目に見える世界は幻想か? 物理学の思考法 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039684

感想・レビュー・書評

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  • 数式と図表が1つもない新しい物理学概論。これまでの歴史を俯瞰できる良書。天動説・地動説から、ニュートン力学、マクスウェル電磁気学といった古典物理学、量子論、相対性理論といった現代物理学、そして、未知の物理法則を探る手段が宇宙に向かうところまで、存分に楽しめる。学生の頃に読んでみたかった一冊。

  • 量子力学が、人間の常識の通用しない世界であるということがとても印象的であった。
    また、人間の意識があるせいで、本来の世界を捉えられないということも衝撃だ。
    ますます理系分野の本を読んでいこうと考えた次第である。

  • 松原先生の本は2作目だが、説明がうまくて面白い。
    物理学の発展を俯瞰的にざっと説明した内容だが、今一度復習するのにちょうど良い

  • 物理学という学問に縁のなかった人に向けて書いたという入門書です。できるだけ数式を排し、言葉だけで表現することを心がけて下さっています。

    著書は、そもそもの物理学の目的から、時代とともに変わっていく各種理論、研究者たちの偉業や苦悩、微小な世界から量子力学、時間と空間、重力、クォークと進み…ああ!ごめんなさい!もう勘弁して!

    そう、物理学という学問に縁のなかった人です。とはいえ、せっかく学んでみようと借りてきた本ですからね。最後まで頑張って読みました。

    一般相対性理論、量子力学など。ここに至るまでにどれだけの苦労があったのか。学者の方々には頭が下がる思いです。一方、人類には解明できていない現象も多く、今後の研究次第で過去の研究成果が覆ってしまうかも知れない危うさ。そして、宇宙誕生の謎など。

    わたしや子孫が生きている間に解明できるのかどうかあやしいものですが、ぜひ研究を続けていただき、新しい世界をみせて欲しいものです。

    ところで、
    ===引用ここから===
    エヴァレットの解釈は、人間が観測すると、そのあり得る結果の数だけ、別々の結果を見ている観測者が現れてしまうことを意味する。これは人間が観測するたびに世界が分裂するとも解釈できる。世界がたくさんあるという意味で、「多世界解釈」と呼ばれている。
    ===引用ここまで===
    物理学の本なのに、こんなオカルトめいた話まで出てくるなんて!(失礼)

    楽しく読ませてもらいました。

  • 物理を苦手と思っている人のための数式を使わない物理学の本ということですが、物理学を学びながらも全く畑違いの分野に進んだ元理系オヤジの原点回帰読書として速攻読み!正月で緩んだ頭が少しはシャキッとしたかな?でも、計算が有ろうが無かろうが、学生時代に引っかかったところは、今でもムムムです。それは「シュレジンガーの猫」にあたる波束の収縮の瞬間の解釈のあたりから…でも、ここら辺が、物理の面白いところです。コペンハーゲン解釈の現実主義が、昨今の量子コンピュータに繋がることも改めて。著者は、もしかしたらサイエンス・コミュニケーター役を買って出てるかも。人工知能に負けるな、物理学!と、言いつつ、結局、普遍を考えるということは、考えている人間を考えること、と宇宙論における人間原理にも思いを馳せ、シャキッどころかモヤモヤの正月明けでした…

  • スピ系の話を読むとよく「人間の思考が現実の世界をかえる。それは最近の量子力学では常識となっている」といった趣旨のことが書かれている。では最新の量子力学とはなんだ、ということでわかりやすい本を探していたら良書に巡り合えた。
    数式も難しい計算もいっさい出さずに、ニュートン力学から相対性理論、量子物理学などの考え方が出てきた背景やその意味をわかりやすく書いている。
    なんとなくわかっているつもりだった相対性理論についてもニュートン力学との対比などとても腹落ちする説明。
    スピ系の本の言う「思考」(この本では観察という言葉で表している)が物理的現象を固定することについても記載あり。その不思議さとまだまだわからないことの多さ、通常の世界観では理解できない現象があることが改めて認識できる。

  • 数学も物理も統計学も、兎に角数字には弱い文系なんだけれども、この手の理系の書物に引かれてしまう。世の中には自分の思い通りに出来る何か根本的な法則があるのではないか?もしその法則を知って、理解したら、もしかしたら成功してお金持ちになるのではないか?という邪な考えでついつい惹かれるのが、この本で解かれている相対性理論や量子力学。物理の本なのに数学音痴が目を回す数式が一切出ることなく、なんとなく解った気にさせてくれる。当たり前だけど著者の物理の知識、その理解度、そして文章力が半端ないものだからだろう。ついつい読み進めるスピードに加速がついてしまった。しかし、相対性理論から量子力学の深遠な世界へページが移る後半は、ニュートン力学の世界でいうところの慣性の法則で、解ったようで解ってないままスルスルと読み進めてしまった。そうブラックホールに引き込まれた。

  • 物理学を敬遠してきた人に物理学を紹介するコンセプト。敬遠する理由として難解な計算があるからだ、として、この本には計算式は一切出てこない。
    そのコンセプトはポリシーがあって良いが、やはり計算式や適切な図表抜きでは説明が難しい内容もあるのではないか。

    読了60分

  • 新書
    サイエンス

  • うーん、数式と図表を用いないことに固執して却って分かりにくいのかも。
    一番衝撃的だったのは、2015年以降の新課程の高校数学で行列を教えなくなったことと、ホイットニー・ヒューストンがマックス・ボルンの孫だったってこと。すみません、全く本題と関係ないっすね(笑)

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著者プロフィール

■松原 隆彦(マツバラ タカヒコ)
高エネルギー加速器研究機構、素粒子原子核研究所・教授。博士(理学)。京都大学理学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。
東京大学、ジョンズホプキンス大学、名古屋大学などを経て現職。主な研究分野は宇宙論。
2012年度日本天文学会第17回林忠四郎賞受賞。
著書は『現代宇宙論』(東京大学出版会)、『宇宙に外側はあるか』(光文社新書)、『宇宙の誕生と終焉』(SBクリエイティブ)など多数。

「2020年 『なぜか宇宙はちょうどいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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