- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309418414
感想・レビュー・書評
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日本は対米従属によって、本当に繁栄してきたのか?
アメリカなどのプラザ合意による圧力のもと、絶えず円高が進み、円相場の急騰は、日本の輸出産業の勢いを止め、日本企業の国際競争力はそがれた。
日本のGDPは1994年以降、ほぼ横ばい。
「日米関係を強固にすれば、日本は繁栄する」という迷信は、過去20年間、まったく当てはまらない。
第5章
自衛隊独自では、中国軍に対抗できない。
中国が尖閣諸島を占拠しても、アメリカ軍は出てこない。
日本にはアメリカの核の傘は存在しない。
第6章
168
中国がGDPで世界1になったとしても、中国国民は豊かではない。
中国一般市民の経済力は、アメリカ人の1/4にとどまっている。
個人の水準から比較すれば、中国人の経済力は世界から大きく劣っている。
かつての覇権国家は、イギリスもアメリカも、その時点での一人あたりのGDPは世界トップだった。
169
中国は、貧富の格差、地域格差、劣悪な環境、汚職など、社会不安は大きい。
中国の腐敗度は、ほぼASEAN諸国並み。
276
日本人はなにをすべきか。
日本が、東アジア諸国が、自国の繁栄の核心であると認識し、複合的相互依存関係を強化すべき。
東アジア共同体のような枠組みを作ること。
しかし、アベバカボンボンや、その追随者たち、同類たちが政権の中枢にいる限り、これは実現できない。
278
問題は「中国をとるのかアメリカをとるのか」ではない。
日本人は、中国が、経済的にも軍事的にも、アメリカと肩を並べる大国になる、という事実を直視すべき。
アメリカに従属してさえいれば、日本の繁栄がある、という時代はもう終わった。
日本人は、明治時代以降、福沢諭吉の脱亜論に従って成功を治めてきたが、それはすでに過去のお話であり、現代では、過去150年間とは異なる戦略が必要とされている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東アジア共同体なんて言い出すと、まるで非国民のような風潮の中で、この本は冷静に日本のよって立つべき戦略を考えさせる。考えてみれば、北方領土もかつてサンフランシスコ講和条約で正式に権利放棄した領土である。尖閣諸島も則天武后が部下にその領土を与えたことがあることなどからもかつては中国の領土であった。
日本にとって死活的に重要な問題に対して、備えがあるかというと、日米同盟があるから大丈夫だと思っている。
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アメリカが中国に負けるかどうかはまだわからないが、負ける可能性は高まってきているし、米国べったりの日本がこれまで通りで良いとは思えない。太平洋戦争で負け、経済戦争で負け、嫌でも米国に従わざるを得なかった側面はあるが、目を覚ますべきなんだろう。幅広い人に読んでほしいと感じた。
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煽るねぇ。