江戸へおかえりなさいませ

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 90
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309277226

感想・レビュー・書評

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  • 「なんだかいいね」。以上。


    それで杉浦さんにとってはいいんだけど、野暮な私は贅言をすこし弄してしまう。
    この本は最近文庫化されたもの。でもマンガ作品やイラストなどが少し載っているということであえて単行本の古書で購入。絵は大きい版で見たい。
    最初は書かれた時代(1980年代中ごろ~2000年代初期)を感じてしまうが、読んで行くとそんなことはどうでもよくなってしまう。
    燗ビール、やってみたい。たとえまずいと感じてもいい。
    子どもの頃は上落合2丁目に住んでいたのか!今の我が家から近いじゃないか。地図を見ると当時の上落合は今と違って区境まで伸びていたようだ。落合斎場の西と書かれているが、新宿区の西端でほんのわずかに家が立ち並ぶあたりか。

  • エッセイ集
    へえーとなるものから わかるわかる!となるものまで

    本物を味わう極上の愉しみ 太田記念美術館
    →去年歌川国芳展があり訪れたが確かに良かった
    現物が良すぎて 画集がイマイチ物足りずポストカードしか買わなかった位
    崗田屋愉一さん 歌川シリーズ続編出ないかなぁ。。
    『ミュージアムの女』も面白かった もっと気軽に頻繁に絵に触れたい
    歌舞伎座の舞台絵も好きだったなぁ

    一夜明ければ
    →『昨日の続きの今日があるだけで』『それでも…正月前の年末風景は好きだ』わかるなぁ

    王子と乞食
    →『便利さと引き換えに私達が失ったものは江戸人達が有り余るほど持っていた「無為の時間」である』エッセイを書いた当時でさえそうだったのだからスマホとWi-Fiがある今 本当に「何もしない」時間は無くなったし新しい情報を得ても 思い返すことをしないからだろうか すぐ忘れる。。

    日本人のスピリット
    →『八分目どころかあまり過ぎるくらい持っていてもまだ不安です』不景気だけれど日本人は長寿だし何歳まで生きるかわからないから 何か不安がいつもつきまとう。。

    井上安治
    →先程スマホについて、物申したけれど 気になればその場ですぐ調べて画像検索できるのは便利
    昔『ハーメルンのバイオリン弾き』って漫画あったけど作中での音楽 どんな曲だったのだろう
    最近はアニメ『スーパーカブ』 ドラマ『ミステリと言う勿れ』 北京オリンピック選手入場とクラシックがよく使われるようになったイメージ
    偉人も ギリギリ写真残ってると 自分の中での印象が大きくなる

    かなしみの変容
    →『愛する人を喪うとき』を読む前の文章だろうか 読んだあとの文章だろうか
    『かなしみは消えない ただその性質が深く染みとおり やさしく なめらかになるだけで 一生背負わななければならない疵として 受容するほかに手だてはない』
    『自身の死へのかなしみよりも 置き去りにされる かなしみのほうが より重たい』
    その後の文章の域に果たして自分は達することが出来るだろうか
    『かなしみは慈しみの肥やし…かなしむことは 慈しみとおなじ 愛の表現で…人に与えられた 最強の力かもしれない』

    なんかおいしいもの
    『胃袋が空な訳じゃないから 十万円の三ツ星のフルコースディナーも 部活帰りの五十円の肉まんには勝てないのである』
    そっか!!! 確かに空腹ではない!!!
    次から「なんかおいしいもの食べたいなぁ〜」となったらお店を検索するのではなくて
    甘いものとか 食べ歩きみたいにちょこっとしたものの中から候補を探してみよう。。

    うれしいことば
    「なんだかいいね」確かに 後から冷静になれば言葉や説明出来るけれど 触れた瞬間は色々といっぱいで「あ いいな」とシンプル

    船旅道楽
    →荷物も置いておけるし 移動も楽だし いいっていうよなぁ。。気のおけない人と会話や無言を楽しみながらしたいなぁ。。

    七五三
    →七食五楽三会 これからはこれを新年の抱負に掲げよう

    歳を重ねる事を楽しもう
    →新成人へ この言葉を贈るのも面白い

    わたしのおはか
    →作者 菩提は今どうなっているのだろう

  • 江戸の軽い話

  • 杉浦さんも、夭折して惜しい作家さんでした。
    あちこちに書かれたものをあつめ、最近出されたたエッセイです。彼女がいかに江戸の一庶民としての暮らしを愛したか。
    浮世絵は、印刷されたものではなく、本物を見て欲しいという文章にはうなりました。そして、実際にこの後、生の浮世絵を観る機会に恵まれたのですが、まさに納得でした!!
    杉浦さんのおかげで、浮世絵が何倍も楽しめました。
    ほかにも見事な観察眼と、表現がちりばめられています。
    これらの文章を読むと、なぜ杉浦さんが江戸に惹かれたのか、切ないくらいよくわかります。
    江戸へおかえりなさい、と言われたのは読者ですが、杉浦さんも、身も心も、江戸からおかえりなさい、と迎えられたのでしょうか。そうあってほしいです。

  • 今現在の生活が、幸せなのか?
    それとも、作者の言うような 江戸時代の 物の最小限の生活で、衣食住をすべて、八分目の生活が良かったのか?

    初めて読む作者 杉浦日奈子さんの作品を、最初の漫画のポキポキを読んで、面白いかな?と、手に取った。

    しかし、読み進めると、話が、右往左往で、あまり、つながりがないのに、少し閉口してしまった。

    しかし、沢山の本を読破しているのであろう。
    江戸の風流さを、描いているところもあり、興味深いところもあった。

    江戸の道楽について書かれていたところは、趣味と、道楽の違いが、しっかりと、理解できた。
    江戸三百年の太平の三道楽ー園芸、釣り、学問・文芸と、、、、
    真の豊かさとは、、、
    伊能忠敬の全国測量旅行の素晴らしさは、今の地図に匹敵すべきぐらい正確さのある物を、もう少し解説してほしい気がした。

    後の方になってくると、ナント生きた甲斐が、するじゃあないか。と、、、、作者のエッセイになってしまって、お江戸から大分離れてしまったような気がした。

    もう少し、江戸の話が、欲しかった。

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著者プロフィール

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958年、東京生まれ。1980年、「通言室之梅」(「ガロ」)で漫画家としてデビュー。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。1993年に漫画家を引退し、江戸風俗研究家、文筆家として活動した。NHK「コメディーお江戸でござる」では解説を担当。主な漫画作品に『百日紅』(上・下)『ゑひもせす』『二つ枕』『YASUJI東京』『百物語』、エッセイ集に『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『一日江戸人』『杉浦日向子の食・道・楽』『吞々草子』等がある。2005年、没。

「2023年 『風流江戸雀/呑々まんが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉浦日向子の作品

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