ネガティブ思考こそ最高のスキル

  • 河出書房新社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309300252

感想・レビュー・書評

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  • ネガティブな思考を推奨するというより、極端なポジティブ思考に警鐘を鳴らす本。ポジティブな自己啓発本や、その考え方を完全否定するわけでもない。ちょっと本のタイトルがズレている気がする。

    自己啓発書を読んだ直後は、興奮状態になって、一時的にやる気が出る。似たような自己啓発本を続けて読んだり、関連するセミナーを受けてみたり。ところが、現実とのギャップを知り、精神を病むことになる。内省的な方であれば、早々にギャップに気づき、苦しむもの。

    結論としては、「ポジティブ思考は程々に。自己啓発本に踊らされてはダメ。批判的な目を持って。ネガティブケイパビリティを受け入れられる、ニュートラルな心の状態がちょうどいいよ。」という感じだった。そして、この適度な心のバランスへと導く「ストア哲学」の考え方も興味深い。

    私個人はネガティブ思考である。何かに挑戦しても、他人ほど結果は出せない。まあ、それでも良いんだ。周囲と比べて、自分を無理やり明るい人間に変えようと、無理に努力する必要は無い。ひねくれて感じが悪い人にはなりたくないけれど、不完全で不安定な自分を受け入れ、穏やかな笑顔でいたい。

  • 著者は、ネガティブな思考を持つことで以下のような利点があると主張しています。

    問題解決能力の向上:ネガティブな思考を持つことで、問題や障害をより深く考え、その原因を理解することができます。
    リスク管理の強化:ネガティブな思考を持つことで、リスクをより正確に評価し、失敗を未然に防ぐことができます。
    優れた判断力:ネガティブな思考を持つことで、情報をより正確に評価し、より正確な判断を下すことができます。
    クリエイティビティの促進:ネガティブな思考を持つことで、常に改善する方法を模索することができ、創造的な解決策を生み出すことができます。
    メンタルタフネスの向上:ネガティブな思考を持つことで、苦難や失敗に対処する力を強化することができます。

  • 「ネガティブであれ!ネガティブこそ素晴らしい!」というような内容ではなく、幸せな生き方を考えた時に「ポジティブ志向」が過大評価されているのでは?という問いかけの本な気がしている。

    失敗として感じたこと、恐れる気持ち、恥ずかしいという感じ方も受け入れよう、という気持ちになった。
    ポジティブとネガティブ、二つは対立するものではなく、どちらも幸せを感じるための大事なものなのだと読んでいて思った。

  • ネガティブ思考推しの本ではない。
    自己啓発本のポジティブさに疲れている人にはとても良い。常に後ろ向き思考の私には同意できる部分が多かった。
    結局のところ、全ての事象は受け取り方、考え方次第なのだけれども、ポジティブ推し本よりよっぽど納得できる。

  • 斜め読み、飛ばし読みだったけど、この本の主張するところは結構好き。
    周囲にポジティブな人がいると引っ張られてとても助かるんだけど、逆に引っ張られ過ぎて失敗しないようにブレーキを踏む役割になることが多くて、そんな自分がいつも無意識的に事かもしれない。

    しかしこの邦題は少し違和感。
    THE ANTIDOTE(=解毒剤)
    happiness for people who cant stand positive thinking.

    ポジティブへのカウンター=ネガティブって事ではなくて、
    ポジティブが全てではない、とか、ポジティブ思考を超えろ、とかがいいんじゃないかなと思いました。

  • 図書館で借りて読んだ。2章2節まで読んだ。続きは、"「悪事の熟考」のメリット"から。

  • ポジティブ思考が良いという固定観念を覆す本。
    ポジティブになろうとすることは、「水の上に浮かんでいようともがくと沈み、潜水しようとすると浮き上がる」という例えがしっくりきた。

  • 自己啓発界に対し、哲学等に基づいて軽妙にカウンターを放つ本。
    自分の思考の目撃証人になろうとする方が心に平穏をもたらす。

  • ネガティヴを活かして〜と考えて読んでみましたが、ちょっと違いました。
    ポジティブ思考主義の危険さを指摘しています。
    一番のネガティヴの要因は死ということで、死についての考察がたくさんなされています。
    いろんな人に話を聞いているので、そういう考え方もあるのかーと考えさせられました。

  • まず、本書はネガティブ思考礼讃を掲げているものではない
    原題のANTIDOTE(解毒剤)が示すように、行き過ぎたポジティブ思考信仰に警鐘を鳴らし、真の幸福に向かう道を「ネガティブ」を排除せず探索する試みがなされたものだ。
    ありもしない「確かな」未来を手に入れるためにイマココの不確実性に蓋をするのではなく、不確実性と向き合う。
    一度立てた目標を盲信しその達成に躍起になって人生を浪費するのではなく、ここでもイマココをみつめ判断していく。経験主義が息づいた考え方は、たしかに現実と向き合う勇気をもたらし、結果として私達を幸福へと導いてくれそうだ。

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著者プロフィール

イギリス全国紙ガーディアンの記者。外国人記者クラブ(FPA)の若 手ジャーナリスト賞を受賞。英国で最も権威ある報道賞・オーウェル賞ノミネート経験も持つ。著書にベストセラー『限りある時間の使い方』他。

「2023年 『HELP! 「人生をなんとかしたい」あなたのための現実的な提案』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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