- Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309908540
作品紹介・あらすじ
主人公ベン・ホープは、かつてはSAS(英国陸軍特殊空挺部隊)の命知らずの隊員だった。しかし今では誘拐された子どもたちの救出に心血を注いでいる。仕事のない日は、海辺にある邸宅で家政婦と静かに暮らす。一家を襲った過去の悲劇に苦しむ彼にとって、海と孤独と酒だけが変わらぬ友だ。ある日、ベンは年老いた富豪から、死にかけている子どもを救う古い手稿を探しだして欲しいと依頼される。その手稿とは、伝説の錬金術師フルカネリが書いたものだ。手がかりを求めて、ベンはアメリカの生物学者ロベルタ・ライダーを訪ねる。その女性とベンが仕事に着手すると同時に、つぎつぎと恐ろしい事件が勃発する。闇にひそむ邪悪なものが牙を剥いた。手稿の秘密を追って、ベンとロベルタは南フランス、古いカタリ派の本拠地ラングドックに潜入する。聖地レンヌ・ル・シャトー。そこには、何世紀もの間、隠されていた秘密が眠っていた。
感想・レビュー・書評
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ベン・ホープシリーズ第1弾で 2007年発表作。いかにも英国人好みの高潔で高貴な男を主人公に据え、歴史ロマンを絡めたアドベンチャーを展開する。
主人公は本作の時点で37歳。元英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)の隊員で、現在はフリーランス。主に誘拐された子どもを奪還する仕事を専門に請け負っていた。今回の依頼主は、老いた富豪の男。不治の病に冒された孫娘を救う〝秘薬〟があり、その秘密を解き明かした手稿を手に入れてほしいという。男の話は眉唾物だった。20世紀初頭、フランスの錬金術師フルカネリが発見した〝不老不死の霊薬〟が存在するというのだ。ホープは、手掛かりを求めて接触した米国の女性生物学者ロベルタの協力を得て、ヨーロッパへ飛ぶ。時を同じくして、或るヴァチカン大司教の密命を帯びた凶悪な〝異端審問官〟が動き始めていた。事態は混迷しつつ、危険度を増していく。
現役作家でいえば、ダン・ブラウン/ジェームズ・ロリンズの系譜を汲むが、米国と英国の気風の差が如実に表れている。マリアーニの特徴を些か短絡的に述べれば「品が良すぎる」というところか。フレッシュな感性や柔らかいタッチは魅力で、剛腕で押し切るロリンズの大作のように胃にもたれることはない。だが、気負い過ぎて雑になった部分が目立ち、完成度を下げてしまっている。
主人公は、清廉で正義感が強く、子どもや女性に優しい。そして、或るトラウマを抱えている。まさに絵に描いたようなヒーローなのだが、これも残念ながら造型が浅い。ヒロインとなる学者も大してサポートしておらず、あくまでも賑やかしの存在で止まっている。機密結社の黒幕も迫力不足。このタイプのストーリーでは強大な悪こそが不可欠であることを改めて感じた。
肝心のプロットは、どこかで読んだ作品の寄せ集めのようなもので、知的興奮度も低い。そもそも核となる〝宝〟が、錬金術によって生み出された不老不死を叶える秘薬なのだから、読み手は絵空事として冒頭から割り切って読むしかない。謎の解き方もご都合主義が目立ち、同系のスリラーを読み慣れた読者なら、物足りなさを感じる部分も多いだろう。終盤の盛り上げ方にも工夫が欲しい。
といっても、全体的な作風自体には好感が持てたため、次作に期待したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2013/12映画本ですね。小説よりも映画になってから観ればよかった。
海外は聖杯伝説みたいな話が多いなぁ。日本は宝探しはあっても、こういう永遠の命を求める小説はあまり無いような気がします。 -
ベネディクト・ホープ。元英国陸軍特殊部隊、37歳、心に深い傷を持ち、今は誘拐された子供を探し救い出すことを仕事としている。ウィスキーがケース単位で届けられ酒をあおり、他人に心を閉ざしている。
そんなペンのもとへ大富豪から病気の孫娘ルースをたすけるために、ある手稿を探してほしいと依頼される。不老不死の薬の作り方が書かれているという錬金術師フルカネリの手稿。
手かがりをもとめて謎をといていくが、訪問する先々で関係者が惨殺されていく。その犯人だと疑われ追われるペン。
そのような手稿は本当にあったのか、またペンを狙うものは何者なのか?そしてペンの心の闇とは?
物語のテンポも早く、派手なアクション、窮地に陥る主人公、自分のカラダにシンボルを切り描く男、ぶ厚い本ですが読んでいて面白かったんですが、最後が、残念です。
何故こういったアクションありの謎ときミステリーは、行動を共にするのが女性なんでしょうね。そしてお決まりの結末・・・
車が何台か出てくるんですが、プジョーとかルノーとかポルシェとか、いちいち車種がでてくるのが印象に残った。特に重要ではないんですけれどね。。
あと、神父さんが、いいですねー。 -
「モーツァルトの陰謀」が面白かったので第1作も読みたくなりました。第1作の方が面白い!007並みの活躍はあるし、ちゃんと謎解きもあるし、最後に彼女と結ばれる王道的展開。読んで損はない!
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久しぶりに会えた興奮して読める本。ハリウッドで映画化される予定なのも肯ける。
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帯のキャッチコピーにつられて、手に取り、即購入、ノンストップで読み飛ばし、2日半で完読!
「ダ・ビンチ・コード」のラングトン教授か、この本の主人公ベン・ホープか、対照的なキャラで、 両者に魅力を感じます!
前者のラングトンは教授らしく、学識豊かで、子供時代の事故ら、閉所恐怖症というトラウマがあるのに対し、ベン・ホープは、ブロンドの美男子で、アクション・ヒーロー、オックスフォード中退のマッチョなSAS(イギリスの特殊部隊)退役の経歴、過去の家族内の悲劇がトラウマとなり酒におぼれ、心を閉ざしたクールな男。
「ダ・ビンチ・コード」でも題材になっている、”レンヌ・ル・シャトー”が、この本の中心舞台になっている。
「ダ・ビンチ・コード」が、サングレール「聖杯」探しであったのに対して、この本では、消息を絶った錬金術師フルカネリの足跡を探し、残されているらしい錬金術に関するフルカネリの手稿を探し出すというミッションが、007並のアクションで展開される!