14歳からわかる生活保護 (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309616766

作品紹介・あらすじ

不正受給額はたったの0.4%以下、受給者の約8割が高齢者や病気・ケガで働けない人…間違いだらけのバッシングをキチンと改める「生活保護」入門。申請用紙付き。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい本なので、この本をきっかけにいろんな方に生活保護のことを知っていただけたら、と思いました。

    生活保護は「申請」しよう。
    「一時金給付申請」も活用しよう。
    そもそもは「年金」と「雇用」の問題。

    必要になったとき、躊躇わずに申請し、使える制度であってほしいと願います。



  • だけど世の中には、こうしとこんなひどい現実を変えようと動いている人たちがたくさんいるのだ。
    45ページ
    141ページ
    185ページ
    25才のB男さん

    定期的に読み返そう。

  • とても勉強になった。今まで生活保護に関してはとても偏った知識しかなく、偏見で凝り固まっていたが、この本を読んで視野がとても広がった。価値観が変わったし、やはり無知とは恥ずべきものだと思った。不正受給の実態なんて、生活保護のシステムを知ったらごく僅かだし、大半が明日生きられるかの瀬戸際の中で、メディアが取り上げるのは生活保護でパチンコなど大衆を煽りやすいネタばかりだ。もっと真剣に生活保護の実態を知りたいと思ったし、伝えなくてはならない。なぜならこのシステムがセーフティネットと呼ばれるように我々国民の命を守る、生と死の境目の合法的な方法の最後の砦だからである。

  • 戯言ではなく、社会で生きていくための術を教えてくれ。その一つが生活保護。タイトルの通り中学生年代でもわかるように、生活保護が必要な具体例、そもそも生活保護とは、生活保護はどうやって受けるのか、なぜ生活保護は誤解を招くのか、を解説。捕捉率の低さ、権利侵害のひどさ、そして諸外国との比較など、多少筆のタッチは軽く感じるけども知ってて損なしの一冊。

  • どういう人であっても人権が守られるのが制度であり法律であるべきなので、そこに個人的な「あいつは嫌いだ」という感情をもちこむべきではない。生活保護は無差別平等で、今困っていればどんな人でも受けられる。極端な話、昨日ギャンブルで100万円使った人でも受けられる。(中略)そうじゃないと生存権は守られない。そこと好き嫌いの問題は別です。(p87)

    今の世の中は、一言でいうと「とにかく一人でも多くの人を蹴落とし、より多くの利益を生み出す者のみに価値があるのだ」というような、身も蓋もない価値観に支配されている。(p142)

    スウェーデンの場合は、高齢になったら年金があるし、障がいを負っても年金があるし、アルコールや薬物で依存症になってもちゃんと税金による援助がある。そういうふうになっているので、まず貯金をする必要がないんですね。もちろん教育は全部無償。保育も無償です。大学はほとんど利息のつかない奨学金が出ます。奨学金は授業料だけでなく、生活費も出るんですよ。だから何歳からでも大学に行ける。(中略)そうなってくると、いつまでも可能性にチャレンジできますよね。だから税金は高いんですけど、個人責任でやる範囲ってほとんどないわけです。国民はそれで納得している。社会保障を充実させるというのは国是ですから。スウェーデンで一番大事なことは、どの家に生まれたかによって教育の機会が不平等であってはいけないということです。貧しい家に生まれたために教育が受けられないということがあってはならない。(p169)

    読者の皆さんに言いたいことは、常に弱い人の立場に立って考えてほしいということです。人間は誰しも弱みを持っているし、だけど可能性も持っているわけだから。弱い人の立場に立てば、「なぜそういう状態になっているのか」がわかると思います。(中略)だから、本当の事実を知って、弱い人の視点に立ってほしい。それが一番言いたいことですね。(p181-p182)

  • 生活保護。
    他人事ではないのです。

    私も少し状況が変わればそうなってしまう。
    親がいるから生きていられるのだから。
    親が居なければ、きっと私も同じ。
    ワーキングプアですからね。

    問題はやはり、知らないことだと思います。
    誰も制度についてきちんと知らない。

    だから使えないし、使わせることもできない。
    そして、知らないものは異質なものとして排除される。


    知らせること、知ろうとすることが大事なのでしょうね。

  • 生活保護について偏った少しの知識しか持っていなかったので、読んで良かったです。決して他人事ではない生活保護、もっと勉強してみたいと思いました。

  • 生活保護を受けれる人がその制度を詳しく知らないがために、生活保護を受けている人をバッシングする。あまつさえ議員が生活保護は甘えというような発言をしてそれを助長する。政治不信を反日にすり替えて内部に目をやらないようにしているどこかの国のようなことが、日本にもある。もっと色んな事を知ろう。その手助けになってくれる一冊。

  • 命にかかわる大切な制度なのに、偏見と誤解の中でバッシングされている生活保護。生活保護を貰うことは決して恥ずかしいことではありません。正しい知識をイチから学ぶ「生活保護」入門。

  • 自分はこういう本はあまり読まない方が良いんじゃないかと感じました。

    純粋に生活保護とはどういう制度で、どの位の金が使われているかを知りたかったのですが、
    生活保護という制度を肯定的に見るか否定的に見るかで有り難みが全く違う内容です。

    役所への批判とn数の少ない事例と何故か度々出る芸人の名前。露出度の高い議員への批判。

    何か違うんじゃないか?と感じました。

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著者プロフィール

1975 年北海道生まれ。作家・活動家。「反貧困ネットワーク」世話人。フリーターなどを経て2000 年、『生き地獄天国』( 太田出版/ちくま文庫) でデビュー。主な著書に『生きさせろ! 難民化する若者たち』( 太田出版/ちくま文庫)、『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』( 太田出版)、『コロナ禍、貧困の記録 2020 年、この国の底が抜けた』( かもがわ出版) など多数。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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