- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334043681
感想・レビュー・書評
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「土」って何?
ホームセンターなんかで、いろんな土が売られているけど違いがわからない。
と言って、学術書を読んでまで知りたいわけでもない。
というわけで手にしたのがこの本。
12種類に分類されている土すべてを実際に地球上を駆け巡り、掘り起こしてきた著者のバイタリティには敬服する。
その土の写真がカラーで見られるので印象に残る。
第3章の、人口密度と降水量のマップに世界の肥沃な畑の土マップを重ね合わせて見るとなんかいろいろと考えてしまう。
世界の歴史には土壌の性質が少なからずかかわっている。
土地(肥えた土壌)を奪い合う(戦争、買収)のではなく、土壌を改善する方法を競い合う世の中になって欲しいですね。
金儲け目的で(土壌として使うのではなく)土地を売買し、土壌がどんどん破壊されてしてしまうことがないようにと改めて思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そこら辺にある土に肥料等を混ぜ込めば何かしら食料となるモノが育つのかと思っていたが、大間違いだった。
我らの胃袋を満たしてくれる食物を育てられる土が意外と希少なものだったとは。
土から見た食糧問題。
結構不安になる。 -
土壌学の本。著者によると、地球上の土は12種類に分類できるらしい。実際に12種類の土を求めて世界各国を訪問し、土とは何かを考察する。
自分自身も農学部の出身だが、機械系だったので土そのものにはあまり関心が無かった。ぜいぜい植物の生育に必要な土と化学物質くらいの知識しかなく、社会人になると農業とは違う世界に進んだので、土がどのようにできるか等全く知らなかった。この本では、著者の体験と併せて判りやすく(例え話も適切)解説しており、読んでいてとても面白かった。土についての知識を得ることで、毎日見ている風景が違って見えてくるような気がする。旅行に出掛けたら、動植物と共にその土地について考えてみるのも良いかもしれない。 -
地球上のすべての人間を食わせることができる豊かな土壌を求め、世界中を旅して土の謎を解き明かそうとする筆者の自伝的な研究紹介。
私の大好きな、研究大好きクレイジー系科学者。もう少し本人の人間臭い部分が出ていても良かったとは思うが、土壌大好きの筆者に飲み込まれて一緒に土が好きになる。 -
藤井一至氏が2018年に刊行した土に関する新書。
ニュースで高校地理が必修科目となると聞いて、久々に地理の勉強してみるかーと思い購入し、一晩で読破。
藤井氏がシャベル1つで世界中の12種類の土を巡る旅?(研究)の様子がとても読みやすくまとめられている。
まるで藤井氏と一緒に世界中の土を巡っている気分が味わえた。
読後は改めて私たちの生活の土台となっている土は、当たり前のものではなく、日本という国は恵まれていることが再認識できた。 -
土ってやっぱりすごいですね!と考えさせられてしまう一冊。
世界各地の土壌を研究している方の、壮大な研究成果。そしてまだまだ探求は続く。続編を期待しています。