才能の科学;人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法

  • 河出書房新社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309300221

感想・レビュー・書評

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  •  めちゃくちゃいい本でした。
     この本は、「才能なんてものはなく、すべては努力次第だ!」という著者の主張を、とても丁寧に科学的論拠をもとに考察されています。
     運動競技を見ると「黒人ばかり活躍していて、黒人は遺伝的に運動に向いている!」と思っていましたが、「黒人選手はただ努力の量が凄いんだ!」「遺伝や才能なんて関係ない!」という結論は、とても刺戟的で良かったです。
    視野が広がり、やる気が起こる、とてもいい本です!!
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

  • 「才能」とは「努力」である、と言うこの書。様々な意見、評価、立証等が載っているが「才能は結局努力次第」とある、が果たしてそうだろうか。天才などもって生まれた才能は努力ではなく「環境と他人が、家族が見出した結果」でもあると思う。一般的な「才能」とは「努力」も大きな要因だが、体内・脳内に潜む持って生まれた「天性」が必ずやある(才能=特技)と私は思う。スポーツのできない人に「努力」でスポーツ選手になれと言ってなれる人はいないと同じで、人間には「天性」があり、それは人それぞれの「才能」が隠れているだけだと信じたい。「天性」があるから「努力」でその才能が伸ばせるのだと、信じたい。ゴルフプロの双子(岩井姉妹)の優勝は、そんな背景があると信じたい。

  • 1 どんな本?
    遺伝的に決まる才能なんてもの存在せず。傑
    出性は目的を持った練習とフィードバックのル
    ープで決まる事を説く本。人種の特徴にまで言
    及した本は初めて見た。

    2 なんで読んだの?
    (1) 子育てに役立てたいから。
    (2) 教育に役立つ知識が欲しい。
    (3) 具体的な教育の仕方を更新した状態。

    3 構 成
    3部10章構成310頁
    自伝バイアス、著者の卓球経験から始まり、
    人種の色眼鏡を捨てる事ができたならば世
    界を変える事ができると締めくくる。1/2は
    本書の主眼である才能と言う幻想に費やさ
    れている。

    4 著者の問題提起
    傑出するのに才能が必要だと思って無いですか?

    5 命題の至った理由
    卓球の英国代表だった著者の考察から生まれ
    た疑問。その疑問を解決する科学的根拠から。

    6 著者の解
    傑出には努力の量と質が大事(運も)遺伝的
    な物は関係が薄い。

    7 重要な語句・文
    (1) 傑出才能説
    (2) 才能至上主義
    (3) 神秘の花火
    (4) 関連性がモチベーションを産む
    (5) あがりのメカニズムとその回避法
    (6) フィードバックループ
    (7) 成長思考
    (8) 行動を褒める。
    (9) 能力は褒めない。
    (10) 感情は皆一様に遺伝子に組み込まれている。

    8 感 想
    既知のリマインドにもなったし、新たな学び
    にもなった。
    刺さったのは人種にすら遺伝的特徴は薄い事。
    外見ぐらい。私の偏見が薄らいだ。世界は一つ
    になれると感じた。
    深く知りたい事は内的動機の出し方。やる気
    を出す事ができればなんでも出来ると思う。
    人に勧めるなら目的性訓練とフィードバック
    ループ。誰もが何にでもなれる。
    私がタイトルをつけるなら「才能を否定する
    科学」

    9 TODO
    (1) 子供の能力を評価しない。
    (2) 子供の行動を褒める。
    (3) 失敗なんかない事を伝える。

    10 問 い
    人間とは?

    11 答 え
    皆一緒

  • 神童は非凡な遺伝子を持っているのではなく、非凡な育ち方をしているだけ。
    「何がいけないのかわからなければ、何が良いかも絶対にわからない」ので、フィードバックは必要不可欠。
    知能を褒めると「頭が良い」レッテルを失うことを恐れるようになり、努力を褒めると継続して挑戦するようになる。才能神話が至上の世の中では簡単ではないが、努力思考の褒め言葉を常に繰り返すこと。

  • 才能より努力が重要である。そしてその努力についても正しい目標を持つといった工夫が重要であると言う主張の本。相変わらず山形さんの訳者あとがきがわかりやすい。

  • 修練は才能に優ると説く。最大の特徴は、著者自身が一流の結果を残したアスリート(卓球選手)であり、成功要因を語るにおいて、説得力がある点。練習内容も、時間を掛け数をこなすだけでなく、常に一段高い所に目標を置き、質の高さを伴う事が肝要。途中から既知の実験がダイジェストに引用されたり、また必ずしもトレーニングだけが差異を生む要素なのか疑問(仮に全プレーヤーが同じ質量の練習を積んだならどこで勝敗が分かれるのか)もあるが、それを差し引いても、我々が普段、才能という分かりやすい「答え」をいかに信じ過ぎているか、見直すきっかけにはなった。

