光を失って心が見えた 全盲先生のメッセージ (ノンフィクション知られざる世界)
- 金の星社 (2015年11月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323060903
作品紹介・あらすじ
テレビ・ラジオ・新聞などで話題!
全盲になりながら中学校教師に奇跡の復活! 新井淑則先生が自ら執筆した感動ノンフィクション。失明から教師に復職するまでの苦難、家族の励まし、視覚障がいの高校教師との出会い、生徒や若い人たちへの熱いメッセージ。
感想・レビュー・書評
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Eテレ特集で放送された、病気で全盲になり、特別支援学校に異動し、その後「普通科中学校」の担任に復職した先生とその周りの生徒、仲間、家族のノンフィクション。
放送内容と本書の内容がごっちゃになってるかもしれませんが…
印象的だったのは、一つは、
全盲先生の手助けをすることが、生徒たちの「喜び」になっていった、ということ。移動教室の際、「先生、○○へ移動するので肩に捕まってください」と声をかけたり、「先生から助けてくれ、って頼まれて嬉しい」という声があったり。目の見えない先生との関わりが日常的にあるということは、これからの未来を築いていくこの子たちにとって何よりの財産となったのではないだろうか…。
また、先生も、作文を同僚に読んでもらうなど、助けを求めてこころよく応じてもらっていた。
「ひとりではできないことがある。目が見えていたころは、全部ひとりでやらなくてはいけないと少し傲慢だったかもしれない。できないことが増えてきて、人の優しさを感じやすくなった。」というお話もあった。
もう一つは、
発達障害を持つ新入生の話。新入生は、入学前に「いじめられるんじゃないか」と不安だったので、学校に相談に行った。すると先生は、
「俺がいるクラスで いじめが起きたら、俺のいる存在価値なんてない。だから、俺がお前のことを全力で守る。安心して来ていいんだ。」
…そういわれた新入生は、先生の担任クラスに入り、みんなに受け入れられ、笑って卒業することができたそうです。
もー!!この、情熱、たまりません!
こんな全力で生きてる先生が側にいたら子どもも影響を受けまくりでしょうね。「教育」の原点にふれた気がします。理論も大事ですが、「情熱」のないところでは虚しいし人にも伝わらない。多少偏っていても「これが好きなんだ、やりたいんだ」という人に対しては、なんとなく応援したくなるものですよね。そうやって、「情熱」は周り回っていくものなのかな…
全盲で全力で走っていった先生の話を読んで そう思った。
workmaの結論『情熱は伝染する』詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バイブルみたいな本。
先生の考え方が前向きで素晴らしかった。
奈落の底で絶望を味わっても這い上がり、ゆっくり歩み続ける新井先生に心揺さぶられた。
いつか子供たちに必ず読ませようと思う -
筆者の強さを感じました。突然目が見えなくなったら、私だった絶望で自殺すら考えるかもしれない。筆者もひきこもりと表現されていましたが、そこから見事這い上がったのはすごいと思いました。「ひとつでもやれることが増えていく喜び」を感じて、だんだんと前向きになったのは素晴らしいです。できていたものができなくなったと嘆くのではなく、できなかったものができていく喜びを見いだしていくことに思考をチェンジすることが大切だと思いました。
でも実際になってみたら本当にそう切り替えられるのか、まったく自信がないです。でもそんな人がいたと思うだけでも少しは違うかなと思います。 -
2016.11.05 世界一受けたい授業
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30歳までは健常者。
その後、右目、左目と失って行き、どうあがいたかの部分、家族の部分や、何に希望を向けるか。
そういった部分が印象の一冊でした。
不幸に見舞われた際、他の人はどうしたのだろうという時に読む一冊だと思います。 -
全盲で教師業をするのは、どんなに大変だろうか。想像するだけで頭が下がる。中学生たちへのメッセージにも説得力があった。
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2016年読了
24時間テレビドラマ原作