ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来 (河出文庫 ハ 15-2)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309467580

感想・レビュー・書評

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  • 詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。
    http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1987.html

    序文を読んで本当に衝撃を受けました。
    ショックで、肝心の本文を読む気も失せそうになった・・・。
    私たちは、どうすればいいの???
    著者の示した最後の日に向かいつつ 日々精一杯明るく前向きに生きていくしかない・・・!

  • 人類はこれからどこへ向かっていくのであろうか。私たちが生きていく時に思う人類全体としての未来。テクノロジーの発展により不死と幸福を追求することが目的となり、神聖さも獲得しかけている人類。ただし、そのために生きている意義、といった内面的なものは無くなっていってしまう。新たな観念的な考え方であるデータ至上主義により、人類の個人としての経験はたいした意味を持たず、人類としての経験が今を有するようになるといった悲しい未来になる可能性があると筆者は主張している。
    示唆に富んでいるだけでなく、歴史からの学びを重視しておる歴史学者ならではの視点で語られており、とっても勉強になる一冊だった。
    また、文庫版の序文では、Covid-19は、テクノロジーにより疫病は対処可能な課題になったのにも関わらず、大人としての振る舞いができない人類しかいないため、人災となってしまったというところが、とっても共感できる一説であった。
    また、ロシアのプーチンによるウクライナ侵攻も、せっかく克服したと思われていた戦争と貧困と病気の時代への逆戻りになってしまうというのも、確かに頷けるものであろう。
    この序文だけでもこの本を読む価値があると思う。

  • ホモ・サピエンス全史の続刊として書かれた作品。
    人類がいまだに完全にクリア出来ていないものは
    飢餓、戦争、疫病の3つだか、それすらも克服出来る可能性が出てきている(読了時点では、コロナやウクライナ情勢等、やはりクリアする事が難しいことを再認識)。
    ホモ・サピエンスは未来に向かってどうなっていくのか、上巻ではその答えに対する前提条件を語っている。

    個人的には、ホモ・サピエンス全史に続き、やはり難しいかった!読むのに時間を要した。現状のウクライナ情勢やコロナで世界が混沌となってる中、ホモ・サピエンスはどのような未来を歩んでいくのか、考えながら下巻を読んでみようと思う。

  • サピエンス全史と内容のかぶる部分も多い。だが本書の主張に即して最適化されており、既視感はありつつも別角度から眺めている感じだ。
    未来のことを考えるために過去のことについて入念に分析・考察している。そう、サピエンス全史は「解説」で、これは「分析」や「考察」と表現するのがふさわしい気がする。その分より抽象的で難しい気もするが、著者の他の作品と同様にとてもわかりやすく書かれている。
    下巻も楽しみ

  • サピエンス全史が面白かったので、隣に並んでいたこっちも買ってみました。
    サピエンスはどこから来たの?をワクワク読んだけど、こっちはどこへ行くの?をヒンヤリした気持ちで読んでました。
    面白いんだけど、とても怖い。

  • ハラリの新刊と言っても、出版されてからだいぶ経っているがようやく読了。段々と神に近づいている人類。たしかに不死を手に入れれば、人は神と言っても差し支えないかもしれない。個人的には人類は虚構を手に入れることにより、より大きな世界を支配できるようになったという説明が腑に落ちた。

    それは文筆という行為が出来るようになったことにより、より複雑な物語を作れるようになったからだが、同時に魂を必要しない科学も発展させ、ますます神に近づけるようになったんだなと理解しました。

  • サピエンス全史は全体的に過去から現在までのホモ・サピエンスの歩み、ホモ・デウスは未来にどうなっていくのかが全体のトピックとなっています。「ホモ・デウス」を直訳すると「神の人」という意味なのですが、古代エジプトやメソポタミア、宗教改革時のヨーロッパの状況等、様々な角度からの深い歴史考察に対し、何か自分も頭が良くなったと錯覚しちゃう良書です。㊦巻も楽しみだな~。

  • この作者は物事の芯をとらえるのがうまいのだと思う。一見複雑な事柄が、一つのことに焦点をあてる事で単純明快に浮かび上がり、他の事柄と自然と繋がるように思える。
    下巻が楽しみ!

  • 第一章 人類が新たに取り組むべきこと

    餓死よりも過食で死ぬ人のほうが多い。

    現代においての餓死は自然発生ではなく、政治的な意図によってのみ起こる。

    戦争、飢餓、疫病のない世界で人は代わりに何をするか、という問題

    過去……死は神によって定められた運命とされ、人生の総決済であった。徳のLEVELを量る。

    現代……死は克服できる問題となった。

    古来より死は聖職者、神学者によって解決されてきた問題だが、現代においては技術者が解決している。

    科学は葬式の度に進化する

    国家の権利を抑制するためにつくられた「幸福の追求」という権利が、今では「幸福の追求」そのものが目的となっている。さらに「追求」であって、幸福そのものを目的とはしていない。

    福祉制度、医療制度は国民の幸福のためではなく、国家に従順で国家を強くしてくれる人材を求めていたからにすぎない。だが、戦争で死ぬことの現代人は将来にわたる幸福をもとめるようになった。

    GDPからGDH(国内総幸福)へ

    幸福とはなにか? 人は決して満足しない。満足するように作られていたらもう何もする必要はないから。
    エピクロス……快楽を過度に追求すれば幸せではなく惨めになる。
    ブッタ……快楽が苦しみにつながる。快楽を求めた先にあるのはさらなる快楽の渇望のみ。

    必要なのは快感の追求に対するブレーキである。

  • 疫病と飢饉と戦争に脅かされなくなった人類。
    このあとの未来でコロナが流行ったけど、抑え込んだもんねー。

    行き止まりの道々を潰しながら導かれる論説が大変わかりやすく興味深い。詳しくは下巻を読み終わってから。

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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