ドラゴンキ-パ- (月下の翡翠龍)

  • 金の星社
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本棚登録 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323071695

作品紹介・あらすじ

少女は、しがみつくようにして、崖をのぼりつづけた。油断すれば、滝はたちまち少女を払い落とし、はるか下の岩にたたきつけるだろう。からだ全体が悲鳴をあげていた。岩のくぼみから、指先がはずれかけたが、もう気にしなかった。少女はそのまま目を閉じて、ゆっくりと指先から力を抜いた-老龍ダンザから贈られた地図は、いったい何を意味していたのか。少女が探し求めた龍の楽園は、果たして実在するのだろうか。

感想・レビュー・書評

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  • 「長安にいくのもいい。皇帝は役職をみつけてくれるはずだよ。華やかな宮廷生活が送れるね」
     ピンは頭をふった。
    「そういう生活はわたし向きじゃないわ」
     同様に、北白城にもどることも考えられない。
    「家族のところは? いっしょに暮らせるよ」
    「いいえ。行き来はしたいと思うけど、あそこにわたしの居場所はないわ」
    「桑の実は好きかい?」ふいにジュンがたずねた。
     ピンはほほえみ、うなずいた。自分のもとにもどってきてくれた友は、かれだけだ。

  • 落ち着くところに落ち着いてよかった。

  • 漢時代の中国を舞台にした壮大なファンタジー。一巻ではそれほど入り込めなかったのが、二巻三巻と読み進むにつれ、じわじわと夢中になっていった。
    一巻では護られる立場だった主人公のピンが、それ以降の巻では護る立場に入れ替わる。私はたぶん、自らの知恵と力を振り絞って、限界を超えてゆくような、業の深い強い女の人の物語に弱い質なんだろう。
    翻訳の力量をこれほど凄いと意識したことも初めてだった。
    面白かった。

  • ドラゴンキーパー第3巻、最終巻。
    ドラゴンを人と関わらせないと決めて、ドラゴンの楽園を目指すものの、そこにたどり着いた後はピンはどうするのかな~と思っていたら、納得のラスト。
    ピンは孤独な感じですが、なんだかんだいろんな人に助けられているなぁ。
    最後の最後にドラゴンキーパーが持つ未来が見える力が使えるようになったピン、ただその力の結果とラストは思わず涙ぐんでしまいました。
    読むのは1回で十分ですが、トータル3巻で面白かったです。

  • カイはかわいかったし、成長したけど、物語としてはシリーズ1が一番よかったかな。もうひとつ話がパラパラした感じで心に来るものがなかったかな。「最後の宮廷龍」はタンザの言葉がいいキーになってて好きだった。

  • 老龍ダンザに託され、ネズミのファが1年半前に届けてくれた布に書かれていた謎の漢字。秘密の龍の家の場所を教えようとしているのでは。子龍カイとともに、その地へと向かうピン。龍の楽園での戦いでカイに変化が・・
    龍守りとして龍の玉からかえったカイのために、苦難な道をすすむピン。龍の人間への冷たい態度、悲しい過去、龍よりもピンはどうなるんだろうって、読んでて気になりました。
    カイがかわいいね。三部作の最終巻

  • 名もなき奴隷娘の流転する運命は上げ下げが激しく、昨日の味方は今日の敵になり、昨日の敵は今日の味方になり、良かれと思ってしたことが不幸を呼び寄せ、失敗が成功を導く。
    主人公に容赦なく降りかかる数々の苦難は(読んでると結構きついけど)、そもそも彼女の主人が怠け者のドラゴンキーパーだったから。くすっと笑えるところ、ほっとするところ、ほのぼのするところもなくはないけど、ほぼ全編シリアス。

    しかし龍がことあるごとに老子の教えをつぶやいたり、死霊使いにネクロマンサーのルビがあったりするのは「ああ、西洋人が考えた中華ファンタジーだな」と醒めてしまうのだよな。またキスの場面は(物語の時代として想定されている前漢で房中術としての接吻は存在していたようだけど)ない方が良かったと思う。個人的好みだけど。
    また、この話には例えば上橋菜穂子「獣の奏者」のような異種間の「不用意に背を向ければ命を取られる」という真剣勝負のせめぎあいはない。そこが残念。

    しかし引用した雨を喜んだ村人が龍の姿で練り歩くシーンは、中国の龍が(日本と同じく)雨龍で、あの中華街やお祝いの場所に現れる中国の派手派手しい龍と銅鑼が、雨を喜ぶ姿(または雨を乞う姿)なのだと感じられてよかった。

  • 終わりました。

    面白かったです。
    終わるべくして終わった感じですね。
    こうして人と竜は離れていったのだと。

    ハッピーエンドとかそういうあれではないですが、昔話風にめでたしめでたしと安易に書けるものでもないですね。
    まだ続きがあるから。
    そこで終わりません。

    なんかすごく矛盾したこと書いている気もしますが、まあそんなところです。

  • んんんん~。
    結局消化不良の部分が・・・。
    でも、全3巻の中では一番楽しめた。
    けどな~・・・。

    モヤモヤ。
    エピソードごとのつながりがイマイチなのか。

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著者プロフィール

1950年生まれ。オーストラリア在住の歴史小説・歴史ノンフィクション作家。“Black Snake:The Daring of Ned Kelly”で、オーストラリア児童図書賞ノンフィクション部門オナー賞を受賞。日本での翻訳出版に「ドラゴンキーパー」シリーズ(金の星社)がある。

「2014年 『ラモーゼ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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