すいか 1 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1040
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309412375

感想・レビュー・書評

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  • リアルタイムで観ていた。

    もう17年も前なので、不出来な頭ではほとんど覚えていなかったけれど、あの頃、毎週、正座をして、この『すいか』の世界に触れていたときの気持ちを思い出した。

    ドラマを観ている間、吸って吐いている空気まで特別になるような、煌めいた時間を過ごさせていただいた、自分にとって大切な存在のドラマ。

    すべてはこの木皿泉さんのシナリオから始まったんですね。

    名シーン、名台詞のオンパレードで毎話泣いてしまった。
    ド派手な展開もないのだけれど、小さな日常を淡々とコミカルに描いていて、そういう日常が奇跡なんだよ、と教えてくれる。
    木皿さんのシナリオは甘さと苦さとしょっぱさが、ちょうどいいさじ加減でミックスされていて、毎回後を引くのだ。

    地味なドラマなので、肩透かしをくらう人もいるかもしれないが、ハマる人はものすごくハマる(かもしれない)。

    私のエバーグリーン。

    • 5552さん
      キリコさん、こんばんは。

      17年ぶりの『すいか』はやっぱり大好きで、正直ホッとしました。もしかしたら思い出補正入ってるのかも!と危惧し...
      キリコさん、こんばんは。

      17年ぶりの『すいか』はやっぱり大好きで、正直ホッとしました。もしかしたら思い出補正入ってるのかも!と危惧していたので。
      木皿さんの言葉はどうしてこんなに胸に沁みるんでしょうね。

      確か『すいか』は『やっぱり猫が好き』に出演されていた小林聡美さんが主演されるというので楽しみにしていたのですよ。『猫』も木皿さんが担当された回があったそうで、ああ好きなものってつながってんだな、と思いました。

      図書館の件はご縁がなかったのかもしれませんね。(私が言うのも変ですが。)
      ご自身や御家族の病気の事や、煩わしいコロナのこと、キリコさんがものすごく考えて決断されたのがレビューを通じて伝わってきました。

      『Q10』でも「後悔しないためには、死ぬほど考え抜くこと」というような台詞があったような気がします。ほんとそうですよね。

      これからも影ながら応援しています。
      無理をしないでくださいね。

      2020/08/17
  • ドラマのシナリオ本。最初ちょっと読みづらかったけど、すぐになれた。賄いつきの寮に住む女子四人組の日常。吉本新喜劇を見ているみたいだった。

  • 待ちに待った「すいか」ノベライズの文庫化!!

    あのすいかの世界を文章で噛みしめて脳内で
    映像を展開できる幸せ♡

    古い木造の家に小さな庭、伸び放題のひまわり、
    「ハルマゲドン」と落書きされた塀。

    プールの水の入れ替えを缶ビール片手に日がな一日
    眺めている絆ちゃん。
    水を抜いてゴシゴシ洗って、また水を張って。
    溜まったものが流されて、空になってまた満たされる。

    庭の雑草をハート型にくり抜いたように整える響一くん。
    その真ん中めがけて玩具の弓矢を放つ夏子さん。
    「もう帰ってちょうだい」としか言わない、バー「泥舟」のママ。

    「忘れたい物は、みんな埋めていいの。
    みんな、何かしら埋めて生きてるもんです。
    安心して忘れなさい。私が覚えていてあげるから。」

    夏子さんの深い深い懐と、1つ1つのエピソードが
    じんわりとあったかく、滋味深くて愛おしい。

    個性的であったかい住人のみんなとカレーの匂い。
    本の重みで抜けた床の穴越しの大らかなコミニケーション[笑]
    カレーと大トロ、古い木造の部屋とシャンデリア。

    嬉しいと言ってもらうと、こっちも嬉しい。
    ハピネス三茶には大切なことが詰まっている。

  •  燃やしたり埋めたりしたいものを私も今、抱えてる。
     誰かのためだけにも生きられないし、自分のためだけにも生きられない。どうしても受け入れられないものとものすごく大切にしたいものとがせめぎ合うときって、苦しい。
     幸せって、大きなすいかを持ち帰る場所があるってことなんだなって、この本は気づかせてくれる。
     辛いことにとらわれるのはもうやめたらどうかな、そう思える。

  • 2003年にテレビドラマ化した作品

    これまでの人生で一番好きなドラマが"すいか"です。シナリオ本は大人になってから読みました。

    心に刺さるセリフが多く、
    人生で迷った時、困った時支えてもらいました。
    今でも大切な言葉として留めています。

    何でこんなにこの作品が好きなんだろうと
    考えてみるのですが、
    なかなか上手くまとまりません。

    誰のことも否定せず、
    優しさの中に一本筋の通ったセリフたち

    ドラマもオススメですが、
    ぜひ書籍と合わせて
    映像と文字とで味わっていただきたい



  • 人生のシンジツが詰まってる。

    ああ、こうだったらな。
    私も、こんな風に言えたら。
    ああ、そうだったな。
    私も、実はそうだったんだ。

    登場人物全員が、自分自身のように思える瞬間がある。
    痛いほどに、共感してしまう。

    不器用で人間臭くて、でもあり得ないほどまっすぐ自分に正直な登場人物全員を、全力で応援したくなる。


    カレーの匂いがして、みんなで食べるすいかが見える。
    暑い日差しに焼かれ、蝉の声が聞こえてくる。
    少し、涙が出た。

    ある意味、夢物語。
    そうなのだけれどその夢は、自分の現実に戻ってまた、踏み出していこうという気にさせてくれる。

    今、このお話に出会えて良かった!と、

    教えてくれた人に、感謝。
    どうもありがとう。

  • だいすきなドラマのシナリオブック。面白くないわけがない!最高!映像フラッシュバック!
    キャストも最高だし、また観た〜〜〜い!
    こうゆうドラマ、またやってくれないかなあ〜

  • 小学生当時、リアルタイムで見ていて、大好きだったドラマ。
    小説という形で再び会えたのが嬉しい。

  • 大好きな「すいか」が文庫になってる。
    常に読書ペースが間に合ってない私は、いつ読めるのだろうか…
    内容は知ってるから、つい後回しにしてしまうんだよなー。

  • 「すいか」、大好きなドラマでした。
    今でも一番くらいに好きかも。

    リアルタイムのときは、なにげなーく観ていて、
    後々にだんだん気になりだして、もう「買った方が安上がり
    なんじゃ?」と思うくらいレンタルして観ています。

    何度観ても好き。

    そんなすいかが文庫になって手元に置けるとは。
    ドラマの方はもう何度も観ているので、読みながら映像が
    浮かぶ浮かぶ。
    間々田さんの整形顔とか、おもしろいんだよなぁ。

    またしてもDVD借りてきて、これと比べながら観る、という
    贅沢なことをしてみたい衝動にいま、かられています。

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著者プロフィール

夫婦脚本家。ドラマ「すいか」で向田邦子賞、「Q10」「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”」で2年連続ギャラクシー賞優秀賞。他に「野ブタ。をプロデュース」等。著書『二度寝で番茶』など。

「2020年 『さざなみのよる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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