過渡期の世代なのかもしれないです。

      より多くの作品を見たい、という気持ち、すごーくわかります。見れば見るほど、読めば読むほど、気になる作品って増えていくんですよね~(-ω-。)
      2023/05/29
  • 若者の「失敗したくない」心理が動画視聴にも表れていたとは驚きました。娘にこの本の内容を話したら大きく頷いていました。情報過多の時代を生き抜いていくのは大変ですね。
    最近の音楽も開始1秒から歌が始まる曲が多いという話とも通じるものがありますね。前奏が20秒近くあると、「いつまで待たせるの?」と思うそうです。
    オタクではなく「推し」という言葉が定着した背景も納得しましたし、ドラマや映画に説明が多くなったのもなるほどでした。
    個人的には無駄な時間も楽しめる大人でありたいなと思います!

    • h.t.さん
      「無駄な時間」、小説「モモ」にも描かれていますよね、今のそのような若者もある程度年齢を経たら分かるようになるのかな
      「時間を節約すればするほ...
      「無駄な時間」、小説「モモ」にも描かれていますよね、今のそのような若者もある程度年齢を経たら分かるようになるのかな
      「時間を節約すればするほど、やせ細ってなくなっていく」
      という事が(by モモ)
      2022/10/14
    • ふもさん
      コメントありがとうございます!
      これからはAIも駆使してさらに自分の価値観に合うものだけを選んでいくようになるのかもしれませんね。
      どんな大...
      コメントありがとうございます!
      これからはAIも駆使してさらに自分の価値観に合うものだけを選んでいくようになるのかもしれませんね。
      どんな大人になるのか逆に楽しみたいです。
      2022/10/15
    • h.t.さん
      そうなると選ばれたものばかりを知る事になり
      偶然の出会いや知らない世界を知る機会を失うような気がします

      そうなると選ばれたものばかりを知る事になり
      偶然の出会いや知らない世界を知る機会を失うような気がします

      2022/10/15
  • 感想を書くのが難しい。
    それだけ、身近な話題でした。

    私は映画やテレビを倍速で見ない人間です。
    ですが、友人や妻、娘は倍速で観ている。竹を割ったように「作者の意図に反した視聴なんかただの時間つぶしじゃないか!」といったところで、反発は目に見えています。

    それだけの風潮になっている倍速というライフスタイルを、この本を書いた稲田豊史さんは多方面から考察してくれました。

    多少、倍速反対の姿勢を感じるところはありますが、自分のライフスタイルがある以上、いずれかに偏ってしまうことは目をつむります(むしろ自分の立場に近いので読みやすかったです)

    この本から学べたとことは何か。

    一番は、私たちを取り巻く環境(特に情報に関わること)が変わったことで、映画やテレビというメディアとの向き合い方も偏向されているということです。

    私たちの触れる情報量がたった10年前と比べただけでも何倍にも増えている。
    その状態で、もしこれまでのように「同級生や友人とドラマの話題で盛り上がる」という目的を達成しようとしたら、何倍も視聴しなければならない。

    しかし1日は地球ができて以来24時間しかない・・・・

    そうなると、私たちが取り得る選択肢は、「人間関係をへらす」か、「作品を鑑賞するのではなく消費し、取り敢えず観たことにする」となる。

    人間関係欠如は私たちの社会的地位、しいては生存を脅かす可能性がある。
    だから多くの人は鑑賞する時間を無意識にあきらめ、効率性を求めるようになる。

    今40代の私は倍速視聴を嫌厭しています。

    ですが、もしも生まれる時代が20年遅れていたら、当たり前のように倍速でYou Tubeを観ていたのではないでしょうか。

    ですので個々にその態度を責めるべきものではなく、社会的なこと、情報化社会の副作用とも言える状態だと言えます。

    残念に思えるのは、こうした視聴が増えることで、書中にでてくる仮託(かたく:言葉ではなく、時間の間や表情でメッセージを暗に伝えること)を楽しむ機会が減ってしまう可能性があることです。
    仮託は作者の暗喩であり、受け手の解釈の余地が入ります。

    中学生時代、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を見た時に、
    「綾波レイは、どうしてあの時怒ったの?」
    と同級生と語り合った時間。

