- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334031602
感想・レビュー・書評
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フィギュアで有名な海洋堂の専務を務める著者が、これまでの歩みを振り返った本です。著者の父で館長の宮脇修や造型師たちの声も収められています。
貸本屋をしていた宮脇修が模型屋をはじめ、ガレージ・キットで歯科用の樹脂を使った模型をいち早くあつかい、食玩「チョコエッグ」で大躍進を遂げるまでの歴史が、当事者の視点から生き生きと語られています。文章もかなり「濃い」のですが、好きなものにこだわり続ける「造型集団」の雰囲気がよく伝わってきます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2002年9月20日、初、並、帯無
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理想は職人の技術と商人の目利きを備えた「職商人(しょくあきんど)」。けれどそんな人は滅多にいない。ならば職人は、画家と画商よろしく、職人の心を知悉した人と手を組めばいい。海洋堂には、その関係があると思いました。職人のジャンルによっての得手不得手を専務が把握し、仕事を割り振る。苦手な分野は領域を分けて共作させる。見事な采配だと思います。
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結構傲慢な感じがする語り口なんですが、読了後ついつい食玩売り場へ行ってしまいました。フィギュア好きだ・・・
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村上隆の著書にも登場する、海洋堂。
そのサクセスストーリーのキーマンでもある造形師のボーメさん。
その怪しい名前の由来はボウシにメガネ。
つけたのは著者の専務(現時点では社長)。
中学生だというのに模型店海洋堂の実質店長(こども店長!)をやってたときの常連客のひとりの小学生だった。
社長=(昔も今も、館長。前社長。)は模型が好きだったわけではないという。
息子のために、まっとうな商売をと、当時子どもに人気の模型屋を選んだ。
海が好きだから海洋堂。
普通の模型店と違ったのは、完成品を常連客に作らせ展示したり、イベントを毎週開いたり。
さらには、スロットレーシング場を開いたり・・・流行の並にもまれていく。
ガレージキットの製作やキャラクター商品を経て、
チョコエッグの中に入った模型が大ヒット。
キャラクターものでない新たなビジネスモデルを作り、今の路線に。
そのコアコンピタンスは、館長=社長の破天荒な行動力と、
純粋に模型が大好きな息子の専務やボーメさんらの人材。
美術や技術教育を受けたわけでなく、
昼夜を問わず、半住み込みで、常務(=専務のお母さん)に食事の世話だけ受け、
毎日が学園祭のノリで模型作りに没頭しただけでもある。
しかし、お互いに作品を批評し(けなし)合い、技術を切磋琢磨してきた結果でもある。
主たる造形師はもう40代。つまり30年以上のプロ。
あと10年もしたら、人間国宝になるかもしれない。
モデルの原型製作の後の工程は
金型を香港の商社経由で中国で作っているとしか書いていない。
一個一個の完成品をどういった方法でこのクオリティに到達し、
どういった管理で維持できるのか?
そこがもっとも興味あるところだ。 -
ご存知「海洋堂」宮脇修一専務の本。
WAVE出版『「好きなこと」だけで生きぬく力』より、文体はやや拙い。
築き上げた実績や努力も書かれているが、裏切られた企業名も実名で登場。
その熱さが、宮脇専務の生の言葉だと伺える。
食玩など、それぞれのエピソードが読めるのもよい。
父 宮脇修館長や、ボーメなど造形師諸氏のコメントも収録。
海洋堂に興味のある方には、お勧めの一冊。
参考までに、鈴木みそのルポ漫画「オールナイトライブ 6巻」(エンターブレイン) でも、3編に渡って海洋堂について描かれているので、読んでみるのも面白いと思う。 -
ものづくりの原点
高度成長期からバブル時代までは
ある程度日本は豊かで文化に目を向ける余裕があり
お金を使う余裕があった
しかし、バブルが崩壊し、10数年にわたる不況が続く中
企業メセナといっていた会社が
スポーツやイベントのスポンサーを降りるどころか
企業の顔でもあったスポーツのクラブの廃部なども
年々増し、世知辛い世の中になってきている
そんななか利益を度外視して
自分たちのこだわりで物を作るため
自分の身を削り時間を割き
辛く苦しい時期も一緒に乗り越えてきている人達に
この海洋堂の造形集団がある
ものづくりへのこだわりの原点がここにある
私も原点に立ち戻って見直さないといけないと
身にしみて感じさせれられた -
たまごっちで一躍有名になった海洋堂の専務の著。創業者(専務の父)のことをもっと知りたかった。
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ひさしぶりに海洋堂ホビーロビーに行ってみたくなった。
確か家にも海洋堂の「日本の野鳥」があったな、飾ってみるか -
特に印象に残った部分。
オタクの血の部分での違い
(マニアとオタクの違い)
マニアはマニアなんですが、その「ぬるい」というところの、ぼくらとの血の違い
「ぬるい」のは嫌い。
映画鑑賞とかくいじょうは最低でも月に5本は見なければいけない。
月に1本では「ぬるい」のです。
いったん好きと決めた限りは、使命感をもってでも見に行くのが当たり前
いい言葉だな。
てか、「館長」は高知出身なのね。
会ってみたい。