大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334044053

感想・レビュー・書評

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  • 資本主義経済の影で起きている大量廃棄の実態に迫った一冊。ここではアパレルと食に的を絞りつつ、問題提起だけではなく、新たな価値観に基づいた取り組みも紹介されている。
    現状では安い給与で過酷な労働を強いられる技能実習生らが作る服は一度も着ることなく捨てられ、利益のために大量生産されるも売れずに節分当日に恵方巻は廃棄されている。SDGsやリサイクル、フリマアプリが浸透している現在も大量生産、大量廃棄がベースの社会はやっぱりどこかおかしい。リサイクルは捨てるより罪悪感を軽くしてくれるが、結局使い道がなかったり、海外にごみ同然に押し付ける状態では捨てることとほとんど変わらない。
    安くいいものが買えること、たくさんの選択肢から選べることが果たして当たり前でいいのか、消費という言葉や本当の豊かさについて見直すきっかけになった。

  • 原貫太のYouTubeきっかけで読んだが、非常に良かった。
    結論、安いから、とかなんとなく見た目が良いからということではなく、製造ストーリーや作り手のビジョンに自分の価値観が合うものを持つ、ということが重要だということ。
    なんとなく消費しているうちは消費者として未熟であるなと。
    製造者が思い入れのあるものを、安くではなく適正な価格で購入したいし、それを長く使いたい。
    安く買ってすぐに捨てるということは自身の価値観とも離反する。

    ただ単にSDGsだからと世間に流されるということではなく、自身の価値観の成熟を意識して、価値観と合うものを身につけるというのは成熟した大人としてあるべきだと思う。

    Whomademyclothes?運動は初めて知ったし、こういう動きがあるということは非常に成熟した社会だなと思う。この価値観をみんなが持てるようになると素晴らしい。

  • なんとなく感じてはいたことの数字を具体的に見ていろいろ衝撃を受けた。まずは自分の消費を見直すところから。
    日本人みんなが少しずつでも意識できれば大きな動きになるはず

  • 中田敦彦さんが紹介していたので読んでみた。自分の消費スタイルを見直す契機になるし、少しでも同じ考えの人を増やしていき問題にしていかないと世界がヤバイことになる。不道徳がまかりとおる世の中、不道徳がはしょられている世の中はさすがにマズイっしょ。皆さん、この本読みましょう。

  • 資本主義というシステムは会計という武器を持ち、効率的で生産的な社会という幻想を生み出しました。一人一個の握り飯を毎日捨てる世界で飢えて亡くなる同胞がいる現実はファンタジーかホラーなのか?気が付かなけれならない時代が来ていると感じさせます。

  • 数年前に出たドキュメンタリー映画の「ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~」の延長軸。安く早く仕上げ消費者に届けている一方で新品の洋服4枚に1枚が手つかずのまま廃棄されている現状。
    ※以前見た映画のレビュー↓
    https://booklog.jp/users/gooocci/archives/1/B01CHXVHPE
    じゃリサイクルすればいいのだろうという意見もあるが、リサイクルされた先は一体どうなっているのかというのも考えなければいけないと改めて思った。
    全てリサイクルできるわけではないもの。
    化繊からコットンから、新しい新素材が日々開発さえているのに
    一枚一枚の洗濯表示混率タグを見て分別しなきゃいけないのかと思うほど、ゾッとする。
    (フェアトレードを謳い文句にしているピープルツリーは私は悪いけど嫌い。)
    もちろん服だけではなく食品も大量に捨てられている今のこの世の中。
    そういえば今年、甲子園球場名物「カツ丼大」も、インスタ映え目的でやって来た客の食べ残しで
    販売を苦渋の中止していたのは記憶に新しい。
    それこそ季節商品のクリスマスケーキや恵方巻き等々、実際消化できない数量がさも当り前の如く
    生産されそのまま廃棄されていく現状。
    動物のエサになるからいいじゃんとか、そんな問題ではない
    何でも廃棄すればいいやという勝手な気持ちが独り歩きしているような気がする。
    誰でも簡単に手が入るものが簡単に手に入りすぎて飽和化している、そんな世の中。
    大事に使うって簡単なようで今の時代難しいのかもしれない。

  • 洋服や食べ物が毎日大量に廃棄されていることは多くの人は「なんとなく」知っていると思う。

    しかしその具体的な数や実態を知ると驚愕しますね。

    人が生きる上で必要とされるのが「衣食住」

    この本では「衣」と「食」だけで「住」に関しては触れていないが、今の日本は「住」もすでに同じ状態だと思う。

    誰も住んでいないという状態で「住」もまた大量廃棄されていて、これも今後の大きな問題になるはずです。

    この本では「衣食」のこれからの新たな取り組み方も書かれていてとても興味深く読むことが出来た。

    ぜひ多くの人が知っておくべき情報だと思います。

    おすすめ。

  • 名著です。衝撃的なテーマ設定とともに、10億枚の新品の服が捨てられているという算出根拠もあって、ビビらせてくれながら、それなりの解決しようと奮闘している方々のルポ、最後には、消費とは何かを考えさせてくれる。世界一豊かな国で、世界一食べ物が美味しくて豊富、世界一クリエイティブな日本の、影の惨状をしっかり目に刻め

  • 今はダメだよね、という話と、
    消費者意識をあげる、というお話。

    後者の事例がすごく面白かった。
    広島市ドリアンの絶対捨てないお店の話がめちゃおもしろい。

    朝早いパン屋というイメージを一新し、
    素材に投資することで4-5時間程度の労働で済むようにして
    残ったパンは、旅するように移動販売をして、
    いろんな人に会って
    コミュニケーションをとって販売していくスタイル。

    素敵だった。

    フードロスを半分にするという閣議決定もしていて、
    この領域にはこれからどんどん
    すごくいい素敵な人材が流れそうだなぁと思った。

  • 小論文対策推薦図書 経済系

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