死にゆく人の心に寄りそう 医療と宗教の間のケア (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043919

感想・レビュー・書評

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  • 「なぜ死ぬのだろうか」「どれぐらい生きていられるのだろうか」「私の人生は何だったのだろうか」といった、答えのない問いをスピリチュアルペインと呼ぶのだそうだ。私の老母がよく言っているフレーズだ。どう対応したらよいのか。。。考えたい人にお勧めしたい一冊だ。

  • 人が自然に死んでいく姿をかたっていましたね。そうなんだと、すごくためになりました。
    当時はつらかったのでしょうね・・・・・

  • 八尾市立図書館で借りているタイトルの本を今日は、府立図書館で読みました。
    内容ですが、
    まえがき
    第1章 死に向かうとき、体と心はどう変わるのか
     1死にゆく人の体と心に起こること
     2大切な人の死に直面した人の心に起こること
     3在宅で亡くなったあとにすること
    第2章 看護師の私が僧侶になったけ
     1「これ以上、治療を続けたくない」と夫に言われたとき
     2在宅で死ぬことを選んだ夫との2年間
     3在宅で看取りに必要な環境
     4「僧侶になろう」と思った日
    第3章 死にゆく人の心に寄り添う
     1剃髪したら、患者さんが語り出した
     2僧侶として、死にゆく人と向き合う
     3現代の惑いに対処する「養老指南塾」
    第4章 生きていく人の心に寄り添う
     1医療だけでもだけでも宗教だけでも足りないものがある
     2一人であることを見つめる
    第5章 医療と宗教が交わる場
     1古来、僧侶は医療者だった
     2ホスピス(緩和ケア病院・病棟)とスピリチャル・ペイン
     3僧侶が心のケアを担う台湾の看取り事情
    あとがき
     著者が体験し、感じたことが素直にスラスラと書かれていてまことに読みやすい本でした(感謝)。
     死と生、誰もが避けて通れないことですが、とっても参考になることが爽やかに書かれていました。
     

  • 看護師をされていた著者が、自宅で夫を看取った経験から僧侶となり得たもの、死に向かうときの心身の変化や、日本ではあらたな取り組みである臨床宗教師について、書かれた本です。

    「今は昔と違って死が身近でなく、経験値がありません」(まえがきより引用)

    かくいう私も、病院での看取りしか経験がありません。
    患者さんというか、天寿を全うしようとしていう方が病院に運ばれてしまえば、“治療”せざるを得ません。
    なぜなら病院は、そういう場所だからです。

    病気でもなく、ただ自然の流れとして食が細くなり、眠りが多くなっていく方に対して、食事を食べさせようとしたり、点滴や胃ろうを作ること…不自然でしかないのですが、病院にいる以上は、そうした流れに乗らざるを得ないのです。
    心では違和感を感じながらも、病院で働く私は、その流れに乗っていました。
    本書を読んで、なぜ老衰のような状態でも、病院に搬送されてまうのか、謎が解けました。

    核家族が多くなったいま、わたしたちは日々の暮らしのなかで“老”や“死”について経験することが、ほとんどありません。
    “死”を間近に経験することがなく育っていくことで、近しい人の死や自分もいずれ老い、死にゆく人であることをイメージできないまま、年を重ねてしまっています。

    そんな現代に生きるすべての世代の方に、オススメしたい1冊です。

  • ふむ

  • 飲み込む力が弱くなって、液状のものも飲み込みにくくなる。食欲はなくても液状のものなら飲むことが出来ていたのが、それもできなくなっている。
    がんの末期で痛みがひどい場合などには、点滴は絶対に必要です。死につつある人にとっての点滴は、むくみや痰の増加を引き起こしてしまうことがある。
    起こったことはすべて、起こるべくして起こったこと、終わったことはすべて、良かったこと
    食べられなく成る、飲めなく成る、眠っている時間が多くなる、尿や便が少なくなる。呼吸が変わる、そして止まる。誰でも通る道、一旦着地態勢に入った人は、何をしても着地する。
    下顎呼吸が始まったら、残されているのは24時間程度
    人の皮膚は2時間動かさずにいると赤くなってえぐれてくるので、看護師さんは体位変換をする。
    何々をしておけばよかったということがあったら、今日からそれをすぐにしましょう。今の生き方に生かしましょう。
    ホスピスに入るのは終末期の患者さん  末期のがん、エイズ、心不全

  • よい本に出会った。「治療せずに死ぬという選択肢」は医療現場にはないのだろう。終末医療や緩和ケアにどうしても目が向いてしまうが、ゆっくりと着地するために宗教の力は必要かもしれない。明日があることか確信できる若い世代にはこの本はわからないかもしれないが、親を看取り、自分の番が近づく年齢の私にはとても心に迫った。

  • 誰にでも等しく公平に訪れる死というものに、正面から向き合う事は非常に大事な事です。看護師であり、僧侶でもある玉置さんが、死にゆく人、看取る人の心身に何が起こるのか、教えていただけます。
    超高齢化社会への到来が迫る今、QOD(クオリティ・オブ・デス)は大切だと思います。

  •  死のケアはついつい避けたくなる事柄だがいつかは直面しなければならないこと。

     それは自分自身の死、ということかもしれないし近親者の̪死という事かもしれない。

     著者はスピリチュアルなケアをしながら、本人と本人の死、そのあとの家族のグリーフケアまで担当する。これからの多死社会には必須の人だ。

     「アドバイスをせず、ひたすら相手の話を聞くこと」

     「ピンピンコロリも良いけれどそれは近しい人にお別れをする時間もないということ」

     など現場を踏んだ方でなければわからないことが多数盛り込まれていた。

     治療をして延命する人も、上手くいかず寿命を縮めるように亡くなる人もいる。「それを含めて天命、上の人のご意思」と。

     よく死ぬことはよく生きることが前提、というのもうなずけた。

  • 積読→今年1月ようやく読み始めてから、
    ずっと持ち歩いてた本。
    待ち時間用だったんだけど、つい携帯ばっかり見てたからね…

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著者プロフィール

看護師僧侶。東京都中野区生まれ。専修大学法学部卒業後、看護師、看護教員の免許を取得。
夫の“自然死”という死にざまがあまりに美しかったことから開眼し出家。高野山真言宗にて修行をつみ僧侶となる。
現在は、緩和ケア病棟、精神科デイケアにスピリチュアルケア担当として勤めるかたわら、院外では一般社団法人大慈学苑代表として、スピリチュアルケア活動を続けている。
著書に『まずは、あなたのコップを満たしましょう』(飛鳥新社)、『死にゆく人の心に寄りそう──医療と宗教の間のケア』(光文社新書)などがある。

「2023年 『あなたの「生きたい」を支えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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