ドッグ・シェルター: 犬と少年たちの再出航 (ノンフィクション知られざる世界)
- 金の星社 (2002年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323060781
作品紹介・あらすじ
殺処分してしまう施設でなく、捨て犬たちの新しい家族を探す橋渡し役、それがドッグ・シェルターです。アメリカのポートランドでは、新しい飼い主へ渡すまで、犬のすべての世話とトレーニングを、少年院の子どもたちがおこなっているプロジェクト、"プロジェクト・プーチ"があります。犬たちはここで人間への信頼を取り戻し、そして少年たちは「命」を預かることにより、その大切さを学び、自分自身の存在価値を見出していきます。少年・ネートと彼の選んだ犬・ティリー、そしてティリーの新しい飼い主となった自閉症のジョーダン。2人の少年と1匹の犬を通してプーチの活動を紹介し、「命」とそこから生まれる無限の可能性について考えます。
感想・レビュー・書評
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なんでもっと注目されないのか。こんなに素晴らしい制度があるのに日本に導入されないのは、本当にもったいないと思う。いろいろ課題があって難しいこともわかるけれど、でも……!
再犯率がほぼゼロということも信じられないけれど、それほどの効果があるってことだよなあ、と。いつか、日本で実現しないだろうか。 -
子どもが借りてきた本を読みました。
アメリカ的な話だけで日本では難しいことかもしれないけど、こういうシステム作りが日本でもできたらいいのに、と思いました。
子ども向けなのですごく簡単に書かれていますが、内容は本当はとても重たいことです。
児童向けだけではもったいない本。 -
中学生、いや現在も絶賛の本。是非読んでください。
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K645
「殺処分してしまう施設でなく、捨て犬たちの新しい家族を探す橋渡し役、それがドッグ・シェルターです。アメリカのポートランドでは、新しい飼い主へ渡すまで、犬のすべての世話とトレーニングを、少年院の子どもたちがおこなっているプロジェクト、“プロジェクト・プーチ”があります。犬たちはここで人間への信頼を取り戻し、そして少年たちは「命」を預かることにより、その大切さを学び、自分自身の存在価値を見出していきます。少年・ネートと彼の選んだ犬・ティリー、そしてティリーの新しい飼い主となった自閉症のジョーダン。2人の少年と1匹の犬を通してプーチの活動を紹介し、「命」とそこから生まれる無限の可能性について考えます。」
目次
プロローグ 犬をゆずってください
1 マクラーレン少年院の子どもたち
2 ネート・ミッチムという少年
3 ネートの一日
4 ティリーが来た
5 ジョーダンとクレイグ
6 ビッグ・ブラザーとベスト・フレンド
7 新しい家族
8 ネートの手紙
9 ネートとジョーダンの挑戦
10 ティリーの心
エピローグ ネートの再出航
著者等紹介
今西乃子[イマニシノリコ]
大阪府岸和田市生まれ。シンガポールのホテル勤務、航空会社広報担当などを経て、旅行記と、子どもの道徳・倫理問題に関連した執筆をきっかけにフリーライターとなる。インドのストリートチルドレンと出会って以来、ライフワークとして世界の子どもたちの取材に取り組む。国際理解をテーマにした講演や、小・中学校の総合学習の授業等で講師を務めている。現在、特定非営利活動法人・アジア教育支援の会理事。著書に、第48回産経児童出版文化賞推薦となった『国境をこえた子どもたち』(あかね書房)がある -
アメリカ・オレゴン州のマクラーレン少年院で行なわれているプロジェクト・プーチ。そこでは野良犬や捨て犬を保護するドッグ・シェルターの犬を、少年院の子どもたちが世話をするのだった。
保護権と罪を犯した子どもたちとの出会い。素敵な取り組みですが、これを形にするのは大変だっただろうと想像します。お国柄なのかマクラーレン少年院は社会に対して開かれた印象があります。なによりドッグ・シェルターと協力しているということ。そして少年院の子どもたちが世話をした犬は、子どもたちの手によって飼い主募集のチラシを作られ(その掲示はもちろんスタッフが行なうのですが)、新たな飼い主と少年院の子どもが直に会って犬の受け渡しをする。また施設内で行なわれている犬の訓練に一般の人たちも参加できる、等々。これは社会で道を外れた子どもたちを見守ろうという思いの表れなのではないでしょうか。それがあってこそ、プロジェクト・プーチは成り立つのでしょう。
犬の世話をするという自分の役割を与えられることによって変わっていく子どもたち。自分を信頼してくれる犬の存在の大きさ。そしてそれを見守りそのシステムを構築したスタッフの努力。それら全てが胸を打ちます。
犬の引き取り手として自閉症の少年がやってくるのも考えさせられます。果たして自閉症の少年に犬の世話ができるのだろうか。そのことに犬の世話をしてきた少年院の少年は大丈夫と肯定します。そこにあるのはやはり信頼なのですね。犬との間で築けた信頼関係を、自閉症の少年との間にも築く。他者を信じ他者から信じられることを知り、それに価値を見出した者だからこそ言える肯定だったのでしょう。 -
BSでの特集の再放送を見ていたから、ぐいぐい引き込まれた。犬は素直な生き物だ。
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資料番号:020146924
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非行少年と捨て犬と犬を引き取った家族と。皆が愛されて幸せになろうと頑張れるシステムっていうのはあるもんなんだね。これはもっと各政府及び機関・制度が取り上げても良い事例だと思うんだけどなぁ・・。世の大人は何をやっているのか。小難しい制度なんかよりももっと分かりやすくて素晴らしいことだと思うけど。一人も犯罪を繰り返す少年がいなかったっていのが凄い。