深宇宙ニュートリノの発見 宇宙の巨大なエンジンからの使者 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334044725

感想・レビュー・書評

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  • 深宇宙ニュートリノ、知らなかった…アイスキューブ実験、知らなかった…生命科学や人工知能研究に人材奪われている、という説も聞く物理学ですが、やっぱり物理は自然科学のホームラン王だ!って叫びたくなるようなワクワクストーリーでした。妄想、発想、構想、挑戦、挫折、転換、競争、共創、作戦、仲間、ライバル、理解者、無理解、ラッキー、チャンス、次世代、お金、技術、あれもこれも!やっぱり現代の冒険は、極大な宇宙と極小なニュートリノの間にある物理学です。近頃の研究が産学連携で、役に立つか役に立たないか、みたいな風潮の中で、そんなこと関係ありません、っていうようなでっかい話が、うれしいです。それが身体を張った実験や研究の上に成り立っていつのがカッコいい!もう用語も理論も途中から訳わかんなくなりながら、素敵な色付きのグラフに支えられて、最後まで楽しみました。意味理解しないで感動!って、こんなの初めて!

  • ニュートリノ観測というとノーベル賞もあってカミオカンデ
    が有名だが、他にもいくつか観測施設が作られている。水を
    観測媒質に使うカミオカンデに対して、南極の厚い氷を媒質
    に使ってニュートリノと水分子が衝突した時に発生する
    チェレンコフ光を観測しようというのがアイスキューブ計画
    であり、この本はその計画に参画した日本人著者による観測
    までの苦闘とその後の展望をまとめたものだ。単に観測の
    難しさだけでなく、そこに至るまでの予算獲得や科学者界に
    おける政治的活動まで赤裸々に描く一流のドキュメントに
    仕上がっていると思う。アイスキューブ計画が存在している
    のは知っていたが、そこに日本人・日本の大学がここまで
    関与しているのは寡聞にして知らなかった。申し訳ない。

  • ふむ

  • ちょっと難しい内容だが、素人向けになるべく平易に解説しようという著者の心遣いが感じられる。
    カミオカンデのようなチェレンコフ光を観測する実験が南極の氷河の中で行われていたとは知らなった。そこで、幾つもの新しい発見があり、それに日本人が絡んでいたのかと、日本の素粒子物理学や宇宙線物理学に関するレベルの高さを認識した。著者は、自らを普通の人と称しているが、大きなプロジェクトを遂行し、実験結果を分析し、様々な科学的な反論を乗り越え、しかもそれを外国人と英語でこなしていくというのは並大抵のことではなかろう。科学の最先端で四苦八苦しながらこういう活躍をしている人がいるのかと思った。

  • 東2法経図・6F開架:B1/10/1061/K

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