台湾少女、洋裁に出会う――母とミシンの60年

  • 紀伊國屋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314011433

作品紹介・あらすじ

もうひとつの「カーネーション」がここにあった!
日本統治下の1930年代の台湾に「洋裁」に夢を託した少女がいた。『主婦之友』『婦人倶楽部』…日本の婦人雑誌に魅了された少女は親の反対を押しきって、洋装店の見習いとなり、やがて戦前の東京に留学を果たす。戦後、台南に自ら洋裁学校を開校する彼女が息子に語ったオーラルヒストリーから台湾の近代が浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

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  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1376271

    選書ツアー参加学生からのコメント↓
    20世紀初めに台南に生まれた台湾人女性が、自分の好きな洋裁を学び、それを職業としたことの記録です。日本植民地時代ということや女性が職業を持ちことに抵抗のある時代に生きた総巣を知ることができます。悠揚迫らぬ台湾の人たちに思いを寄せてください。

  • 戦後、台湾で洋裁に魅せられてリタイアするまで洋裁一筋に生きてきた女性の話。息子さんによってつづられているわけだけど、日本植民地時代から近年までの台湾の歴史や発展についても触れられているので(避けてはとおれない)小難しい説明をよむよりも、そのあたりの時代背景がすんなりと理解できた。

    元々とても手先が器用で洋裁の才もあった人なんだと思う。中学校、高校と家庭科でミシンは触ったが、なぜか必ず下糸がすぐ絡まって直進縫いさえもまともにできたためしがない私。
    私が子供の頃も服は母が縫ってくれたものばかりだったのを思い出す。

    訳は3年前に若くして亡くなられた天野健太郎氏。
    良い本をありがとう。

  • #朝ドラ #カーネーション 好きはハマる。糸子(尾野真千子ガチ好演)が、日本統治時代の台南にもいた。日本人駐在妻が読んだ日系新聞雑誌を古紙として引き取り。包装紙にして小商いしてた娘が、そこに載ってた洋裁指南を見て自活の道を行く実話。

  • 洋裁を通じて、ひとりの女性の一生と、台湾の歴史が丁寧に綴られている。
    同じ時代を私の祖父は生きた。戦後は台湾バナナの貿易会社に勤めたが、どんな風だったのかと思いをはせる。

  • 「カーネーション」観なきゃだ!

  • 端正で好感が持てる個人史。

  • 全体的に茶系の装丁がレトロ感と上品さを醸し出している。文字までがブラウンで、目に優しい。

    内容は、著者の母親の洋裁人生。当時の歴史や舞台となる台南の風景も詳細に描かれ、かの地へ行ってみたい思いに駆られる。地図、写真も、ふんだんに使われており、読者への配慮が感じられた。

  • 洋裁に出会い、洋裁と生きた台湾女性の一代記を息子目線で語っている。あの時代、政治歴史ばかりが語られるように感じるが、こんなふうに生きた女性がいたとは当たり前のようで知らなかったこと。洋服に憧れ目をキラキラさせていただろう少女時代から全編興味深く読んだ。90歳すぎておめかししているお写真がとてもステキ!背筋がのびました!私もこの方のように生きたい!

    男性著者、男性翻訳者のためなのか淡々とした語り口で好感がもてた。

  • まさに台湾版カーネーション。国民党時代である20世紀台湾は政治的に語られることが目立つような気がしていたので、台湾庶民からの歴史が見えるのが嬉しい。また、統治時代からの台南の地名や史跡の移動なども詳細に書かれているので、ブラタモリ的に台南を見ることができるのも面白い。

  • ◆きっかけ
    東方書店インスタ 2016/10/10

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著者プロフィール

【著者】鄭鴻生(Zheng Hong-sheng)
1951年、台湾・台南市生まれ。
国立台湾大学哲学部卒業。在学中に「保釣運動」や大学民主化運動に参加。
緑島での兵役ののち、アメリカでコンピュータ工学を学び、修士号を取得。
現在作家兼主夫。
邦訳された著書に、『台湾68年世代、戒厳令下の青春――釣魚台運動から学園闘争、台湾民主化の原点へ』がある。

「2016年 『台湾少女、洋裁に出会う--母とミシンの60年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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