ダーウィンが愛した犬たち: 進化論を支えた陰の主役

  • 勁草書房
3.50
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本棚登録 : 41
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326750573

作品紹介・あらすじ

進化理論の祖ダーウィンは、犬を生涯の友としていた。一晩で世界を変えた『種の起源』の発想の泉も、愛すべき犬たちだった!

進化理論の根幹を支えたのは、ガラパゴスのフィンチでもゾウガメでもなく、愛する犬たちだった! ダーウィンにとって、犬こそがいちばん身近で、付き合いの長い相棒なのだ。愛犬ボブやポリーの視点から語る、犬大好き人生と発想の秘密。そして『種の起源』には、動物好きのイギリス社会を意識した巧妙なレトリックが仕込まれていた!

感想・レビュー・書評

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  • めっちゃよかった
    ダーウィンの犬への眼差しから人となりを知ることができた
    登場する犬々の可愛さが素晴らしい
    パラパラ漫画の犬がついてるのもタイトルに肉球があるのもよく犬への愛を感じた
    訳者後書も非常に良かった
    また忘れた頃に読み返したい優しい本

  • ふむ

  • ダーウィンといえば進化論だが、「進化論」という著書を書いたわけではない。核心をつく著作は「種の起源」という書名であり、進化という言葉は使っていない。
    そのほかにも進化論について巷間言われている思い込みは多く、ビーグル号での冒険とガラパゴスゾウガメとフィンチ類の研究のみが論拠になっているかのようなドラマチックな説明がされがちだが、もちろんそんなことはなくて作物の品種改良や犬種の純潔保持のような当時の地道で実際的な飼育・栽培ノウハウの広いバックグランドも重要な知識だった。そしてもちろんヴィクトリア朝のジェントリーにとって、犬はまさに家族の一員、身近な存在だったのだ。
    このような背景をダーウィンの個人的な犬ヒストリーを通して語ることによって、本書はとても読みやすくなっており、かつ、進化論を理解しやすく紹介することに成功している。時代的に、誰かが必ずこの説に行き当たり、発表することになっただろうが、その中でもダーウィンが成功したのには理由がある。センセーショナルな発表にならないよう、反論されそうなところは考え抜き、証拠を集め、上手に回避し、さらに一般の人にも理解されやすい導入(品種改良の話)から書き起こすような深謀遠慮があったためだと改めて納得できる。
    進化論に興味がある人、ダーウィンに興味がある人全般におすすめできる内容だが、進化論をちょっと勘違いしている(獲得形質が遺伝するとか)とか懐疑的な人にも、意外と面白く読めるのではないかと思う。要するに全般的にオススメの良書である。
    ところで、閑話ではあったが、ダーウィンの説を支持しない友人との間の麗しい友情のエピソードは本当に心温まった。信じるところが違う人とも友達にはなれるのだ。
    あとがきによると本書の筆者エマ・タウンゼントは伝説的ギタリストであるピート・タウンゼントの娘だそうです。奥が深いなあイギリス。

  • 作品名:『ダーウィンが愛した犬たち』
    著者:エマ・タウンゼンド
    翻訳:渡辺政隆著

    ダーウィンの「種の起源」の「進化理論」の根源はガラパゴスのフィンチでもゾウガメでも無く身近にいた愛犬からだった。私はまだ読んでいないけど、「人間の由来」も犬を例にわかりやすく説明されているとか。
    犬の品種改良は「自然選択」のスピードアップとなり、自然選択、進化論のわかりやすい見本となる。自然選択ではないか。人間が手を加えてる。どんな事でも人間が関わると大体ろくな事にならない気がするけど。
    この本での収穫は…
    犬の先祖はオオカミとされているが、オオカミでは無く『犬は「オオカミに似た祖先」から作られたという言い方のほうが正確なのだ。オオカミが犬にいちばん近い生きている親戚であることはまちがいないのだが、それ以上ではないということだ。犬が家畜化され、人間といっしょに暮らすようになったことで、オオカミに似たその祖先は死に絶えたのだろう。』
    オオカミは犬の直接の先祖では無いのである。とはこの本で初めて知った事でした!
    犬の直接の先祖「オオカミに似た先祖」の事をもっと詳しく知りたい。

  • ダーウィンと同じくウォーレスもマルサス『人口論』を読んで“自然選択”のアイデアに到達した。ダーウィンは二十年来温めていたアイデアを“盗んだ”と言われることを恐れ…両社の論文は同時に発表された/『種の起源』はまず品種改良の話題から始まる。家畜一般に共通だが、当時“血統書”が作られ“良い性質”を強化するよう育成家に配慮された犬は、〈自然選択〉のスピードアップとして好個の類推だった/当時は〈世界はBC4000に始まった〉との“純信”が常識、案の定、人間は神が直接デザインしたものではないと示唆する進化論は攻撃され

  • 種の起源を書いたダーウィンは子どものころから犬が好きで、家族で何匹もの犬を飼い続けていた。種の起源も、一般の読者にも分かりやすいように飼い犬を例にとって書いていたりする。進化論を支えてきた愛犬たちを軸に、ダーウィンと進化論を語っています。
    ページの左角に犬のシルエットのパラパラ漫画がさりげなくついています。

  • 1月6日新着図書
    【ダーウィンにとって最も仲良しな動物は犬だった。一晩で世界を変えた「種の起源」の発想もいろいろな面で刺激をうけていたそう。愛犬の視点から語るダーウィンの生涯の物語です。】
    タイトル : ダーウィンが愛した犬たち : 進化論を支えた陰の主役
    請求記号 460.28 : To
    https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28177717

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著者プロフィール

エマ・タウンゼンド(Emma Townshend) 
1969年イギリス生まれ。サイエンスライター。インペリアルカレッジとケンブリッジ大学の大学院で科学史を学ぶ。父はロックバンド「ザ・フー」のピート・タウンゼンド。Darwin's Dogs: How Darwin's pets helped form a world-changing theory of evolution(邦訳『ダーウィンが愛した犬たち ――進化論を支えた陰の主役』勁草書房、2020年)が初の著作。シンガーソングライターとして活動していた時期のアルバムにWinterland(1998)がある。

「2020年 『ダーウィンが愛した犬たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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