- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334037536
感想・レビュー・書評
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今年1月に『NHKスペシャル』で放映されるや大反響を巻き起こした、深海の超巨大イカ、ダイオウイカ。その撮影に賭けたNHKのスタッフたちの、10年にわたる戦いを綴ったドキュメントがこの本。
船、カメラ、おびき寄せる装置……。ありとあらゆる工夫や困難を乗り越えて、ついに2012年7月10日、世界で初めて、23分間のダイオウイカ撮影に成功。その瞬間、自分も潜水艇の中にいるような興奮と感動を味わえた。
イカを撮影するために知恵や経験を結集して開発したカメラに「イカメラ」と名づけたところで、ちょっとニヤッとしてしまった(笑)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
臨場感が最高のドキュメント。TVで見て、これはじき、書籍化されると予想、少し遅めだったかもしれないが、発刊後即入手、即読んだ。実に面白い。数年にわたり、何度ももぐりながら、1点集中で目標を達成していく様子が、ありありと伝わり、感動。かつての某番組風に、一見淡々と進むかのごとくの描写(ちょっとわざとらしいかも)。しかしながら、登場人物の熱さを前面に出す点など、つい突っ込みを入れてしまいそうになりつつ、引き込まれてしまった。
潜水艇の手配等、裏方シゴトにも多くの説明があるのが良かった。一般向けの書物にしたのだろうが、ぜひ、専門書も刊行してもらいたい(論文誌をみればいいのかもしれんが)。本書後半のイカ図に、とにかく感動、驚き、電車内で読んでたのに、おぉ~とかもらしてしまった。 -
おもしろかった~。
泳いでいる動画が撮影されるまでは、まさに伝説の怪物だったダイオウイカ。
深海での撮影に成功したのは、プロジェクト最後の年、2012年。挑戦を始めてから10年!困難を極めたその過程を、ドキドキハラハラと読み進みました。
世界で初めての偉業を成し得た理由は、情熱や努力ももちろんだけれど、世界中の英知の結集と、そして「奇跡」。
それにしても半端ない大きさのダイオウイカを想像しながら、ギラギラとした表紙の写真の彼の眼をみると…迫力です(笑) -
そういえばテレビでやっていたな、と。ややミーハーな気分で購入。
実はタイトルをみて「夢を追う」こととか、「努力」について書いてあると想像して、購入を躊躇ったりもした。「夢を追って成功しました」なんて話なら、わざわざ(一般論でいえば美しくもない)「イカ」を題材にして読みたいとは思わない。純粋な学者話ならまだしも、テレビを前提としているなら、大したことのない「ネタ話」になってしまうのがオチだ。
そんな躊躇を感じながら読んだけれど、かなり面白い。ところどころで「テレビマンはこんなに苦労しました」なんてニュアンスの話が出てくるけれど、そんな話は捨て置いていい。不親切ながら描かれるイカの生態に思いを寄せるだけでともかく面白い。
ときに「イカの飼育はとても難しい」なんて書いてある。さらに「養殖には成功していない」なんてことも書いてある。いったい養殖に成功すればどういうイカが食卓にのぼるのか。あるいは天然イカと養殖イカの違いは何だろうとか、はてさて、養殖ウナギは脂が付き過ぎるのが常だが、養殖イカにも脂がつくのだろうかとか、そういう話だけで数時間ないし数日は楽しい。
そんな、すごくつまらないことを面白がる変な人でも、かなり楽しめる本に仕上がっていると思う。 -
ダイオウイカについて詳しく知ることができるドキュメンタリーかなと思って読み始めたけれど
夢を諦めない気持ちを描いた小説のようだった。
「はやぶさ」の描かれ方とすごく似てるなあ
NHKさんだからむずかしいのかもしれないけど、はやぶさの時みたいに映画化されても不思議じゃない感じ。
10年、いろんな人から反対されながら続けるというのは、尋常ではない情熱。
その熱い想いとダイオウイカの対面に、ぞくっとしました。 -
10年ががかりでついに実現したダイオウイカの水中撮影の舞台裏。
わずか23分間。しかし、その23分間を実現するために投入された様々な資本、労働、時間・・・。
気まぐれな大自然、しかも人類の手では遥かに届かないような深海の世界を相手にする大変さが身に染みてわかったように思います。深海にはまだまだ想像を絶するような生物が生息しているのかもしれません。
320度透明なアクリル球で囲まれた潜水艦って素敵ですね。
一度でいいから乗ってみたい!
イカの飼育が難しいという話が途中で出てくるのですが、
言われてみれば確かに水族館とかでもあまりイカを目にする機会は無いなー。 -
テレビを見ない僕にも伝わってきた、生きたダイオウイカの映像撮影。しかしこの裏にはなんともいえない苦労がつまっていた、という話。
ダイオウイカの企画だと通らないけれど、マッコウクジラの企画なら通る、なんてのは、笑っていいやら悲しんでいいやら。
テレビ嫌いだし、近頃すっかりドキュメンタリー番組など見る機会がなくなったけど、がんばって突き抜けていく人たちもいるのだなあ、と改めて思う。でもこれは、テレビの作り方、というよりも、やっぱり謎の生物を追う、という科学的、冒険的楽しさのほうが大きいなあ。 -
長かった、読み終わるのに4年も費やしてしまった。でも面白かった。