アニメと鉄道ビジネス (交通新聞社新書147)

著者 :
  • 交通新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784330083209

作品紹介・あらすじ

アニメーションと鉄道は、いずれも日本が世界に誇れる技術であり、地域を巻き込んでの成功事例に事欠かない昨今。
いまや話題作りの定番になってきた感もある。この二つのビックコンテンツの出会いから、鉄道を題材にしたアニメ作品『シンカリオン』の大ヒットまで、アニメと鉄道コラボレーションの発展史を、実例をあげながら振り返る。

感想・レビュー・書評

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  • 鉄道とアニメとの親和性の高さを、具体的事例を挙げて説明している。

  • アニメへこじつけが高く鉄道ビジネスの理解が低い

  • アニメと鉄道の関係を時系列を追うように追いかけた一冊。
    ただ、なんでもかんでもを通史的に追うというよりかは、象徴的な事象をピックアップし、その背景や相関関係をやんわり描く形でアニメと鉄道の相関関係を描いている一冊。

    アニメに鉄道が出てくること自体はかなり昔からで。それが「アニメにリアリティを出したいから」という側面があったことは興味深く。そこに(メカ好きとしての)鉄道好きアニメーターが深みを出していた。

    21世紀以降は、そこにアニメ側の「リアリティを出すための地方アニメブーム」と、鉄道会社側の「地域とともに歩もうとする方針」が重なり。
    そこにアニメに親しんだ鉄道会社社員の理解もあって鉄道会社とアニメ(やキャラクタービジネス)のコラボレーションが、失敗がありつつも積み重ねられていった、そんな歴史が、文庫本一冊にきれいにまとめられている。

    広告規制で易々とはキャラを電車に張り付けられない、などいろんな監督省庁とかかわりのある鉄道ならではの問題もふれつつ、海千山千でいろんな業種と関わってきた鉄道・アニメ会社のノウハウも垣間見られ。興味深い視点を提供してくれる一冊だった。


    オタク業界内では、割と離れているジャンルとされてきたアニメオタクと鉄道オタクが、「地域やビジネス」というこれまたオタクとは一線を画す印象のあるものでつながっていくことは興味深く。
    じり貧の印象が強い日本のビジネス業界で新しいなにかを生み出す方法の1つが「今まで見落としていた境界領域」なんだ、と感じられた一冊だった。


    なお写真は多くないので…視覚情報を重視するタイプのアニメオタクにはあまり楽しめない一冊かもしれない。
    逆に文字しかない時刻表とかから、載っていない(もしかしたら乗っていもいない)昔の列車を思い浮かべる、妄想たくましいタイプの鉄道ファンには一読をお勧めしたい一冊。

  • JR西日本の「500 TYPE EVA」はそのデザインの秀逸さにもあり今でも大好きな列車ですが、その制作話に当時の記憶が鮮やかに蘇りました。また観光との高い親和性はとても勉強になりました。

  • ウォルト・ディズニーは鉄道好きだった!緻密に書かれた鉄道風景は、しっかりとしたロケハンの成果!シンカリオンはJRが本気で作った!
    鉄道が出てくるアニメの紹介だけでなく、アニメと鉄道とのコラボの舞台裏や、鉄道に魅せられたアニメータの紹介など、アニメと鉄道の深い縁が書かれています。
    鉄道がしっかりと書かれたアニメがこんなに多いとは、そして縁がこんなに深いとは思いませんでした。

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著者プロフィール

1971年生まれ。旅と鉄道、韓国をおもなテーマとするジャーナリスト。出版社勤務を経て2001年からフリー。多くの雑誌や書籍、WEBに寄稿している。著書に『アニメと鉄道ビジネス』(交通新聞社)、『東海道新幹線沿線の不思議と謎』(実業之日本社)、『地図で読み解くJR中央線沿線』(三才ブックス)など。

「2022年 『地図で読み解くJR京浜東北・根岸線沿線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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