フューチャー・デザイン: 七世代先を見据えた社会

制作 : 西條 辰義 
  • 勁草書房
4.67
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 67
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326550739

作品紹介・あらすじ

日本を含む多くの国の政治や法律の制度は、現世代の利益を優先し、将来の世代への考慮は希薄である。しかし、そのような政策の推進だけでは、環境の悪化や資源の枯渇は避けられない。本書はこのような問題に対し、将来のことのみを考える擬似的な将来世代を作り、その集団との交渉により未来をデザインするというアイデアを提示する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 電子ブックへのリンク:https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000018514(学外からのアクセス方法:1.画面に表示される[学認アカウントをお持ちの方はこちら]をクリック→2.[所属機関の選択]で 神戸大学 を選んで、[選択]をクリック→3.情報基盤センターのID/PWでログイン)【推薦コメント:大阪府吹田市のまちづくりのワークショップとして行われているフューチャーデザインの理論についてまとめられている。SDGsやESDとも関連しているため。】

  • 今つくる政策は、今完結するわけではなく、むしろ将来の世代こそが大きな影響を受ける。
    だから、政策の意思決定において、将来世代の声を
    反映することは、当然必要なのだ。

    私はこのシンプルな考えに至ってから、
    「きっと私より先にこの考えに行き着き、
     すでに取り組み始めている人がいるはずだ」
    と思い、色々な資料、HP、SNSを探った。

    そしてやはりあった。
    それがフューチャー・デザインであり、
    それについて論じられた本書だ。

    「未来省」の提言から始まり、
    前半でフューチャー・デザインの本質は
    語られていると思う。
    中盤以降は、各分野におけるフューチャー・デザイン的な考え方、なので、
    はっきり言って蛇足だ。フューチャー・デザインの
    応用までには至っていない。

    行政の役割については中ほどの
    「都市づくり・まちづくり」の中で、
    「行政はコーディネーターとしての役割が重要になってくる」
    とある。まあ、そうだろう。
    もう少しその具体策や、
    持続可能性の実現までの手順を、体系的に
    示してほしかった。

    本書を元に、今後、フューチャー・デザインが
    各種政策の意思決定で使われていくだろう。

  • 各論での提案などは大まかなものに留まっているものの、将来世代を現在の政策立案の議論に取り込み、持続可能な社会を作るという方向性には大きく賛同できた。1-4章の総論と、各論の7-8章(それぞれ都市政策と林業政策)が面白かった。 特に林業は本書の冒頭で「ウッジョブ!」が引用されているように、将来世代に資源(や暮らし)をつなぐために現在何をすべきかを意識するのに最適。

    将来世代の意見を加えることで、地域の既存の住民・企業と新規参入住民・企業の利害対立を乗り越え、まちの将来像を描くことができるのはないかと強く感じた。

全3件中 1 - 3件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×