- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334045524
感想・レビュー・書評
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かなり読みやすかった。
日本もイギリスと同じくらい超高齢者社会なのだから、見習うところが多くあるのではないか。
でも「上級国民(笑)」状態になってるようじゃ、変えていくのが色々難しそう。 -
カリフォルニア大学ロサンゼルス校で孤独による健康被害を研究するスティーブコール博士は、2007年慢性的な孤独を経験した人とそうではない人とのあいだには細胞レベルで大きな違いが見られると発表した。
孤独に苦しむ人の場合炎症に反応する遺伝子がオンの状態になっている。
慢性的に炎症の状態が続くと、アテローム性動脈硬化症、循環器疾患神経変性疾患、転移性がんといった慢性病を誘発する原因となってしまう。
孤独は静かなる疫病でありうつ病などリスクが大きい。
タイム誌はすでに2015年の記事で、アメリカのブリガムヤング大学による調査について取り上げ、孤独が肥満や薬物乱用に匹敵する公衆衛生上の問題になり得ると指摘している。 -
様々なチャリティー団体が行なっている孤独対策が紹介されていました。
全体を通して心温まるエピソードの紹介が多く、イギリスは社会全体として高齢者や障がい者などの社会的弱者と言われる方にも優しい国なのかなという印象を持ちました。
また、イギリス王室の方々のエピソードや、それぞれが力を入れているチャリティー活動等も一つの章を使って書かれていたので、イギリス王室に関心を持つきっかけにもなりました。 -
イギリスはチャリティの精神があるなぁと感じた。公園のベンチに寄付者の名前があったりするらしい。イギリスの生活と福祉をよく取材しているのだが、情報量が多く事例集として参考になる感じがした。
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イギリスが大臣までおいて取り組もうとした孤独の問題に対する政策的なことを詳しく知れることを期待して購入。
政策があまり進んでいないこともあり、政策的なことの記述はほとんどない。ただ市民レベルでの様々な活動事例とそれを支える王室の役割や裕福な人達のノブレスオブリージュの考えが多く記載されていたことは参考になった。 -
道草の文化、王室によるパトロン、マギーズハウス、フリーダムパス……。
イギリスの成功事例集でした。
日本にもたくさん良い事例はあるのでしょうが、基本はインディペンデントかつ属人的な活動のイメージがあって。ダルクとか、児童館、ほっとラインなどもちろんありますが、ここにあるような文化的なところは随分衰退してしまったのかなと思います。
歓談の文化、知らない人と挨拶したりおしゃべりしたりすることは本国では随分難しそうだ。
ここに書かれていない、難しいことはたくさんあるでしょうが、まずは試みの数だよね、何事も。
よかったです! -
本書を開く前は、「孤独対策」は、政府や会社が主体となり、実施するものだと考えていた部分がある。
第一章で述べられているように、イギリスの孤独対策は、人々のアイディアですでに生まれている。政府による孤独対策に目立った業績はなかったものの、孤独対策の基盤が、社会に根付いている。
イギリス在住のジャーナリストが、体験談を交えながら、実例を紹介することで、イギリスの実例を通して、日本の相対化できる。
本書を通して、日本では、人々が集うコミュニティ、すなわち、場が不足していると感じる。場の不足により、他者=異物との出会いが減少しているのではないか。