『風立ちぬ』を語る 宮崎駿とスタジオジブリ、その軌跡と未来 (光文社新書)
- 光文社 (2013年11月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334037703
感想・レビュー・書評
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オタキングによる映画『風立ちぬ』評,宮崎駿論,吾朗駿論,ジブリ論。ぱっと見スカスカで,ニコ動で既出だったりするけどさすがオタク王だなーと感心する分析が多かった。『カリオストロの城』のオープニングについてあんなに語れるとは…。低予算でいかに魅せるか,画の枚数の節約は天才的だったという。
『風立ちぬ』の二郎についての,「綺麗なものしか見ない人間」という解釈には納得。飛行機のことも,菜穂子のことも。戦争のことや死の床のことは,描かれていない。これは一緒に観た妻も同じこと言ってたっけ。男ってしょうもないよな…。 -
以前ニコニコで話していた内容とほぼ同じなので新書として出す必要あるんかいなという評価がされるものの、この人が語る宮崎駿と風立ちぬという作品やら他のアニメ作品のレビューは洗練されているなと思った。自分自身風立ちぬは映画では見ていないがよかったらレンタルビデオ出たときにみようかなと思うようにはなったね。
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『風立ちぬ』評では、一番面白かった。無意識に捉えていた部分まで、すべて言語化してもらった感じ。映画を語るにはこの域までいかなければならないのだなぁ。
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卒業論文の資料として購入。
著者がガイナックスの元代表ということで、普段知ることの出来ないアニメ制作関係者視点からの宮崎駿の技術面評価がとても新鮮で面白かった。
私も映画「風立ちぬ」は傑作だと思っているので、著者とはいい酒が飲めそう。この映画はただ技術者と薄幸の女性との悲恋を描いたものではない。悪魔に魅せられた青年が自分の欲望を追い求める残酷な話だと思う。残酷だから美しい。から涙する。
そんなようなことを考えていた私にはすごく興味深い本だった。中には納得できない考え方もあったけれども、自分の胸にストンと落ちることも多く、読んでよかったと思う。 -
評論家にして、アニメ会社ガイナックスを設立した岡田さんによる、ジブリ、そして宮崎駿の分析本。「風立ちぬ」で感動したものの、心のどこかに??がちくっとでも残っている場合には、読んで損はない。単純に読み物としておもろーな一冊。
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そうそう、「風立ちぬ」は主人公が人でなしだから良かったんだよねえ。2013年は「そして父になる」と「風立ちぬ」が印象的でしたが、どちらも人でなしが主人公でした。
本書ではワンマンなモンスターとしての宮崎駿さんも描かれています。鈴木プロデューサーはアサヒ芸能出身だったのね。。。愛憎渦巻くジブリチームに興味が湧く作品。まさに「夢と狂気の王国」。 -
観終わって感動したのだけれど、一方で感じていた違和感が、この本を読んだおかげでいくらか解消した。「シベリア」、なかなか売っていないのが残念。
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色々腑に落ちました。
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宮崎駿のひととなりから、『風立ちぬ』に込められたメッセージを解釈している本です。『風立ちぬ』についてのみ書かれているのではなく、『ルパン三世―カリオストロの城』に見られるアニメーションの技術をわかりやすく解説し、さらにスタジオジブリや宮崎吾朗についても、著者の見方が語られています。
分析の方法としては作家論なのですが、宮崎駿という強烈な個性をもつ監督によってつくられた作品なので、すくなくとも一度はこうした観点から作品が読み解かれる必要はあるはずです。そうした意味で本書は、『風立ちぬ』やそのほかの宮崎駿作品を論じるための一つの叩き台となりうる内容ではないでしょうか。