裁判官! 当職そこが知りたかったのです。 -民事訴訟がはかどる本-
- 学陽書房 (2017年12月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784313511651
作品紹介・あらすじ
イラストで人気の中村真弁護士が岡口基一裁判官にインタビュー!?いま民事裁判が抱える問題からナゾに包まれた裁判官の日頃のお仕事まで、法曹関係者の「気になる」がこれでもかと詰まった珠玉の対談本!もちろん中村真弁護士の描き下ろしイラストも満載!
感想・レビュー・書評
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現役裁判官と現役弁護士の民事訴訟をテーマにした対談。裁判官や弁護士はもとより、民事訴訟に携わる人には興味深い本と思われるが、当方幸いにも訴訟には縁遠いので本書の内容はピンと来なかった。
ただ、各章の冒頭にある1コママンガ、終わりにある4コマ、そしてあとがき代わりの4ページマンガがかなり面白い。相当なギャグセンスの持ち主だと思う。
最初は、主著者である弁護士の中村氏のアイデアを基にプロのマンガか描いているものだとばかり思っていたが、本書内のどこを探しても作者名がないことから、おそらく中村氏本人が書いているものと思われる。やはり関西出身者は違うな~と感心した次第。
弁護士を辞めた後はぜひ法律もののマンガ家、あるいは漫画原作者としてデビューしていただきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある程度知識のある人向けなのかな。素人には難しいし面白くもなかった。
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現職裁判官と現職弁護士による民事訴訟についての対談をまとめた良著。
訴訟や裁判について建前的な部分と本音の部分を現役裁判官の口から聞くことができるのは、この図書ならではだと感じた。
また弁護士・裁判官両者の立場から見た法曹界はお互いに隔たりのある世界で、民事訴訟においてもお互いに相手のどこを見て信頼関係を築いているのか、法曹界全体的の受け止め方も違うのだなと知ることができる。裁判官でも一般人と変わらない部分もあるんだなと感じる面もあり、逆に一般人とは全く違う部分を認識するとこもでき、法曹界を目指す人に一読の価値があると感じた。 -
法律を学ぶ中年が読んだ感想ですがやはり法曹でないと分かりにくい事情がある。しかし表現は分かりやすくそんなこともあるのかなと思わせてくれる程度には優しいと思った。
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多分面白いのだろうけれど、勉強(知識)不足でそれが私に伝わらなかった。
もっと裁判について、その手続きについて学んでから読むべきだったな。
時々挿し入れられているイラストは、面白い。
裁判って本当に、人間ドラマだな。
一番心に残ったのは、相対的正しさでいいと思う(ちょっと違ったかも;)、という言葉。
これが、民事訴訟の極意なのかも知れない。 -
訴状の段階からきちんと主張や証拠を出し尽くしておくとか、尋問では動機を明らかにするとか、最終準備書面を書くべき場面とそうでない場面、みたいな勉強になる記載が散見される。優れた実務書に抱きがちな感想。
若手弁護士は要件事実の認識が足りない的な記載には耳が痛いというか震えあがった。いや俺、法律構成が複雑な事件ってほとんど扱ったことないから特に気にしたことなかったけど、要件事実全然わかんないや。仕事のやり方のタイプとしても多分証拠の飛び石を繋ぐストーリーテリングで勝負する子だし。でも急激に不安になったのでそのうち難しすぎない要件事実の本でも読もう。。。こわいよー。 -
裁判官と弁護士の対話形式で民事訴訟の実体を語る本。法曹界に席を持たない私にも読みやすく、わかりやすいように思った。
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裁判官は忙しいから書面を読まないが、判決を書く時は負ける側の主張を基礎付ける間接事実を全部潰す作業のために、記録を読み込む。しかしその作業は大変だから裁判官は和解をしたがる。判決起案の際に当事者主張のデータをコピペすることもあり、要件事実に基づく当事者の主張欄をかけない裁判官が増えている。裁判官の承認欲求は、同期と比べて出世しているかや持っている事件数の少なさ…等、本音での語りだからこそ見える裁判官の残念な部分も多かった。しかし、そういう通常知り得ない部分を開示してもらえるのは、事実を知った上でよりよい対策を練るためには必要。
裁判官は理想的な訴訟進行をしたり、よりよい判決を書くために社会勉強を含めて他者からの学びを得る機会を作って欲しいし、弁護士は、裁判官の読みやすい要件事実の整理や紛争全体を把握した上での筋の良い主張書面を書くと、相互理解が促進され、二者が協力して紛争の理想的な解決ができるように思う。お互いの実情や不満・背景事情を知る意味で、貴重な対談。個人的には、最終準備書面には証拠の評価を記載する、という部分が勉強になった。 -
長い準備書面は最悪
要件事実以外に周辺情報を書くことも重要 -
対談という形のせいもあるのだろうが、読みやすく、取りつきやすい。何かと物議を醸している岡口氏だが、まっとうな感覚と信念をお持ちのように見える。