巴里ひとりある記 (河出文庫 た 35-2)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413761

感想・レビュー・書評

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  • 27歳の超人気女優による65年前のパリ滞在日記。
    羽田からプロペラ機で香港、カルカッタ等いくつも乗り継いでの花の都。
    が、終戦直後で意外や冴えぬ景色。されどハレの空間で少し脱線気分のコロコロ転がるような美文が楽しい。米国立ち寄るもエリス島に幽閉される話も。

    <その他の書籍紹介>
    https://jtaniguchi.com/tag/%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e7%b4%b9%e4%bb%8b/

  • 「27年生きてきて、思い出がひとつもない。誰も何も思ってくれなくても、自分ひとりが思い出して楽しめるようなものがほしかった。」
    「普通の人間同士が普通に付き合うとき、どれくらい親切にしてくれるものなのかわかんなかった。私はそれを知りたかった。」


    普通の人生ってありがたいな。

  • 表紙を初めとして写真に収まっている著者が素敵で見とれてしまいます。文章も軽やかでやっぱりパリのパンが食べたい…と思ってしまいました。

  • 何を読んでも面白いけど、生涯かけて読みたいから、もっとペース落とさないと〜。

  • 1951年、27歳、高峰秀子は突然パリに旅立った。女優から解放され、パリでひとり暮らし、自己を見つめる、エッセイスト誕生を告げる第一作の初文庫化。

  • 2024.3

    たまたまフランスらしい有名なクレープ屋さんで
    読み終えたのがとても良かった

    ---

    私にはまだまだ知らないことがたくさんあるようだ。逃げてしまえばそれまでだが、私はにげずに知りたい、何でも、どんな小さいことでも。

    <この淋しさを無駄にしてはならない。いつかこの淋しさを、楽しかった思い出として懐かしむようになりたい…いや、なるんだ。>
    ーで、なりましたか?
    -なりました。

  • 古本屋で昔のバージョンを発見し、高くて買えずメルカリで安く落札!

    写真が多くてうれし!

  • 高峰秀子の初著作である。文章はまだ拙いところもあるが、やはり面白い。27歳にして有名女優という人生を生きていた女性がふと立ち止まって、ただゆったりとパリで暮らしてみた、というだけのお話なのだが。帰路ニューヨークにも立ち寄って、旅券の不備でエリス島の監獄?に入れられたこと、留学中の月丘夢路や女優を引退した竹久千恵子に会ったことなども記されている。

  • 女優である著者が、本業を休んで旅したパリとアメリカ。

    昭和20年代後期のはなし。パリは、今どきのように直行で行けないような遠いところ。


    後半の対談や、娘(養女)による解説にもあるが、幼少期から芸能の世界で生き、20代にしてすでに大女優の地位を築いていた著者は、「女優の高峰秀子」ではなく、「一市民の平山秀子」として過ごすために、パリ(でなくて、日本以外のどこかで良かったのかもしれないが)へ向かった。
    20年以上、芸能人として常に人々に見つめられる生活。7か月にわたる「長期休暇」は、20年間のガスを抜くために必要な期間だったのだろう。

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著者プロフィール

高峰 秀子(たかみね・ひでこ):女優、随筆家。1924年北海道生れ。5歳のとき映画『母』で子役デビュー。以後、『二十四の瞳』『浮雲』『名もなく貧しく美しく』など300本を超える作品に出演。キネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール女優主演賞ほか、受賞数は日本映画界最多。55歳で引退。名随筆家としても知られ、『わたしの渡世日記』(上・下、新潮文庫)で第24回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2010年12月28日死去。享年86歳。

「2024年 『高峰秀子 夫婦の流儀 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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