- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309416038
感想・レビュー・書評
-
翻訳もの児童文学に関すること中心のエッセイ集だった。やっぱり最初のくまのプーさんとの出会いのシーンが良かったな…優れた児童文学って作者が身近な子どもを喜ばせるために書いてるって本当なんだなあ。アメリカの旅の話も面白かった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
石井桃子さんの随筆。まずはプーさん、ピーターラビット、ピーターパンなど、児童文学の名作についての文章。石井さんによるこういった作品案内はあんまり見たことがなかったからその想いを知れてとてもよかった。海外視察の際の文章は、石井さんですら緊張や不安を抱えてわからないなりに一歩ずつ手探りで進んできたのかと。ひとつひとつを自らの手と足を使って学び取っていく姿に頭が下がった。揺るぎない芯は自分で切り開いて自分のものにしてきたからか。ゆっくり時間をかけてひとつひとつ。ある意味研究者なんだなと思う。近道なんてない。地道にコツコツ。
-
エッセイのような感じだった。
昔の本だからか、「クリスマス・トリー」「イタリー語」など馴染みのないカタカナ文字が出てきた。
自分の好きな、「くまのプーさん」や「ピーターラビット」を日本語訳した方のお話を読めたのはとてもよかった。 -
主に『くまのプーさん』や「ピーター・ラビット」シリーズなどの子どもの本についてのエッセイや、欧米を旅して児童書や子ども図書館について学んだ時の思い出を記録している。
品のある温かみにあふれた言葉づかいで、鋭く優しく児童文学をとりまく世界をとらえている。 -
プーの世界との出会い、ベアトリクス・ポターやバートンといった作家はじめ、編集者や児童図書館関係者など児童文学や絵本の世界の恩人たちの姿にせまる文章があっておもしろい。発表媒体からの要請に合わせてアメリカの婦人やさまざまな外国語(英語)体験などについてつづったものもおもしろかった。こどもの読解力や選書、図書館と出版界の関係など、こんにちに通じるトピックで考えさせられる箇所も少なくない。1950年代ごろの文章が多く、かなづかいや言葉の揺れ・定着などで気づくこともいろいろあって、その点でも興味深い。(「エンジォイ」とか「折りだたみの傘」とか)
-
石井桃子さんがクマのプーさんの原書に出会うシーンが素晴らしい。その頃の空気感、読んだ後の石井桃子さんの心の動き。どれもステキであたたかい。ピーターラビットがうまれて街にいった話しも興味深く、石井桃子さんがまた好きになった。