カタロニア讃歌

  • 現代思潮新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784329020529

感想・レビュー・書評

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  • 著者が第二次大戦前のスペイン内戦に参加した体験をもとにした本となっている。序盤はスペインのおおらかな?国民性による笑える話もちらほら(スペインがそんなにユーモア溢れる国とは知らなかった。ユーモアといえばイタリアのイメージが強すぎるからだと考えられる)。中盤からは内戦時における悲惨なストーリーが中心となる。著者はイギリス人であるにもかかわらず、ファシズムを止めるためという大義のもとスペイン内戦に参戦し、実際に前線に出てライフルで撃たれもする。当時の時代背景は現代からは想像が難しい。しかし一時期ながらも、当時のスペインが、誰もが平等に生活できることを理想とする社会を目指しつつあった、というのは事実としてあるようだ(もちろん全てではなく、そのような装いを纏っていただけの部分も多々あるのだが)。しかしそれも一時的な幻想にすぎなかった。著者が前線から戻ってきた際、かつての革命の空気が消え失せてしまっていたことに気づく描写はかなりリアルであった。

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著者プロフィール

1903-50 インド・ベンガル生まれ。インド高等文官である父は、アヘンの栽培と販売に従事していた。1歳のときにイギリスに帰国。18歳で今度はビルマに渡る。37年、スペイン内戦に義勇兵として参加。その体験を基に『カタロニア讃歌』を記す。45年『動物農場』を発表。その後、全体主義的ディストピアの世界を描いた『1984年』の執筆に取り掛かる。50年、ロンドンにて死去。

「2018年 『アニマル・ファーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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