    大学時代、映画『ブレードランナー』を観た時に、
    「最後のワンシーンで鶴の折り紙が置いてあったけど、あれって・・・ということだよね」
    と、サークル仲間と確認した時間。

    今後はこうした話ができる人が減っていくのではないかな・・・という寂寥感。

    書中でも、こうした「わかりにくい」作品は制作の段階で、「ユーザーの多様性」というお題目を盾に、減らされている風潮があると書かれています。

    「わかりやすい」がすなわち「面白い」とは限らない。
    しかし、市場では「わからない」作品は売れない。
    この二律背反に軽く身悶えしてしまいました。

    倍速視聴の是非について、結論が書かれている本ではありません。

    私自身が導いた感想は

    「それでも私は、今より背伸びして鑑賞する人間でありたい」

    ということです。

    映画も、本も同じ。
    観た(読んだ)数ではなく、流行だけでもなく、自分に必要なものを絞り込む。そして、その向き合い方に重きを置こうと思っています。


    恐らくこの本のこの骨子は、
    メディア視聴の多様性を尊重するために、私たちを取り巻く環境、事実を提供してくれること。
    そして読んだ後に、1人1人のメディアとの向き合い方を考えさせてくれることではないでしょうか?

    家庭内で口論する前に、まずは一読をオススメします。

  • 最近の自分は読書を楽しめていないと本書を読んで感じた。
     時短、効率化、利便性といった実利的な方法で作品に向かわざるを得ない社会と、それらを可能にするテクノロジー。自分も大学生のときにYouTubeの企画とかを倍速で見ていたので、心地よく楽しめるものを無尽蔵に消費する気持ちの一端はわかる。本書を読んでいて今後はそういうニーズに応えるようなものが増えていくんだなと感じ、その一方でそれに嫌悪感を持つ自分がいた。その嫌悪感の根本には自分の読書体験があるなと思った。
     それは高1の頃のこと。現代国語の担当先生とプルーストの『失われた時を求めて スワン家の方へ』を個人的に解説してもらったことがあった。そのときに自分が素通りしていたマーマレードなどの何気ない描写が内容を深めていることを教えていただき、行間を読むことや細かい物の持つ意味など読書の素晴らしさを学べたことがある。
     細かい描写ではあるがそこには作者の意図があり、それを理解すると内容がより楽しめる。そして、わからないと感じる部分を読み込んだ誰かに教えてもらう時間。作品を通して他者を理解し関わることの豊穣な関わり。これを味わえなくなるのは嫌だなと思ったのと、最近の自分に足りてないのはこれなんだなと気付いた。
     速読して楽しむのも良いけど、またあの読書の楽しさを再び味わいたい。速さの快適さとじっくり時間をかけることの魅力を感じた1冊でした。

  • SNS上で話題になった現代ビジネスのウェブ連載が大幅に加筆・修正の上で書籍化。動画配信サービスで映画を倍速視聴するのは一部の人々(必ずしも若者とは限らない)の間では常識となっているそうだ。けしからん!と憤るのは簡単だが、彼らには彼らなりの切迫した事情があるというのは目から鱗だった。まぁそれでも知性の敗北・後退・退化であるという認識は変わらないけど。怖いのはこれがエンタメ分野に閉じた話ではなく、勉強や教養といった領域にも「手っ取り早く」が浸透し始めていることか。

    単純に映画を好きな人間目線の感想はnoteに書きました。
    https://note.com/masahiro884/n/nb1e9a14d0447

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著者プロフィール

1974年、愛知県生まれ。ライター、コラムニスト、編集者。横浜国立大学経済学部卒業後、映画配給会社のギャガ・コミュニケーションズ(現ギャガ)に入社。その後、キネマ旬報社でDVD業界誌の編集長、書籍編集者を経て、2013年に独立。著書に『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『ぼくたちの離婚』(角川新書)、『「こち亀」社会論 超一級の文化史料を読み解く』(イースト・プレス)、『オトメゴコロスタディーズ フィクションから学ぶ現代女子事情』(サイゾー)、『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』(光文社新書)、『ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生』(朝日新書)がある。

「2023年 『こわされた夫婦 ルポ ぼくたちの離婚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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