ブラックホール・膨張宇宙・重力波 一般相対性理論の100年と展開 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038779

感想・レビュー・書評

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  • 旬な本を読んでみました。
    この本が書かれたのが2015年9月、ということで、重力波が捉えられたまさに同じ月に書かれています。
    数年後には重力波検出のニュースが流れるかも…と書かれていますが、その数か月後になるとは…という感じですね。

    相対性理論の歴史的な話から始まって、
    そこから導かれる結論の一つとしてブラックホール、宇宙膨張、重力波が取り上げられています。
    難解な部分はやはりありますが、読みやすいとは思います。
    重力波天文学がまさに始まろうとしている今の時期に、読んでおくべき一冊ですね。

  •  相対性理論から導き出された奇妙な現象、ブラックホール、膨張宇宙、重力波などがどうやって明らかになっていき、そして裏付けられて言ったかが順を追って解説されています。
     サブタイトルに「一般相対性理論の100年と展開」とあるように、一般相対性理論をめぐり取り巻くさまざまな理論や発見を一挙に概観できる本です。アインシュタインというたった一人の天才が提示した理論を巡り、様々な科学者が賛同したり反論したりしながら真実を追い求めた様子がわかります。
     この本の出版時には重力波の直接観測の成功が発表される半年前であるため、直接観測は残された課題になってい ますが、この本では、数年以内に観測されるだろうとも著されています。そのニュースを加えれば、「一般相対性理論を巡る100年」は一区切り付くことになりますね。
     文章は読みやすく、補助的な資料として概念図や模式図のようなものと、その図ごとに解説も書かれていて、言葉では捉えにくい部分も理解を深めやすいかなと思います。数式なども最低限出てきますが、簡単な解説もありますし、サラッと流してしまっても本筋を読む分にはそれほど影響ないかなと思います。
     とはいっても、ブラックホールの理論とか最新宇宙論はやっぱり難しい。なるほどわからんw

  • アインシュタインが相対性理論を発表して以降の宇宙物理学の発展を解説した本。
    *
    100年前にアインシュタインによって存在が予言されていた重力波が、今年観測されたので読んでみました。
    *
    「重力波を観測すると言うことはブラックホールを見ると言うこと」らしい。
    *
    地球でも観測できるぐらいの大きさの重力波はブラックホール程の巨大質量が衝突などで「揺らぐ」ときに発生する。
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    だから重力波=ブラックホールらしい。
    *
    (あってるかな?馬鹿だから不安)
    *
    今回読んだのは発見前の2015年出版なので最新の本も読みたいな。

  • 結構長い中に
    いろいろ詰め込みすぎた感じでちょっと読むのしんどい
    佐藤勝彦さんの宇宙論入門でいいかなって感じがするので評価2
    一番最後の重力波のところは新しい内容で
    著者も専門の分野のようで,そこに集中してくれた方が
    よかったかなと思った

  • 数式もしっかり出てきて面白い!
    だけど、だんだん難しくなってきた。。。

  • 物理への興味が再度高まった

  • 盛りだくさんでかなり記述に濃淡があったけど…ブラックホールや重力波は新書としてはかなり突っ込んだ話が多かったように思う。連星がなぜ宇宙の距離を測るのに基準となるのか詳しく書かれていてよかった。

  •  あまり話題となっていないが、今年は一般相対性理論が発表されてから100年。それを機にこの100年で何がわかったか、あるいは何が分かっていないか(分からなくなったか)をブラックホール、膨張宇宙、重力波の3つの視点で振り返っている。本書の大半はブラックホールについて書かれている。これは著者の趣味とか、一般の興味というわけではなく、まずブラックホールから始まったからである。アインシュタイン方程式の解に存在する特異点。この特異点が数学的なものではなく実在しているものであることが分かるまで、そして分かってから何が起きたかを眺めていくと、これだけの分量になってしまうということである。そして膨張宇宙と重力波は、ブラックホールや宇宙そのものの研究の過程で生まれた仮説であり、同時におおよそ正しいと分かっている事実でもある。膨張宇宙はダークマター、ダークエネルギーという観測が非常に困難な要素があり、ほぼ正しいと分かっているのに証明ができない一方で、重力波は検出が可能かもしれないというところまで来ているという。もし重力波が検出されれば、ブラックホールや膨張宇宙だけでなく、宇宙論全体にとっても大きな前進となる。本書は大発見を前に、そこに至る歴史を振り返る良い機会だった。

  • 入門書よりは少しレベルが高い。一通りの基礎知識を持って読むと興味が一層増すと思う。重力について最先端の知識が得られる現時点で最高の本。重力波についてがエキサイティングだった。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。大阪工業大学情報科学部教授。理化学研究所客員研究員。博士(理学)。専門は一般相対性理論・宇宙物理学(ブラックホール、重力波、高次元宇宙など)・天文文化学(文化史と科学史の融合)。


「2023年 『宇宙検閲官仮説 「裸の特異点」は隠されるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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