- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314010214
作品紹介・あらすじ
坂口安吾は「ラムネ氏のこと」という小文で、ふぐ料理の殉教者やきのこ採りの名人のことを讃えている。毒かどうか試した人がいたのだ。本書は、科学と医学の分野で、動物実験などをやった後で、最後に自分を「実験台」とした、過去2、3世紀の世界各地での事例の中から興味深いものを集め、原論文や様々な資料にあたりつつ再現を試みる。多くの人命を救った実験もあれば、ノーベル賞級の実験もある。自らの命をこの実験に捧げることになった実験もある。なぜそうした実験をすることになったか、実験者の心と行動に光を当てることで、大変ユニークな読み物となっている。巻末には、日本の研究も含む、「自分の体を使う実験」の詳細な年表が付されている。
感想・レビュー・書評
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ブクログでのご紹介本。洞窟モノに興味がある私におすすめ頂きました。面白かった~(*^_^*) 「ひとりきりで洞窟にこもった女」実話です。地下の洞窟という閉鎖的な空間で、日光が一切届かず、やりとりはパソコンのメッセージのみ。音声もなし。そこで一定期間過ごします。最初に持ち込んだ物だけで、あとは一切の差し入れなし。体内時計が狂い出すのって怖いですね。いずれの実感にも強靭な精神力は不可欠なのですね。同じような実験で、その後何人も自殺したとの文章があり、ゾッとしました。この章を含め全部で10章。文字通りの「献身」。圧倒されました。
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一般書で出版されているが、原書はYA向きなので、書き方、注釈が親切でわかりやすい。挿絵もある。
とにかく面白く、ジョン・ハンターなどちょっとグロくなってしまうような人は入っていないので、家族で安心して読める。女性も二人出てきて、(女性は能力があっても学問ができない時代が長かったので、科学史には女性は少ないのだが)教育的配慮もなされている。
高温室に何度も入り発汗の効果がわかった第一章、消化の謎を解くため麻袋を飲み込んだり、胃液を吐きまくったりする第二章(イタリアのスパランツァーニ)がすごすぎる。家族にはさぞ迷惑なことだったろうが、こういう変人がいたから科学・医学が発達したのだとありがたい気持ちでいっぱいになる。中高生にもぜひ読んでもらいたい。 -
購入後、寄贈
タイトルの通り自分の体で実験した科学者たちの伝記。
実験したい、というより、実験せざるを得ないという表現が合っているように思う。文章では非常に簡潔に書かれている、実験するなら自分の体でやろう、という言葉は非常に重い。
人の体に関わるためか医学に関する実験がほとんどだった。
さらにたくさんの事例を知るには、『だれが先に行く?』ローレンス・オールトマン、やアーセン・フィクスの本がいいらしい。
原書は小学校中学年から中学生向けに書かれているようだった。 -
翻訳ものだが、案外すんなり読めた。
薄い本ではないが、それほど時間かからずに読める。
わからないからこそ、死ぬぎりぎりの線までの実験をする人たち。わからないからこそ、他人じゃなく自分自身を使って実験する人たち。
こういう人たちのおかげで医療は発展しているのだなー。 -
タイトル通り、自分の体で、命がけの実験をした人たちのお話。人間がどのくらいの温度まで耐えられるのか体をはって実験した人たち(第1章)や、消化について調べるためにいろんなものを食べて出して研究した人(第2章)など・・ 面白いけれども、命を落とすんじゃないかと心配で、ページをめくるのが怖かった。
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愛と熱意。
けっして笑い話ではなくどれも真剣。
そこには愛がある。 -
びっくりした。
でも、お金の力で人にしたんじゃなくて、
自分が実験台になったということは、良いとおもった。 -
キュリウムやヒッグスのように、己の名前が科学の歴史に刻まれる。名誉欲だけで済まされないほとの研究に対する命がけの行動には感銘をうける。
孔子様の天命とやらに出会った時の人間のパワーはすごいな。
次男がはまって速攻読み終えた。文体が非常に読みやすい。 -
科学者たちの勇気に乾杯☆