  • 失敗の科学を読んで。
    やっぱりこの著者の本は論旨明快で読みやすい!
    雑誌のコラムニストだと知って納得。エッセイ調で読めてしまうが、中身は濃い。著者自身が元オリンピック選手というのも非常に説得力がある。
    本書では「氏か育ちか」問題について、ほぼ100%「育ち」と言い切っている。議論が分かれる内容が多いが、立場を明確にして論じられているのでシンプルでわかりやすい。
    論旨:天才はいない。何かに優れた人は、1人も漏れず一万時間以上の目的性訓練を積み、そこから得られる膨大な経験からパターン認識を向上させ、動作を潜在記憶にまで落とし込む。

    メモ
    ・関連性がモチベーションを生む:同じ誕生日の人が出題する数学の問題への取り組み姿勢の向上
    ・努力を褒める。「頭がいい」と褒めることは能力低下につながる。:知性を褒められると、失敗することでがっかりされることを恐れる。努力していることを知られたくなくなる。
    ・遺伝子ドーピングの将来可能性。筆者は倫理的に難しいとしながらも、是とする模様。(ただ生まれ持っての才能を全面的に否定する筆者の立場からすると、そもそも遺伝子ドーピングも関係ない、努力には覆されるとすべきのような気もするが)ガリレオ(望遠鏡の発明者)の時代、多くの人が望遠鏡は倫理的にどこか怪しいと心から思っていた。神が認めた力を人類が超えるものとみなしていたから。今遺伝子改良に反対している人がいつか同じように見なされるというのも想像にかたくない。とのこと。現在の感覚ではかなり極端と言えるものの、あとから振り返ると筆者が言い当てた通りになる可能性も否定できない。
    ・黒人のランナーの優位性は遺伝的なものなのか?:筆者の考えはNO。遺伝子は同じ黒人でも多様性に富んでおり、育った環境によるもの。①ケニアは高地にあり、低酸素状態にあるため耐久性を高める。②学校へ行くのに交通機関がないので20キロを走って通うのがデフォルト。しかも高地。子供の頃から1万時間トレーニングをしているようなもの。③スポーツ以外の分野では黒人は参入障壁が高いため、スポーツを目指す傾向が高まる。④スポーツでの成功によって貧困から抜け出したいという意欲の高さ。個人的にはこれは疑問。肌の色が黒いことと因果関係はなくとも、体格の違いはあるように思えるが、(たまたま肌が黒い遺伝子と、足が長い遺伝子?&しなやかな筋肉を形成する遺伝子が一緒になる可能性が高いのか。肌が黒い人は髪がパーマな可能性が高いのと同じように)

  • #flier

  • 天才と言われる人たちはもともと才能を持っていると思っていた。
    例えば運動や芸術は持っている才能をいかに幼少期からの教育によって開花させていけるか、ポイントは生まれ持った才能と思っていたが、才能ではなく全ては環境と運と言い切る部分がとても気持ち良い。

    スポーツ1つとっても幼少期に与えられた環境、そして出会える指導者によって才能が育まれる。
    もって生まれた才能ではないことに自信を持てる。
    そしてそのような環境に身をおけるかどうか、幼少期であれば置かせてもらえるかどうかによって変わってくる残酷な世界でもあると感じる。

    ====
    ジャンル:自己啓発・マインド 人事
    出版社:河出書房新社 出版社ページへ
    定価:2,200円(税込)
    出版日:2022年06月28日

    ====
    マシュー・サイド
    作家、英『タイムズ』紙コラムニスト。オックスフォード大学哲学政治経済学部を首席で卒業。卓球選手として活躍し10年近くイングランド1位の座を守った。オリンピックにも2度出場。著書に世界的ベストセラー『失敗の科学』『多様性の科学』他。

    ====
    flier要約
    https://www.flierinc.com/summary/3166

  • 図書館がおくる、「クラブ・サークル向けおすすめ図書」

    クラブ・サークル名 剣道部
    請求記号 141.1/Sy
    所蔵館 2号館図書館

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著者プロフィール

作家、英『タイムズ』紙コラムニスト。オックスフォード大学哲学政治経済学部を首席で卒業。卓球選手として活躍しオリンピックにも2度出場。著書に世界的ベストセラー『失敗の科学』『多様性の科学』他。

「2022年 『才能の科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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